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成育科ブログ

2019.01.26

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この週末は兵庫県立こども病院を会場にした第268回兵庫県未熟児にお招きいただき早産児の人工呼吸管理に関してお話しさせていただきました。兵庫県立こども病院は2016年に新築移転されたばかりでとてもきれいな建物です。写真には写っていませんが、写真左手前には東京インテリア、右手前にはイケアと、青森ではお目にかかれないような大規模な家具屋さんが両隣に立ち並んでしました。
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懇談会の会場入り口近くに模型がありました。
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今回座長も務めていただく新生児科部長の芳本誠司先生にNICUをご案内していただきました。
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NICUだけで21床あるそうで本当に巨大なNICUです。広すぎてとても1枚の写真には収まりきれません。
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こちらはNICUに隣接した手術室です。特に先天性横隔膜ヘルニアの治療に威力を発揮されているそうです。さすが国内有数の手術件数を誇る小児病院のNICUと感じました。
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NICU内には5~6室の個室もありました。
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こちらはGCUです。GCUも広すぎて写真に収まり切りません。
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見学を終えて懇談会会場へ。実は今回、この懇談会にお招きいただけたのは、2017年4月に兵庫県立尼崎総合医療センターで開催された阪神小児循環器疾患研究会で人工呼吸管理のお話しをさせていただいた際、吉本先生や神戸大学の藤岡先生が参加されていたのがきっかけだったそうです。
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懇談会終了後、以前当院に勤務されていた麻酔科の鹿原先生からお声がけいただきました。現在は兵庫県立こども病院でご勤務されていて、今回の懇談会を聞きに来て下さったそうです。本当にお久しぶりで懐かしかったです。
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神戸と言えば夜景が有名です。懇談会から懇親会への移動中、道路から神戸港のきれいな夜景が目に飛び込んできました。思わずシャッターを切ったのですが、高速で移動する車からの撮影ではここまでが限界でした。手ぶれでボケボケ写真ですが、本当に息をのむほどのきれいな夜景でした。
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懇親会終了後に兵庫県内の先生達とご一緒に。皆さんは神戸大学小児科の同門だそうですが、新生児医療に携わっていた者にとっては神戸大学と言えばUBアナライザーを開発された中村肇教授時代の印象が何より強烈です。個人的にはその昔、若かりし頃に新生児黄疸管理でUBアナライザーの光線療法開始基準が低いのでは?と感じ、兵庫県で学会があった時に中村教授に治療基準に関して直接質問させていただいたことがありました。その時、たかだか卒後3年の若造に気さくに色々教えて下さったのが今でも印象に残っています。そんなお話しをあれこれ交えながらの楽しいひとときでした。吉本先生ならびに兵庫県の諸先生、ありがとうございました。
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NICUを引退して早いものでもうすぐ丸3年になろうとしています。それなのにこうしてお招きいただけるのは本当にありがたいことだと思う一方で、これまで何度もあちこちでお話しさせていただいてきた人工呼吸管理のお話しもそろそろ今回あたりが最終回かな?と思いながら、新神戸のホテルに戻って神戸の夜景を眺めていました。
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(文責 成育科 網塚 貴介)

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2019.01.07

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先日、昨年の第63回日本新生児成育医学会でのランチョンセミナーで発表したPEEP再考~適切なPEEPは酸素を最小限にすると見えてくるの内容をまとめてアップしましたが、その英語版となるHow to set the adequate PEEP ?が完成しました。
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このブログの英語版も数は少ないですが米国を中心として世界各国からのアクセスがあります。NICUにおける人工呼吸管理に少しでもお役に立てばと思います。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2019.01.01

