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成育科ブログ

2015.09.13

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突然ですが問題を思いつきました。極低出生体重児のお母さんの年齢を5歳階級別に並べ替えるとどんな順番になるでしょうか?
ヒントとして全出生数の母親の年齢別出生数の図を示します。
総出生 (Custom)
母親の年齢別出生数は2000年から2005年にかけて、20代後半が30代前半に、20代前半が30代後半に、さらに20歳未満が40歳以上にそれぞれほぼ同時期に追い抜かされされています。
これが出生体重1500g未満だとどうなるかと言うのが問題です。
答えは後日、同じような図でお示ししたいと思います。

2015.05.27

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先週末の5月23日(土)に東北大学主催の新生児科指導医教育セミナーにお招きいただきました。この企画は新生児科指導医育成を目的としたプログラムが厚生労働省から採択された事業だそうで、この教育セミナーは年3回予定されており、今回が2回目だそうです。
東北大学教育セミナー (Custom)
プログラムの内容はもの凄く高度で最先端の話題ばかりで、その中で唯一、全く学術とは無縁な「我が国の少子化の背景と周産期医療への影響」と題してお話しさせていただきました。今年10月に盛岡市で開催される 第60回日本新生児成育医学会 (旧日本未熟児新生児学会)で「少子化に伴って新生児医療はどのように変化するか?」に関するシンポジウムが予定されていますが、今回はそのフルバージョンのような内容です。
DSC07001 (Custom)

これは母親の5歳階級年齢別にみた低出生体重児出生数の推移を見たものですが、NICU不足が社会的問題になり、低出生体重児の出生数もピークだった2008年には、実は35歳未満のお母さんからの低出生体重児は既に減少局面にあり、それを35歳以上のお母さんから生まれた低出生体重児が下支えしている形となっています。
年齢別出生数 (Custom)
今後、低出生体重児はそう遠くない将来、確実に減少すると思います。一方、若年世代は地方から大都会へ移動しているので、地方での出生数減少が大都会以上に急激に減少することになると思います。そうなった時に懸念されることを最後の方のスライドにまとめてみました。これからの世代の先生達は、これまで拡大路線でやってきた方針をどこかで転換せざるをえなく、将来的には「撤退戦」の様相を呈するのではないかと予想しています。これからの世代の方達には今まで以上の知恵と結束力が求められるのではないかと考えています。
まとめ (Custom)
課題 (Custom)

こちらはセミナー終了後の懇親会の様子です。あいにく懇親会には参加できませんでしたが、とても盛り上がったようですね。(お写真はFBから拝借させていただきました)
22206_658469320919574_4900322116623953025_n (Custom)
東北大学は東北地方の医療の要ですので、今後も臨床面・研究面でのますますのご発展を祈っております。お招きいただきました東北大学の松田先生をはじめ諸先生ありがとうございました。

2015.04.27

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東奥日報夕刊の連載「知ってほしい赤ちゃんのこと」は先週月曜日が15回目でした。今回はこれまで続けてきた少子化問題の総まとめ的な内容になっています。少子化問題に関してはこれからも触れて行こうと考えていますが、次回からはテーマをちょっと変えていこうかと考えているところです。

第15回目 (Custom)

以下、15回目の本文です。

少子化問題に関して、例えば「日本は国土が狭いから人口は少ない方が良いんじゃないか?」などの意見を耳にします。今回はそれら少子化に関わる一般的な誤解を解きたいと思います。

 少子化の問題は、単に人口が減るという簡単な話ではありません。最大の問題は「年齢別人口構成の急激な変化」です。国立保障・人口問題研究所による、2010年と2040年の推計値の比較を見てみましょう。総人口では、約1億2800万人から約1億700万人と、16%程度の減少が予想されています。

 ちなみに40年は、団塊ジュニア世代が70歳前後と高齢者の仲間入りをする頃です。老年人口(65歳以上)だけは3割ほど増えていますが、生産年齢人口(15~64歳)を見ると、逆に8173万人いたのが5787万人と、3割近く減少すると予想されています。また、老年人口を支える生産年齢人口の割合では、老年1人に対し、2・8人だったのが、約半分の1・5人まで減ると推計されています。

 この急激な変化がどのような問題を引き起こすのか? 現在の若年世代や、これから生まれてくる世代の立場で考えると分かりやすいのではないでしょうか。

 最近は「年金はもらえるのか?」と受給者側の心配の声ばかりが聞こえてきますが、若年世代やその子どもたちから見ると「自分たちがもらう時、若者の負担はどれくらいに増えているのか?」という見方ができます。国が背負っている借金も膨大です。これから生まれる若年世代に仲間を増やさないと、負担は増すばかり─。自分たちの今よりも、子や孫の心配をもっとしても良いのではないか。そんな気がしています。

