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成育科ブログ

2017.02.20

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EtCO2アダプタの発表に続いてこの日は「新生児医療におけるデザイン 製品〜環境〜運用」と題したセッションが企画され、モデレーターを務めさせていただきました。このセッションは昨年の富山で開催された日本周産期新生児学会の教育セミナーで 「母児の出会い、愛着形成を産科· 新生児科で考えるFamily Integrated Care~オランダにおけるFamily Integrated Careの実践例と日本における可能性」 としてお話しした内容の先にある企画です。近年はファミリーセンタードケア関連の発表も数多くみるようになり、それぞれの施設で様々な取り組みが紹介されています。しかし、いざ新たな施設を作ろうとか、NICUを改修しようというような話になると、あまり相談する人もいなくて、それぞれの施設で自分たちで考えるしか方法がないのが実情なのではないかと思います。当院もこれまで3度の増床・改修工事を行いましたが、あとになって後悔する点も多々あります。こうした各施設の経験や失敗はそれぞれの施設の中で結局消えて行ってしまっているのが実情でしょうから、それらをどうにかして経験を蓄積することはできないだろうか?さらには製品開発に関しても企業の方たちと協力しあうことで新たなアイデア、デザインを生み出す素地を作り出すことができないだろうか?というのがこのセッションの狙いです。

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まずは当院の直母外出と昨年オランダで見学させていただいたOLVG病院の取り組みをそれぞれざっくりとご紹介しました。OLVGの詳細は以前ご紹介していますので、そちらをご参照ください。
Family Integrated Care~日本周産期・新生児学会in富山 その4

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オランダのOLVG病院の理念は「お母さんと赤ちゃんは常に一緒で離れることはない」です。
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その理念を具現化させるためには産科と新生児科そ双方が理念を共有するところからはじまっています。スライド52 (Custom)
それでは日本では同じような施設を作ることはできないのでしょうか?
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日本では産科と新生児科の間には厳格な独立性が求められていて、それが制度として母子が一緒にいることを阻んでいることを、これは昨年の教育セミナーでもご紹介しました。
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日本でもこうした施設を作るには、その前提として看護師さんの配置が問題になりますが、全国的にはGCUの配置は全国的にも1対6が標準になってきているようです。
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その前提で考えてみると、
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例えば大部屋で母子の混合病棟を作ることができれば、あながち不可能でもなさそうです。さらにこれを個室化できれば少しOLVGに似てきます。
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一方、施設の設計というのは、これはなかなか難しいもので、何回改修工事をやっても「こんなはずじゃなかった」はあちこちにあります。この部屋はGCUの隣に作った母子室ですが、GCUの明かりが窓から入らないようにと、左側の窓は小さく上の方だけ付けましたが、出来上がってみるとGCU側には大きなガラス窓が!こんなことが度々起こってしまいます。
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かれこれ15年以上前に最初にNICUの設計をしましたが、今にして思えば見えていたのはこんな範囲だったような気がします。そこに臨床現場の意図をくみ取って、設計会社との間を「通訳」してくれて、さらにその意図を組んだデザインまで提供してくれる存在があったら、どんなによかっただろうと思うのです。これは、今まさに全国津々浦々で進行中の各施設でも同じことだと思います。医療者は所詮は建築では素人です。かと言って、建築する側もまた医療現場のことを理解するのはとても無理でしょう。理想の施設づくりには、その間を埋めるような存在と、そして全国の各施設の「失敗」を蓄積するためのなんらかの仕組みが必要だと思うのです。このセッションの意図もそこにあります。スライド84 (Custom)
「家は3回建てないと満足した家が建たない」と言われますが、NICUの設計など長い医師人生の中であって1度でしょう。そのワンチャンスを活かすには、やはり仕組みが必要なのだと思います。
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そのための方法を具体的になにかアイデアとして持ち合わせているわけではありません。しかし、今回の企画セッションを機として、今後、こうしたことにも関心が集まることを期待したいと思います。
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こうしたことを前提として、この後にデザイナーの鍋田さんと、企業デザイナーの岩井さんのご発表が続きますので、その2以降でご紹介します。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.01.03

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先日の大阪での日本新生児成育学会で「 こどもかぞくまんなか 」ブースでスウェーデンのウプサラ大学のファミリーセンタードケアが紹介された動画に日本語訳がついていましたが、そのリンク先の動画をキャプチャしてご紹介します。是非、ご覧ください。

YouTubeの動画サイトは以下をクリックするとリンクします。
ウプサラ大学のファミリーセンタードケア紹介動画

ウプサラ大学のUwe教授です。2014年に愛媛で開催された日本新生児成育学会の際にも来日されており、その時の様子も以前アップしています。
Uwe先生と「こどもかぞくまんなか」in愛媛
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以下、特に説明なしでキャプチャ画像をご紹介します。字幕だけでもウプサラ大学でのファミリーセンタードケアに対する理念がうかがえるかと思います。
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アインシュタイン、ニュートンなど、歴史的偉人の中には低出生体重児で生まれた方も多いのだそうです。
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(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.01.02

