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成育科ブログ

2016.07.23

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昨日は弘前大学小児科の伊藤教授をお迎えして、毎年恒例の当院の研修医の先生方への小児科説明会を行いました。説明会と言っても堅苦しものではなく、ざっくばらんにいろんな疑問にお答えしたり、小児科としての取り組みの説明などをお食事をしながらしました。今回は当院研修医が9名と現在NICU研修中の学生さんお一人の合計10名という過去最高の参加者数となりました。

最初に伊藤教授から簡単に小児科としての取り組みをご説明していただいた後、新生児科の方は池田先生に説明してもらいました。
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特に今回は女性の先生が多いこともあり、ワークライフバランスのことなども話題に上ります。個人的には女性医師の場合、小児科医は子育て経験が診療にも活かせるので、仮に育休を取ったとしてもそれ自体がキャリアのロスになるわけではないですし、また逆に小児科医としての知識と経験が自分自身の子育てに活かせるという、仕事とプライベートが相互に好影響を与えあうことのできる職業なのではないかと考えています。その点はかなり真剣に耳を傾けてくださったように思います。診療科の決定は一生の仕事を決めることですので、しっかり考えて今後の決定に少しでも役立って欲しいと思っています。
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伊藤教授ならびに参加された皆さん、お疲れ様でした!

(文責 成育科 網塚 貴介)

2016.07.21

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今回の学会ではポスター発表も出していました。約10年ぶりとなるGCU(NICUの後方病床あるいは回復期病床)における「一人飲み」に関するアンケート調査結果の報告です。
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GCUにおける「一人飲み」に関しては、10年前に全国の新生児医療機関を対象にアンケートを行ったところ、過半数の施設が多忙時に看護師さんが赤ちゃんを抱っこして授乳させることなく、下の写真のようにコットに寝ている赤ちゃんの横に哺乳瓶を立てかけて飲ませると言う行為が行われていることが明らかになりました。
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昨年、約10年ぶりに再調査したのが今回の発表です。
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結果は、過半数は切ったものの、それでも半数近くの施設で「一人飲み」が行われていることが明らかとなりました。
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これをGCUにおける夜勤看護師さんの配置と「一人飲み」との関係を10年前の結果と比べてみると、まず一見して分かるのがこの10年間でGCUにおける看護師配置がかなり改善していることです。かつては看護師さん一人あたりの病床数が平均で9~10床程度でしたが、今回は6床がダントツに多くなっています。これは平成22年の診療報酬改定で新設された「新生児治療回復室入院医療管理料」の影響が大きいのではないかと思われます。この「新生児治療回復室入院医療管理料」では看護師さん一人あたりの病床数は6床までと定められています。ただ、看護体制が改善しているとは言っても、国際的にみるとこの看護師さん一人あたりで6床と言うのもまだ手薄な方に属していることも事実です。
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「一人飲み」をしなければならない理由のトップは「後方病床における看護師1人の受け持つ患者数が多すぎるから」で、これは10年前と同じです。この理由を眺めていると、GCUで働いている看護師さん達の「悲鳴」を感じてしまいます。
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この「一人飲み」を止めるためにはどうしたらいいか?の問いに対しては「法的制限を設ける」がこれもまた10年前と同様にトップでした。ただ、今回はファミリーセンタードケアの観点から、ご家族が一緒にいるスペースに関しても聴いてみました。この止めるための対策の中に「家族と一緒に過ごすための空間」と言う回答も1/3以上の施設で挙げられていました。
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医療法施行規則によると、入院患者さんの病室面積は個室だと6.3㎡、2人以上の部屋だと4.3㎡が必要とされていますが、小児のみの病室の面積はその2/3で良いことになっています。大部屋で4.3㎡の2/3と言うと2.9㎡ですので、畳で言えば1.6畳程度と言うことになります。
昨日のランチョンセミナー の話とも重なりますが、ご家族で過ごすことが前提となっていないこの面積要件が「一人飲み」の原因の一端になっているのではないかと思います。しかし、これも昨日と同様に、入院中であってもこどもは親子で一緒にいる権利が 子どもの権利条約 に定められていますので、この面積要件自体が条約違反と言えるのではないかと言う気もしています。