 一方、こうした背景から行われる少子化対策自体が、戦後の「産めよ増やせよ」を連想させ、忌避感を抱く方も多いようです。女性に対するプレッシャーを問題視する意見も耳にします。

 確かに少子化が問題だからと言って「子どもを産む」ことの押しつけは避けなければなりません。ただその前に、若い世代の結婚や子育ての希望が叶えられているか、という点を考えなければなりません。同研究所が年に行った出生動向基本調査によると、夫婦の「希望子ども数」は平均2・42人。また独身女性の結婚希望率が89.4%、さらに「(結婚した場合の)希望子ども数」が2・12人とされています。

 これらの数値などから「希望出生率」を算出すると1・8となり、現在1・4程度で推移している合計特殊出生率を大幅に上回ります。少子化対策に成功したフランスなどの欧州先進諸国の合計特殊出生率も1・8程度です。人口を安定させるために必要な合計特殊出生率は2・07なので、そこには足りませんが、まずは子育て世代の希望子ども数をかなえることが先決と言えるでしょう。

 現在の日本で「結婚し子どもを産み育てる」ことの困難さが増しています。医療現場という限られた場面ながら、近年のお母さんたちを取り巻く環境を見ていると「社会としての優しさが欠けているのではないか」と常々感じます。

 かなり昔になりますが、高倉健主演の映画『野生の証明(1978年)』で「タフでなければ生きていけない。優しく無ければ生きている資格がない」と言うキャッチコピーが頻繁に流れていました。今の社会をこの少子化問題の観点から眺めていると、まさに「社会自体が優しくなければ生きていく資格がない」のかもしれません。

2015.03.19

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東奥日報夕刊の連載「知ってほしい赤ちゃんのこと」は今週が13回目です。今回は前回に続いて我が国の少子化対策に欠けていると常々感じている点に関して述べさせていただきました。言いたいことは本文に書かせていただきましたので、是非、ご覧いただければと思います。
第13回目 (Custom)

以下、13回目の原稿です。

以前、「出産年齢の上昇の原因は女性の側だけにあるわけではない」と述べました。これまでお読みいただいた方には、その答えが分かってきたかと思います。

一言で言えば、若年世代の経済・雇用環境の脆弱化やマタニティハラスメントの横行もあって、若いうちに子どもを持てるような社会的環境を整えることができなかったのが主因でしょう。

最近、首都圏を中心とした待機児童が問題視され、その解消が少子化対策の中で論じられています。特に核家族の多い都市部で大きな問題であることは論をまちません。しかし、これが少子化対策の中心として語られるのには、ちょっと首をかしげてしまいます。

仕事と子育ての両立は微妙なバランスで成り立っていて、そこに何らかの「非常事態」が発生すると一気に崩れます。前回紹介した子どもの入院付き添い問題も、子育ての「非常事態」への支援の問題の一例に過ぎません。この他にも
生まれてきた子どもに障がいがあったらどうなるのだろうか
親が失業したら育てて行けるのだろうか
と不安は尽きません。一般的に少子化対策と言った時、こうした家族にとっての「非常事態」への対処があまりにも手薄と感じます。

早産児のお母さんから、「あと1か月で職場復帰するように言われているが、保育所に入れても大丈夫ですか」と度々聞かれます。いつから保育所に入れてよいか明確には言えませんが、免疫機能が未熟なお子さんをNICUから退院後すぐに保育所にというのも心配です。しかし経済事情も各家庭で異なるので、一律に「乳児期はダメです」とも言えません。こうした時は「仮に早く職場復帰して保育所にお子さんを入れたとして、頻繁に風邪を引いて入退院を繰り返すかも知れません。その時、お母さんは付き添わなければなりませんが、それでもお仕事を続けられる職場ですか?」と尋ねます。冷酷かもしれませんが、無理をして職場に戻っても、お子さんが入退院を繰り返しては結局後悔するでしょう。ましてそのために職場に居づらくなってしまっては、何のために早期復帰したのかさえ分からなくなってしまいます。

こうした現状を間近で見ていると、わが国の少子化とは、女性あるいはカップルが自分自身の人生を生きていく上での「危機回避の結果」と言っても過言ではない気がしてなりません。

共働きの家庭にとって保育所は「あって当然のインフラ」です。これがないのは水道や電気がないようなもの。でも、水道と電気だけがあっても、そこに警察や消防がなければやはり住めません。危機に対処できないところには住む人はいないのです。

待機児童問題の解消は少子化対策としては最低限の対策です。これが議論の中心になっていること自体、危機的ではないかと思います。赤ちゃんが減ると結局、後になって社会全体が困るのに、どうしてもっと安心して子育てできる環境を作り出せないのでしょうか?