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あけましておめでとうございます。 今年最初は JALC(NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会) の授乳カレンダーのご案内です。JALCでは毎年授乳カレンダーを作成されており、当院NICUの入り口にも毎年掲示しています。下の画像をクリックすると申込書になります。

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(画像をクリックするとカレンダー申込書のpdfへリンクします)

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(クリックするとリクルートページにリンクします)

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(文責 成育科 網塚 貴介)

2016.12.24

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横浜で講演ダブルヘッダー&「逃げ恥」ロケ地巡り の続きです。

(画像をクリックすると「がんばれ!!小さき生命(いのち)たちよ」のページにリンクします)

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今回は「NICUにおける母子分離軽減~日本における問題点と可能性」と題してお話しさせていただきました。内容的には今年7月の富山での 日本周産期新生児学会教育セミナー のフルバージョン的で、当院の直母外出の取り組みに始まり、 今年5月にオランダで見学させていただいた2施設 のことも教育セミナーの時よりも詳しくお話しさせていただきました。
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当院の直母外出の詳細は以下の本に詳しく掲載されていますので、是非、ご参考にしていただければと思います。
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ここからが本論です。

オランダのOLVG病院の看護スタッフの人員配置は、最重症のNICUやMFICU対象の患者さんこそ看護師さん一人あたり1~2人と日本とは比べものにはなりませんが、中等症以下の患者さんの配置は日本とそれほど大きな違いはありません。むしろ違いで大きいのは病室の面積です。日本の病室面積基準は成人でも決して広いとは言えませんが、小児病棟ではさらにその3分の2の面積でも良いことになっています。NICUには1床あたり7㎡という面積基準があり、それでも海外の施設と比べると話にならないぐらい狭いのですが、GCUに至っては狭い病室に所狭しとコットが並ぶ光景が当然のようになっています。

これではご両親と一緒にいるスペースどころの話ではありません。

個人的には、この小児入院患者に対する面積基準が、GCUにおけるファミリーセンタードケアを進める上でも、また小児病棟においてご家族が付き添いする上での環境の悪さや、その逆に小児病院ではご家族が付き沿う場所すらないこのなど、全ての元凶となっているのではないかと考えています。

以前から「一人飲み」に着目して我が国の現状を調べてきましたが、実はこの「一人飲み」とファミリーセンタードケアは表裏一体なのではないかと考えています。

当院では直母外出によって、特にLate preterm(後期早産)児の入院期間がかなり短いのが特徴です。一方、「一人飲み」をしている施設も全国の半数ほどあるのですが、そもそもスタッフが抱っこする必要もなくほ乳瓶を立てかけて哺乳ができる赤ちゃんがなぜ入院していなければならないのか?と言う素朴な疑問が起きてしまいます。

そんなに哺乳が上手なら退院できるはずなのでは?
それが退院できないのは、とりもなおさずご家族の方の準備ができてないのが理由なのでは?

と思うのです。しかし、ご家族に退院準備をしてもらうのにも人手がかかります。つまり看護スタッフの人員配置不足は入院期間の長期化の原因となっている可能性があるのではないかと言う話を、勉強会後の懇親会でしていました。制度を変えるにはそれなりの根拠が必要です。今後は、こうしたことも検討材料とした上で適正な看護師配置を目指して行く必要があるのではないかと考えています。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2016.10.26

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先週末はみやぎ母乳育児をすすめる会 総会にお招きいただき「早産児の入院と母子分離~その解決策を考える~ 」と題してお話しさせていただきました。内容は今年の 第52回日本周産期・新生児学会のランチョンセミナー でお話しした、当院で取り組んでいる「直母外出」や、さらにFamily Integrated Careへと続くオランダでの取り組み、そして先日の 東奥日報連載37回目~広がる家族中心のケア でご紹介した家族中心のケアを阻む制度上の問題などに関してお話しさせていただきました。
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今回の勉強会の講演の第一弾は、昨年5月に弘前で開催された 東北母乳の会 でもご講演いただいた青葉達夫先生に「1歳半から3歳までの食事~離乳食完了後から幼児期まで ~」と題してご講演いただきました。離乳食を進める上での様々な情報が満載でとても勉強になりました。
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続いて講演2です。
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いつも伝えたいことは同じです。一つは「適切な授乳援助は赤ちゃん達の持つ『力』を引き出しているのかも知れない」、逆に言えば「赤ちゃんとお母さんを引き離すケアは赤ちゃんの持つ力を削いでしまっているのではないか?」と言うことと、
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そして「赤ちゃんとお母さんが一緒にいるのは普通のこと」であり、しかしそれを取り巻く環境に様々な制約はあるけれども知恵を出し合えばいいアイデアが生まれるかも知れないのでは?と言う2点だけです。
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ファミリー・センタード・ケアに関しては先日もご案内したように12月には 神奈川県立こども医療センターでの講演 も予定されていますが、もうこの春以降はNICUに関わっていない身でもあり、こうした講演も次回の横浜が最終回になるのではないかと思います。これから先は現役の皆さんの力で突破口を切り開いていって欲しいと切に願っています。みやぎ母乳育児をすすめる会の皆様、貴重な機会を頂戴しありがとうございました。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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