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成育科ブログ

東奥日報連載33回目 医療的ケア児への支援 前編

2016.06.23

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東奥日報夕刊の連載 「知ってほしい赤ちゃんのこと」 は今週月曜日が33回目でした。 今回は前回に引き続いて、東奥日報明鏡欄に医療的ケア児のお母さんからの投稿が(2016年4月20日) でもご紹介させていただいたこの明鏡欄への投稿に関連して、医療的ケア児への支援のあり方に関して述べてみました。

先日、横浜市の 能見台こどもクリニック の小林拓也先生が重症心身障害児の日中一時預かりをされている「メディカルデイケア」をご紹介しましたが( 6月8日 メディカルデイケアとは?~横浜・ケアハウス輝きの杜 )、今回の連載では小林先生の取り組みをご紹介させていただきました。

第33回目 (Custom)

以下、本文です。

 4月20日付の東奥日報夕刊明鏡欄に掲載された「医療的ケア」を要するお子さんの預け先がなく、お母さんが働けないという投稿を巡って、前回はその問題が持つ矛盾点を述べました。今回は解決策に関して述べてみたいと思います。
医療的ケアを要する重症心身障害児に対して、法に定められている支援としては、障害者総合支援法と児童福祉法の二つの法律に基づくものがあります。
この中で健常児における保育所の代わりとなり得る支援、つまり「託児」が可能な支援としては、障害者総合支援法では、短期入所の中で宿泊を伴わないデイケア(特定短期入所)があり、福祉型と医療型に分かれています。福祉型は看護師が一定のケアを行うことが可能ですが、医療型は医療機関が提供するサービスなので、人工呼吸管理などのより高度な医療的ケア対応が可能です。
一方、児童福祉法によるものとしては、未就学児の通園を行う児童発達支援と、障害児の学童保育に相当する放課後等デイサービスがありますが、いずれも医療的ケアを要する子どもの利用は困難なことが多いようです。
よって、医療的ケアを要する重症心身障害児を預かることのできるサービスとしては、デイケアとなります。中でも特に医療的ケアおよび医療そのものを提供するものは近年、「メディカルデイケア」と呼ばれるようになっています。
実は、医療的ケア児への対応の問題を解決すべく、15年以上も前から横浜市で小児科の開業クリニックが日中の預かり事業をされているとお聞きして、先日、院長の小林拓也先生を訪問し、施設を見学させていただきました。
この施設は「能見台(のうけんだい)こどもクリニック」という小児科診療所で、2階部分が「ケアハウス輝きの杜」というメディカルデイケアの施設となっています。年齢に関係なく20名まで、朝8時から夕方6時まで預かることができます。
施設内には重症心身障害児病棟と同じ状態のお子さんがたくさんいて、スタッフの方たちは、気管切開児の痰の吸引、胃ろうからの栄養注入、在宅酸素療法中でなおかつ体調を崩して痰がごろごろしているお子さんに吸入したりと、慌ただしくも懸命にケアをされていました。一見しただけでは通常の重症心身障害入所施設の中でも、むしろ重症のお子さんの病棟にしか見えず、まさかこれが日中一時預かりの施設とはとても思えないほどでした。
重症心身障害児は頻繁に体調を崩しますが、この施設であれば体調が悪いときでも、と言うよりも体調が悪いときだからこそ、治療も含めて利用できるという点がデイサービスと大きく異なる点です。制度上は、上述の障害者総合支援法によるデイケアと医療保険制度を組み合わせた形で運用されています。中には仕事を続けられているお母さんもいて、先日の明鏡欄への問いかけに対する一つの答えになり得ると感じました。
ただ、この施設が全ての答えになっているわけではありません。次回は、医療的ケアを要する重症心身障害児のお母さんたちが安心して働けるようになるにはどうしたらいいのか?という点を、さらに掘り下げてみたいと思います。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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