昨年度、県の新規事業として新たに開催された医療的ケア児コーディネーター養成研修会(正確には青森県医療的ケア児等支援者養成研修及び コーディネーター養成研修会)を受講された皆さんを対象としたフォローアップ研修会が今年2月に開催されましたが、その第2弾として、今回は弘前市内でコーディネーター研修会を有志の皆さんが開催して下さったので参加してきました。研修会は日曜日からでしたが、前日の夜に懇親会があるので土曜日時点で弘前駅に到着です。この1ヶ月間は地方会、花見、講義に続いて4回目の弘前です。

市内の居酒屋に集合して、懇親会の前にちょっとだけ研修と言うことで、先月、在宅新療0-100 2019年4月号に現在の青森県の取り組みを紹介した論文が掲載されたので、それを元に青森県の小児在宅医療支援の進捗に関してご紹介しました。

今回は弘前市での開催でしたが、発起人である八戸地区・青森地区の相談支援専門員をはじめ、むつ市や県外からもご参加いただきました。

すっかり夜も更けた弘前駅前です。これから帰ろうと思えば帰れなくもないのですが、翌朝も早いのでこの日は弘前市内に泊まりました。ちょっとしたプチ出張の感じです。

翌朝、今回の研修会の会場となったのは、以前、八戸地域・津軽地域で医療的ケア児支援体制検討会議のところでご紹介した、NPO法人ありんこの一戸さんのご施設です。弘前第1・第2養護学校が岩木山の麓にあることから、弘前市内から岩木山に行く途中のところに位置します。日曜日も快晴で、岩木山がくっきり見えます。

「ありんこ」が運営する児童デイサービス「やよいのあかり」に到着です。この施設は、以前は縫製工場だったそうで、建物はそのままですが、入り口に高い段差があったのでスロープを後付けされたのだそうです。

そのため、入り口には「やよいのあかりのはし」があって、ここを渡って入ります。

そろそろ始まります。

こちらは施設の入り口です。以前は地域に開けた施設を目指していたのだそうですが、相模原の殺傷事件を受け、セキュリティ重視に変わっていたそうです。

こちらは施設2階の多目的室です。向こう半分は畳敷きになっています。ちなみにここまでの3枚の写真で壁紙が全て異なることにお気づきでしょうか?ここでは、子ども達にいろんな刺激を与えるために、全ての部屋の壁紙を変えているのだそうです。

畳敷きの部分の向こうには、白い花を付けたリンゴ畑の風景が拡がっています。

施設の窓からの1枚。リンゴ畑越しの岩木山がきれいです。

こちらの施設では送迎のための車が5台用意されており、施設長の棟方さんがそれぞれの車両のご説明もして下さいました。


こちらは一番大きなタイプの車両で、車の側面には子ども達が描いた絵がプリントされていました。

施設見学を終えて、いよいよ研修会です。最初に一戸さんからこれまでの経緯や施設としての理念に関してご説明があり、その後に参加者各人からの質問や意見交換がされました。

やはりこうした施設を運営する上では経営が最大の課題となります。障害を持ったお子さんが対象となりますので、体調不良は頻繁です。利用予定になっていてもキャンセルはよくあることだそうで、これは重症児の比率が高い施設ほど経営が困難になると言う構図があることを意味しているように思いました。

研修会の日程を終了し、最後に岩木山をバックに集合写真を撮りました。重症心身障害児・医療的ケア児を扱う施設は、放課後等デイサービスに限らずまだまだリソースが不足している現状があり問題は山積していますが、今回参加して下さっている皆さんの笑顔にこの先の未来が見えてくるように感じました。皆さん、お疲れ様でした。

(文責 成育科 網塚 貴介)

(クリックすると東奥日報連載「知ってほしい赤ちゃんのこと」のバックナンバーへリンクします)

(クリックするとリクルートページにリンクします)
在宅医療関連の医学雑誌である在宅新療0-100の4月号で「地域の医療機関と共に支える 小児在宅医療の現状と課題」と題した特集が組まれ、ここで「地方都市基幹病院での小児在宅医療への取り組み」として執筆させていただきました。

執筆陣は小児在宅医療関連ではいずれもご高名な先生ばかりで、青森県のお手本である三重大学小児トータルケアセンターの岩本彰太郎先生もお名前を連ねられていました。

内容的にはこれまで青森県で進行中の医療的ケア児支援体制構築の過程が中心で、地方都市基幹病院としての立場と言うよりも、どちらかと言えば県単位で医療的ケア児支援体制整備をどのように進めているのか?と言うような内容となっています。

(文責 成育科 網塚 貴介)

(クリックすると東奥日報連載「知ってほしい赤ちゃんのこと」のバックナンバーへリンクします)

(クリックするとリクルートページにリンクします)
前日の八戸市小児科医会に引き続きこの日は八戸地域の医療的ケア児支援体制検討会議があって、また八戸市にやってきました。会場は八戸駅隣のユートリーです。

季節柄というか、同じ日には予備校の説明会も。

医療的ケア児支援体制検討部会は昨年8月に第1回目の会議が組織され、その後、本部会の方も検討を続けてきましたが、年度末の3月には八戸地域と弘前地域での検討会議も組織されています。週明けの月曜日には弘前市内で弘前地域の検討会議も開催されました。


両地域とも検討会議としては発足したばかりですが、それぞれすでに活発に活動されている施設や事業所も多く、また委員でも参加して下さっています。その中のお一人であるNPO法人ありんこの一戸さんが医療的ケア児受け入れのため准看護師資格を取得されたとの記事が載っていました。医療的ケア児への支援体制が一足飛びで良くなることはなかなか難しいですが、こうして支援に関わる方達の思いがひとつひとつ実っていくことが前に進めていく原動力になるのだと思います。

(画像をクリックすると拡大表示されます)
(文責 成育科 網塚 貴介)

(クリックすると東奥日報連載「知ってほしい赤ちゃんのこと」のバックナンバーへリンクします)

(クリックするとリクルートページにリンクします)
今月初めに当院へ神奈川県立こども医療センターで認定遺伝カウンセラーをされている西川智子先生をお招きして、染色体異常を持つお子さんとのかかわりに関してのご講演をいただきました。

皆さん、興味のあるお話と言うことで、県内各地から大勢の方が参加されました。

最初に、当院の方から21トリソミーのお子さんの状況などにかんして、新生児科からは日向先生が、産科の方からは助産師の千代谷さんから発表がありました。


ここから西川先生のご講演です。まず冒頭に遺伝カウンセラーを目指すことになった経緯をご紹介いただきました。


お話の中では、コウノドリでも紹介された「オランダへようこそ」の詩も紹介されました。この詩はコウノドリでとても有名になりましたが、一方で、例えばダウン症候群と診断されたお子さんのご家族に紹介するには抵抗を感じる場合もあるとのお話もありました。確かにその通りと感じるお話で、やはりそれぞれのご家族によって個別に対応は考えなければならないのだと思います。

ご講演の最後では書籍のご紹介もされました。

ダウン症候群やその他の染色体異常症に限らず、様々な障害のあるお子さんのご家族との日々の関わりの中で、自分自身が考えてきたこと・心がけてきたことの、ある意味「答え合わせ」のような気持ちで拝聴していました。

学習会を終えて懇親会には新生児科や産科のスタッフが大勢集まって、懇親会でもご講演の「続編」もお聞きすることができました。西川先生、遠路青森までお越しいただきありがとうございました。

(文責 成育科 網塚 貴介)

(クリックすると東奥日報連載「知ってほしい赤ちゃんのこと」のバックナンバーへリンクします)

(クリックするとリクルートページにリンクします)