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新年あけましておめでとうございます。
新年早々ですが、昨年の日本新生児成育学会でのランチョンセミナー「PEEP再考」
の内容をあらためてまとめてみました。
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まず、新生児蘇生法のアルゴリズムでは、心拍が100以上で自発呼吸があるけれども、努力呼吸とチアノーゼを認めるときには「CPAPまたは酸素投与」となっています。NCPR上では、このような場合どちらでもいいことになっていますが、この両者の持つ意味は同じなのでしょうか?
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今回の「PEEP再考」では、ともに酸素化に寄与する「圧と酸素」は、実はこれは表裏一体で、最適なPEEP設定を知ることは酸素の使い方を知ることでもあると考えています。ではどうしたら至適PEEPが分かるか?それは酸素投与を最小限にしようと試みればPEEP設定は自ずと決まってくると言うのが今回のお話の中心となります。
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まず酸素化は、肺胞中と肺動脈中の酸素分圧較差に加えて、酸素化には拡散面積も必要となることから、平均肺容量の維持もまた重要な因子となります。平均肺容量とは、例えば肺活量の図で言えば、大きく吸ったり吐いたり、または通常の呼吸をしている間の肺容量の時間での平均値を意味します。
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ここで、NICUでは赤ちゃんが無呼吸になるとSpO2は一気に低下してアラームを鳴らしてご家族を驚かせますが、しかし大人が息を止めていてもSpO2で90%以下にするとなるとかなり苦しいことになってしまいます。
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この違いは機能的残気量で説明が可能です。健康な成人ですと機能的残気量は息を止めてもそれなりに維持されますが、未熟児新生児の場合にはまだ肺容量は不安定なため、機能的残気量は文字通り「機能的」なので、その値は(実測は不可能ですが)大きく変動すると考えられます。
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また少し話が飛んで、今度は肺に優しい呼吸管理に関して考えてみます。肺に優しい呼吸管理のためには、なるべく少ない1回換気量として肺の過膨脹による肺障害(Volutrauma)を防ぐ必要がありますが、それに加えて肺の虚脱を抑えて、過膨張と虚脱で生じるずり応力(Shear stress)による障害(Atelectrauma)も抑える必要があります。
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人工呼吸管理中にPEEPが不十分だと、肺は虚脱と拡張を繰り返す度に痛んでしまいます。
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こうした肺障害は適切なPEEPによって最小限にとどめることが可能となります。
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これは感染予防のガウンですが、ここに袖を通そうとしたときに、こうした操作を何万回も行えばこのガウンがボロボロになっていくことは直感的に想像できるのではないかと思います。これこそがShear stressに相当します。
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ここで、仮に十分なPEEPがかけれられて、下のように袖を通す前から十分に拡張していれば、それほど痛まないのではないでしょうか?
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先ほどの機能的残気量(FRC)のお話と併せると、未熟児新生児ではFRCは一定ではなく、かなりの幅でその容量が上下しており、FRC低下時、つまりSpO2低下時には肺は虚脱しており、その時のPEEPは仮にそれまでと同じ値でかけられていたとしても相対的には不十分になっているものと考えられます。
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PEEPの目的は呼吸管理上の主目的は機能的残気量(FRC)の維持による酸素化の維持となりますが、それはマクロ的な側面であって、ミクロ的には肺胞虚脱の予防によって肺保護の目的も有していると言えると考えられます。
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それでは適切なPEEPを設定するにはどうしたらいいのでしょうか?と言う最初の問いに戻ります。その鍵は冒頭に述べたように酸素の使い方にあります。
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人工呼吸管理中、酸素投与を最小限に絞ろうとすることで至適PEEP設定は見えてきます。よく酸素毒性で肺障害が起こると言われますが、その中で特に30%以下の低濃度でのかなり部分は酸素そのものによる毒性よりもAtelectraumaによる肺障害がかなりの割合を占めるように思います。PEEPが不十分でも酸素濃度を上げれば酸素化は得られてしまいます。その状態では密かにミクロ的にAtelectraumaが進行していたとしても、それはマスクされてしまいます。
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実際の臨床場面で分かりやすいのは抜管後にnasalCPAPになった場合ではないかと思います。
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抜管後のnasalCPAPの設定で、例えば以下の設定ならどちらがいいでしょうか?この考え方から言えば、PEEPを6cmH2Oまで上げることで酸素を切ることができるなら、肺にとってはその方が必要なPEEPがかかっている状態と考えています。
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ただし、高めのPEEPは循環動態にも影響します。HFOの時も同じですが、高めの圧をかけようとするときには腎血流や脳血流などの循環動態の評価も併せて行っていく必要があります。
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繰り返しになりますが、呼吸管理において酸素投与とPEEP設定は表裏一体です。PEEPを知ることは酸素の使い方を知ることでもあります。是非、これまでの酸素投与法とPEEPの設定を見直してみていただければと思います。
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(文責 成育科 網塚 貴介)

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2018.11.27

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日本新生児成育学会その2から続きます。学会2日目の医療安全シンポジウムが終わった直後はお昼からのランチョンセミナーで、この日はいわき共立病院の本田義信先生と2人での発表となりました。
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まずこちらからは「PEEP再考」と題して、人工呼吸管理において基本的な設定ながら多くの先生方にとって悩みの種であるPEEPに関して解説してみました。この詳しい内容に関しては、また改めてまとめてアップしたいと思います。
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続いて、本田先生からはHFO+CMVを使った呼吸管理に関してのご発表でした。本田先生のご発表では「311を忘れてはならない」との思いから「Iwaki Never Dies」と書かれた灯台のスライドが必ず登場します。
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本田先生は以前からHFO+CMVの有用性を発表されており、今回はその集大成のご発表にも感じました。
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スライドでは「エビデンスがなくてごめんなさい」とありますが、それはこちらも同じで、お互い東北の地方病院のNICUで「編み出した」と言っても過言ではない臨床現場からの発信の場になったと感じた今回のランチョンセミナーでした。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2018.10.28

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またしばらくブログ更新が滞っていました。10月の出来事までさかのぼってみます。10月後半には川口市にあるメトラン社へ訪問させていただきました。メトラン社と言えば話達達からすると何と言っても世界的なHFOの草分けであり、ピストン式HFOへの信頼は揺るぎないものがあります。一方で、通常の人工呼吸器モードにはそれなりに改良の余地もあり、今後の開発に向けての意見交換としてお招きいただきました。

川口市にあるメトラン社の工場です。確か以前一度本社の方にはお邪魔したことがある気がしますが工場は初めてと思います。
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昔懐かしい初期の頃のHFO機が並んでいます。真ん中の機械は若い頃に埼玉医科大学総合医療センターで研修させていただいた頃以来の数十年ぶりの再会でした。
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新生児は人工呼吸管理中でもどうしても無呼吸になってしまいますので、その辺の対策が必要なのではと言うことを中心にお話ししてきました。
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創業者のフック会長も議論の場に肺って下さいました。
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あれこれ議論を重ねているとあっという間に5時間ほど経っており、気がつくとあたりはすっかり夜になっていました。体感としては2~3時間な感じでしたが、それだけ熱中していたのでしょう。ホテルに戻る帰り道、昔懐かしい大宮駅前です。
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新生児医療からは足を洗った身にもかかわらず、こうしてお声がけいただけることは非常にありがたいことだとしみじみ感じながらの夜となりました。皆さん、ありがとうございました。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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