ここから本文です

成育科ブログ

2016.12.10

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark

最近ブログのアップが滞り気味なので、少し前の分にさかのぼって少しずつアップしていきます。今月上旬の12月9日に平成28年度周産期医療学習会を、先日見学させていただいた 青森県総合社会教育センター で開催しました。対象は青森県内の地域の保健師さんたちが中心で、青森県内各地からたくさんの方にご参加いただきました。

最初に情報提供として「NICU退院児のフォローアップと地域との連携の必要性」と題してお話しさせていただきました。
cimg4992-custom

slide1-custom
slide2-custom
最初にNICUから退院したお子さんの発達に関して総論的なことをお話ししました。
slide3-custom
特に超低出生体重児の場合、そのフォローアップに際しては就学を見据えると生まれた月が結構大きな意味を持ちます。中でも早まれの場合、超低出生体重児のほとんどが予定日で生まれた学年よりも1学年上がった「飛び級」になってしまいます。
slide4-custom

就学に至るまでも、その時その時に必要な支援は様々で、また患者さんは県内各地から通ってくるので、地域ごとの情報はなかなか得にくいという問題もあります。今回の企画はそんな問題意識から始まりました。青森県ではハイリスク妊産婦連絡票や早産児で出生した場合連絡票によって地域の保健師さんが患者さんのお宅を訪問するという事業が以前から確立されています。しかし、一度退院してしまうと、その後に保健師さんと医療機関との情報交換の場はかなり限られており、NICU退院児のフォローアップにおいて困難さを感じることが度々ありました。そこで、今後の方策として、周産期に用いられているような連絡票をフォローアップ外来からも出すような仕組みを作れないものかというご提案をさせていただきました。現場の皆さんからは歓迎のご意見が多く、むしろ保健師さん達も集団の乳児検診時に医療機関からの情報がなくて困っているとのご意見も寄せられました。
slide6-custom

情報提供の後にはワークショップ形式で参加者の皆さんから各地域の中で療育などに関するリソースに関して情報交換をしていただきました。意外に知らない施設名もたくさん挙げられ、とても参考になりました。
cimg5003-custom

こうした問題意識を共有することで、NICU退院時のフォローアップと退院後の支援がより円滑に進むことをめざせそうかな?と思えた1日でした。遠方からのご参加もたくさんあり、本当にありがとうございました。
cimg5009-custom

(文責 成育科 網塚 貴介)

(クリックするとリクルートページにリンクします)

(クリックするとリクルートページにリンクします)

2016.11.10

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark

当院の院内広報誌である「ふれあい」で成育科のご紹介をさせていただきました。

(クリックすると拡大表示されます)

(クリックすると拡大表示されます)

以下、本文です。

当院では平成28年度から総合周産期母子医療センターに新たに「成育科」を新設しました。

「成育科」と言うと聞き慣れない方も多いかと思います。「成育医療」を辞書で調べると「胎児にはじまり新生児・小児・思春期を経て、次の世代を生み育てる成人世代までの一連の過程における、身体的・精神的問題を扱う医療」とあります。つまり、周産期医療に始まり、そこで救命されたお子さん達のその後の発育・発達からその先の人生への橋渡しを担う医療と言い換えることができるかと思います。

かつて本県の乳児・周産期死亡率は全国最下位クラスでしたが、近年は劇的な改善を遂げました。最大の要因は1000g未満で出生した超低出生体重児の救命率の向上で、平成25年には年間死亡例数がついにゼロとなりました。

さてその一方で、救命された超低出生体重児のお子さん達が皆さん何ごともなく育ってくれれば良いのですが、そう簡単にはいきません。生死の境をギリギリのところで救命されたお子さん達です。それは救命センターに搬送されICUで集中治療をされた成人の患者さんが、皆さん何ごともなかったかのように普通に社会復帰できるわけではないのと同じことです。全国的な予後調査でも3歳時点の発達評価で正常範囲と言えるお子さんは超低出生体重児で半分弱、出生体重が1000g以上1500g未満のお子さんでさえ2/3程度に留まります。

未熟性に限らず周産期に起因する後障害は、脳性麻痺に代表される身体障害のほか、知的障害、視覚・聴覚障害、自閉症・多動症などの発達障害に加え、近年では医療的ケアを要する小児在宅医療のお子さんも増加傾向です。障害の程度や組み合わせは様々で、その支援もまたひとりひとりの状況に応じたものである必要があります。特に就学前の療育と支援は非常に重要です。支援の先には就学があり、就学後も様々な問題を抱えるお子さんが少なくありません。