この連載でなぜ少子化の問題を取り上げるのか?それは子どもや子育て中のお母さんがこの日本社会の中で守られているとはとても思えないからです。社会が優しくないのに、そんなに都合良く子どもが増えるわけがありません。少子化対策と言うのなら、もっと根本的なところから見直すべきではないのか?こうした思いから、現状を少しでも多くの方に知っておいていただきたいと思っています。

(画像をクリックするとリクルートページへリンクします)

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2015.03.05

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東奥日報夕刊の連載「知ってほしい赤ちゃんのこと」は今週が12回目です。今回は今回は小さなお子さんを持つご家族に日々接している立場から、お子さんが入院した際の家族の付き添いの問題に関して述べてみました。このことは昨年1月に 朝日新聞のオピニオン欄に投稿させていただいた内容の延長線上にあります。少子化対策と言うのなら、こうした家族にとっての「リスク管理」にももっと配慮があっていいのではないかと感じています。こうしたことは私たち医療従事者が訴えてもなかなか相手にされないところがあります。是非、当事者である患者さんのご家族からもどんどん「生の声」を挙げていただきたいと思っているところです

第12回目 (Custom)

以下、12回目の本文です。

これまで比較的一般的な観点からわが国の少子化の背景をご紹介してきましたが、今回は小さなお子さんを持つご家族に日々接している立場から常々感じていることを述べたいと思います。

働きながらの子育ては本当に大変なことと思います。仕事の時間と保育所のお迎えの時間との調整など、日々の生活は絶妙なバランスの上に辛うじて成り立っている場合も多いでしょう。お子さんが熱を出したりするとさらに大変です。病児保育の整備もまだまだですし、ましてや入院にでもなれば小児科病棟への付き添いが大抵求められますので、そうなると家族の誰かが仕事を休まなければなりません。

お子さんが入院すると家族が付き添うのはごく当たり前と思われがちです。しかし、保険診療では小児であっても家族の付き添いは「不要」という建前になっていて、あくまで「家族の希望」として扱われていることをご存じでしょうか? 一般的な小児看護体制では看護師1人あたりの夜勤担当患児数は10人を超えます。同じく子どもを預かる保育所と比べてみると1歳未満の場合、保育士1人あたりの乳児数は3人まで、3歳以下でも6人までと法律で定められています。病院の看護体制がいかに手薄かはご理解いただければと思います。さらに病児なのですから「付き添い不要」が非現実的であることは誰の眼にも明らかです

問題は、小児看護の建前と現実の矛盾にあります。「家族の希望」と言いながら、実のところ子どもの看護は主に母親の付き添いに依存しています。しかも、この問題は建前上「問題自体が存在しない」ことから、これまで議論されることすらありませんでした。

雇用環境が不安定化する中、働くお母さん達にとって子どもの入院に付き添うことは、時に失業と背中合わせとなります。お子さんが頻繁に入院することになったために退職せざるを得ない状況になったお母さん達も実際にいらっしゃいます。ましてやお子さんに障がいや疾患があって入院が長期にわたる場合のご家族の負担は想像を絶するほど大きなものになります。

女性の就業率の上昇は単なる「女性の社会進出」ではなく、経済的な不安定さからやむなく働きに出ている側面が強いとお伝えしてきました。この点から考えると、付き添いに伴うお母さんの失業は世帯収入の減少につながりますし、シングルマザーなら生活基盤の喪失を意味します。これが少子化対策を進めている国の現実とはとても思えないのです。

建前上、付き添いが不要となっているからと言って病院側ができることは多くはありません。実際にご家族に付き添っていただけないと、一般的な病院では安全な看護はまず不可能でしょう。

子どもが入院する時ぐらい親がいて当然」。それはもっともなことで、本来は働くお母さんと言うよりも「子どもの権利」の視点からも、お母さんが職場になんの気兼ねもなく入院に付き添える社会が望ましいことは言うまでもありません。しかし、それを許さない雇用・就労環境が日本社会の中に厳然と存在しているのも事実です。現状は建前との狭間にご家族達を押し込んでしまっているのです。

こうした状況を少しでも緩和しようと、県病では一昨年から、付き添いなしで看護できる小児の病室を1室だけですが常備しています。ただし、長期入院の患者さんが中心で、現状ではとてもすべてのお子さんに対処するだけのキャパシティはありません。それでも、実際にご利用されたご家族はもちろんのこと、こうした病室を用意してあること自体が、特に長期入院の可能性のあるお子さんをお持ちのご家族にとっての安心につながっているとの声もお聞きしています。こうした対策が各地で拡がってくれれば、少しは子育て中のお母さん達にとっての朗報となるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

(画像をクリックするとリクルートページへリンクします)

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