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成育科ブログ

小児科学会総会in大阪 part2

2015.04.25

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ちょっと間が空いてしまいましたが、先日の小児科学会総会in大阪のpart2です。日本小児科学会総会と言うと、これまではどちらかと言うとどんどん細分化され、あたかも「ミニ内科化」した各分科会の集合体のようなイメージを持っていましたが、今回の学会プログラムを見ていると「ミニ内科」的な分科会色は控えめで、むしろ小児科を越えた視野をもっと拡げたプログラムが盛り沢山の印象でした。日程上、各会場が重複しているので全てを聴講することはできないのですが、個人的に興味のある分野であれこれとても勉強になった学会でした。

学会初日は総合シンポジウムとして「21トリソミーの”小児以降”を知る」と題したシンポジウムを聞きました。日頃から21トリソミーのお子さんには大勢接してはいますが、逆に成人期以降に接することはないのでとても勉強になりました。
21トリソミー (Custom)
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2日目は朝から出生前診断に関する教育講演とシンポジウムが続きました。教育講演の方は 一昨年、青森にもご講演にきていただいた宮城県立こども病院の室月先生 でした。室月先生の教育講演で妊娠初期の胎児診断全般に関してお聞きした後、続くいわゆる新型出生前診断のシンポジウムを聞きました。詳細は省きますが、適応疾患や検査対象の拡大を求める声と、その一方で結果的にこの検査によって多くの染色体異常のお子さんが中絶されていることを危惧する声が交錯している現状を再認識しました。
室月先生 (Custom)
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2日目の午後には多職種シンポジウムとして「子どもの権利からみたこれからの療養環境~小児科医として、何を目指すのか~」と題したシンポジウムを聞きました。
子どもの権利 (Custom)
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「病院のこども憲章」 と言うのがあって、そこには以下の10か条が記されています。

1.必要なケアが通院やデイケアでは提供できない場合に限って、こどもたちは入院すべきである。
2.病院におけるこどもたちは、いつでも親または親替わりの人が付きそう権利を有する。
3.すべての親に宿泊施設は提供されるべきであり、付き添えるように援助されたり奨励されるべきである。親には、負担増または収入減がおこらないようにすべきである。こどものケアを一緒に行うために、親は病棟の日課を知らされて、積極的に参加するように奨励されるべきである。
4.こどもたちや親たちは、年齢や理解度に応じた方法で、説明をうける権利を有する。身体的、情緒的ストレスを軽減するような方策が講じられるべきである。
5.こどもたちや親たちは、自らのヘルスケアに関わるすべての決定において説明を受けて参加する権利を有する。すべてのこどもは、不必要な医療的処置や検査から守られるべきである。
6.こどもたちは、同様の発達的ニーズをもつこどもたちと共にケアされるべきであり、成人病棟には入院させられない。病院におけるこどもたちのための見舞い客の年齢制限はなくすべきである。
7.こどもたちは、年齢や症状にあったあそび、レクリエーション、及び、教育に完全参加すると共に、ニーズにあうように設計され、しつらえられ、スタッフが配属され、設備が施された環境におかれるべきである。
8.こどもたちは、こどもたちや家族の身体的、情緒的、発達的なニーズに応えられる訓練を受け、技術を身につけたスタッフによってケアされるべきである。
9.こどもたちのケアチームによるケアの継続性が保障されるべき である。
10.こどもたちは、気配りと共感をもって治療され、プライバシーはいつでもまもられるべきである。
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このシンポジウムでちょっと気になったのが「子どもには親や親族に付き添われる権利を有する」と言う点でした。子どもの立場からすればこのことは当然ではありますが、しかし子どもが付き添われる権利を有すると言うことは、親には子どもに付き添う義務があると言うことになります。では、その義務を有する親は子どもの付き添いのために仕事を休む権利を有していると言える現状でしょうか?子どもの立場からだけその権利を強調することは、結果として親を板挟みにしてしまうのではないか?もっと言えば、これまでの小児医療が「子どもの権利」の時点で思考停止に陥ってしまっているのではないか?そんなことが気になったので、このシンポジウムではこの点に関して質問に立たせていただきました。

この点に関しての私見はこれまでの新聞投稿や東奥日報の連載にも載せていますので、併せてご覧いただければと思います。
2014年1月16日 朝日新聞のオピニオン欄に投稿しました
2015年3月19日 東奥日報連載13回目 少子化対策に欠ける視点

2015年4月9日 東奥日報連載14回目 子の障がいと母の就労

学会3日目の午前中は総合シンポジウム「どうするこれからの小児在宅医療と家族支援 – 小児科医師に何ができるか?」を聞いてきました。最近、当科でも在宅医療的ケアを要する患者さんが増えてきており、こうした患者さんとそのご家族の支援がなんとかできないものかと思っていたので、とてもタイムリーでした。「進んでいるところは進んでいる」と言うこと、そして公的医療機関よりも民間の開業の先生方の方がはるかに進んだ取り組みをされていることを再認識しました。今後、どうして言ったら良いのか、その答えをすぐに見つけることはできませんでしたが、何かできることがないのかをこれからも探って行きたいとの思いを新たにしました。
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