支援の第一歩として当院では臨床心理士による定期的な発達評価を行っています。その結果を元にその時々でどのような支援が必要かを検討しますが、支援のリソースは地域によってもその事情が異なります。県内各地でどのようなお子さんにどのような支援が提供可能なのか、その全体像はいまだ把握し切れていません。介護保険の枠組みであればケアマネさんの担当でしょうが、後障害を持ったお子さん達にケアマネさんはいません。ご家族が少ない情報を頼りに必要な支援を探されているのが実情です。

そもそもこの分野は小児医療の中でもこれまであまり重視されることがありませんでした。また、患者さんが必要とする支援は年齢とともに変化し続けるため、患者さんからの「声」がまとまりにくいという特徴もあります。「成育医療」の先駆けとなった国立成育医療研究センターのホームページには「私どもは子どものためのアドボカシー(advocacy:自己主張できない存在の代わりになってその存在のために行動をおこすことをアドボカシーと言います)の理念を持つことが基本と考えます。」とあります。これまでも発達外来として退院後のフォローアップはしてきましたが、患者さんの「声なき声」を代弁するという意味においてはここで新たに独立した診療科を立ち上げる必要があると考えたことが「成育科」誕生の背景です。まだまだ手探りの状態ではありますが、退院後の生活への包括的な支援体制の構築のため、関係する各諸団体との緊密な連携も目指して行きたいと考えています。

青森県立中央病院総合周産期母子医療センター
成育科 部長 網塚 貴介

(文責 成育科 網塚 貴介)

(クリックするとリクルートページにリンクします)

(クリックするとリクルートページにリンクします)

2016.10.04

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark

昨日は こどもサポート教室クラ・ゼミ(篠田校) を見学させていただきました。

クラ・ゼミは児童発達支援事業として、1歳半以上から就学までのお子さんに対して個別療育をされており、放課後の時間帯には放課後デイサービスもされている施設で、今年開校したばかりの施設です。青森市内には篠田校の他に 青葉校 も開校しました。
%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%bc%e3%83%9f-custom

(クリックすると拡大表示されます)

(クリックすると拡大表示されます)

教室内はとても明るく綺麗で、色々な教材がありました。下の写真はスペースが3人分に仕切られていて、普段は机が置かれているのだそうです。
cimg4574-custom
cimg4575-custom

教材は全て先生方の手作りだそうで、この冊子に載っていない教材もやまほどあるそうです。
cimg4581-custom
cimg4580-custom
cimg4582-custom

お子さん達が遊びの中で興味を持ちながら学べるような工夫が沢山ありました。
cimg4578-custom

こどもサポート教室は基本的に児童発達支援事業の一環なので障害児通所支援受給者証が必要になりますが、その前段階で気軽に参加できる「きらり広場」も毎月開催されています。篠田校と青葉校の交互に開催されているそうで、今月は青葉校での開催予定だそうです。
%e3%81%8d%e3%82%89%e3%82%8a-custom

見学の最後にスタッフの皆さんと集合写真を撮らせていただきました。
cimg4584-custom

かなり小さいお子さんから対応して下さる施設で、しかも「きらり広場」もありますので、かなり幅広くお願いできるのではないかと思いました。クラ・ゼミスタッフの皆さん、ありがとうございました。

(文責 成育科 網塚 貴介)

2016.10.02

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark

この週末は 7月に開催した4歳以上のつどい に続いて4歳未満のお子さんを対象としたつどいを開催しました。昨年のこの会( 小さく生まれた赤ちゃんとご家族のつどい(4歳未満) ) は10月末でしたので、今回は少し早く開催してみました。つどいが終わると16時近くなっていますので、とくに遠隔地の方の帰りを考えると、まだ明るいうちに帰ることのできる時期の開催の方がいいのではとの判断からです。

会場の入り口には前回の4歳以上のつどいの様子の写真と、お子さん達みんなで作った制作を掲示してみました。
img_7944-2-custom-2
img_7943-custom

つどいの始まりは今回も保育士連合会の佐藤さんによるアイスブレーキングです。
この後、ご両親達は別室で情報交換会に移りますが、今回は遊んでもらっている間にご両親がそっと出て行くというようにしてみました。
img_7958-2-custom

今回の情報提供はあすなろ療育福祉センターで作業療法士をされていて、当院NICUのリハビリ回診や発達外来にもきて下さっている秋元先生に、お子さん達の遊びを通じた発達を促す考え方に関してお話ししていただきました。情報提供のあとはグループに分かれてご家族同士の情報交換の場もありました。
cimg4559-2-custom

今回は過去最多の30人もの退院後のお子さんが参加して下さいました。情報提供の間はお子さん達を保育士さんやスタッフの皆さんが担当なので、今回はスタッフの参加数も過去最多でした。それでもなんとか無事に終えることができたのは、多くの皆さんのご協力あってのお陰です。今回はスタッフの集合写真も初めて撮ってみました。ご協力下さった皆さん、今回もありがとうございました。
cimg4572-custom

(文責 成育科 網塚 貴介)

2016.09.17

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark

9月17日の報道特集で「医療ケアが必要な子を育て働くこと」をテーマにした特集が放送されました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
まず、障害児を育てる母親の就労率は5%にすぎない現状が紹介されます。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
その背景として、特に医療的ケア児を預かることのできる保育施設がないことが挙げられ、その先駆けとして日本初の障害児専門の保育施設である ヘレン の取り組みが紹介されました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
そこには小池新都知事も視察に来られていて、「お母さんも働けて、収入も上がって」と仰って下さっていました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ヘレン代表の駒崎さんも、お子さんに障害があってお母さんが働けなくなると貧困に陥る可能性にまで言及して下さっていました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
一方、医療的ケア児が他のお子さんと一緒に哺育されることは、そのお子さんの成長にもつながり、逆に健常なお子さんにとっても貴重な体験となること、と言うよりも人としての優しさを学ぶ機会ともなり得ることもお子さんのお父さんの言葉としても語られていました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
本来であれば医療的ケア児も健常なお子さん達と一緒に生活することが望ましいけれども、一方で、現在の枠組みの中ではヘレンのように障害児を専門にあずかる施設にならざるを得ないジレンマがヘレンの園長先生からも語られていました。「将来的にはヘレンがなくなるのが理想的」と言う言葉は、こうした先駆的な取り組みをされている方の言葉としてはとても重いものだと感じます。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
そして、ここからは神奈川こども医療センターの豊島先生と星野先生の登場です。お二人とも口を揃えて、NICUから退院後の社会資源が乏しい中で救命にだけ取り組むことへの問いかけがされていました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

これまでこのブログでも、また 東奥日報の連載 でも障がいや医療的ケア児のお母さんの就労問題に関しては何度も取り上げてきました。テレビ等のメディアでも医療的ケア児のことを取り上げたものはありましたが、今回ほど明確に「医療ケアが必要な子を育て働くこと」を前面に押し出した特集は記憶にありません。と言うよりも、障害児や医療的ケア児への支援のあり方を考える学会ですら、ここまで「医療的ケア児を育てて働くこと」に対して明確されたものはあまり見た記憶がありません。それほど、ある意味医療従事者の問題意識を超えるほどに実に画期的な放送だったと感じました。今回の特集からさらに大きく支援が拡充されていくことを願ってやみません。

以下、ご参考までにこれまでの記事をまとめておきます。
2016.04.20 東奥日報明鏡欄に医療的ケア児のお母さんからの投稿が

2016.05.18 東奥日報連載32回目 医療的ケア児のお母さんからの投稿を巡って

2016.06.08 メディカルデイケアとは?~横浜・ケアハウス輝きの杜

2016.06.23 東奥日報連載33回目 医療的ケア児への支援 前編

2016.07.22 公明党大阪府議会議員団の皆さんによるNICU・成育科視察

2016.07.28 東奥日報連載34回目 医療的ケア児支援 後編~それぞれの思いのリレー

2015.11.22 「続・赤ちゃんを救え〜助けられるようになった小さな命」

2015.10.14 小児在宅医療シンポジウム~母親の就労の観点から

神奈川県立こども医療センターの豊島先生のブログではこの番組の動画ページも紹介されています。
報道特集(2016年9月17日)で放送:「医療的ケアとともに生きるこどもと家族のサポートのあり方」

(文責 成育科 網塚 貴介)

ブログ更新情報

DSC09979 (Custom)
2017.07.13
埼玉県立小児医療センターを見学させていただきました
IMG_8658 (Custom)
2017.07.02
ITvision誌~タブレットPCを活用したNICU部門システムの概要と将来的展望
DSC09908 (Custom)
2017.06.27
聖隷浜松病院NICUを見学させていただきました
DSC09964 (Custom)
2017.06.26
ハイリスクフォローアップ研究会in浜松~ハイリスク児の教育現場
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
2017.06.07
韓国でPAVに思いを馳せる~PAVはまだ死んでいない!
DSC09797 (Custom)
2017.06.06
NICUケアワークショップ2017 in Korea その3
DSC09754 (Custom)
2017.06.05
NICUケアワークショップ2017 in Korea その2
DSC09702 (Custom)
2017.06.04
NICUケアワークショップ2017 in Korea その1
(あいだクリニック予約サイトQRコード)
2017.05.31
「あいだクリニック」の予約サイト
IMG_8400 (Custom)
2017.05.22
千客万来
DSC09613 (Custom)
2017.05.15
青森県西海岸への旅
案内poster_日本語L
2017.05.04
NICUケアワークショップ2017 in Korea

カレンダー

2018年2月
« 1月  
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728