看護体制は10年前よりかなり改善したとは言え、手薄な施設はまだまだ数多く存在します。

10年前のこのアンケート結果は、かつてあちこちのメディアで取り上げられたり、さらには「 医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟第一回シンポジウム 」で発表させていただいたりと、いろいろありましたが、結果的にこのアンケートで何かが動くと言うことはありませんでした。下の図はこの「医療議連シンポジウム」の際に配付した資料です。

(クリックすると拡大表示されます)

(クリックすると拡大表示されます)

周産期医療が大きく変わることになったのは、これから間もなく起こったいわゆる「たらい回し」事件からNICU不足がクローズアップされ、その整備の一環として上述の「新生児治療回復室入院医療管理料」もまたこの流れの中で認められました。こうした整備のお陰でGCUの看護体制もかなり改善はしましたが、それでもまだ「一人飲み」を止めるまでには至っていないようです。

ただ、以前は単純に看護師の配置不足のみをその原因として考えていましたが、昨日のFamily Integrated Care の観点から考えると、単に看護師の配置のみを議論するのではなく、入院中の赤ちゃんがご家族と一緒にいることを阻んでいるのは、むしろこの面積要件の方なのではないかと言う気もしています。ご家族がいつも一緒にいることのできるスペースが確保され、ケアの主体者が看護師からご家族に変わっていくこともまた、この「一人飲み」を回避するためのもう一つの対策のようにも思います。

「一人飲み」とファミリーセンタードケア

このどう考えてもケアの両極にあるようなものが、実はかなり密接に関係しているのではないかと言うのが今考えているところです。

今回のアンケート結果もまた、しっかりと論文化しなければと思っています。

(文責 成育科 網塚 貴介)

2016.02.12

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先月、 青森県立保健大学でペリネイタル講義 として、看護・助産とは別枠で新生児・周産期医療と社会との関わりのようなことに関して毎年講義させていただいています。内容としては、
・日本の少子化問題の背景
・少子化なのになぜ低出生体重児が増えてNICUが足りなくなるのか?
・小児在宅医療と母親の就労の問題に関して
・新生児医療における看護体制の問題~特に「一人飲み」問題に関して
・産科病棟の新生児の扱い~母親の付属物としての扱い
・女性の年齢別労働力率におけるM字カーブの問題
等々、まもなく看護師・助産師として社会に出て、周産期医療に関わるであろう彼女たちが近い将来直面するであろう現実に関してお話ししました。

先日、この講義を受講された学生さんから感想をいただくことができましたのでご紹介させていただきます。

今回の講義では受講生が全員で28名でした。この中で最も学生さん達が汗疹を寄せてくれたのがGCUにおける「一人飲み」問題に関してで、28名中19名の学生さんが「最も印象に残った」と書かれていました。やはり看護師さんがひとりで9-10人もの赤ちゃんを看護しなければならず、コット上の赤ちゃんが「一人飲み」している写真はそれだけ衝撃が大きかったのでしょう。「驚きだった」「衝撃を感じた」と言う表現も数多くみられました。
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しかし、学生さんひとりひとりの感性が異なるように、関心事もこのほかにもさまざまでした。
「妊娠と仕事の関係、経済面での問題」
「障がいを持つ母親の就労」
に関心を寄せてくださった学生さんもいらっしゃいました。

こうして学生さんからの生の声が聞けることはとても励みになります。また、今後もさらに内容を毎年ブラッシュアップしていきながら、多くの学生さん達がこれから歩み出そうとしている社会の問題点に関して関心を持っていただく機会となればと思っています。

2015.12.31

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今年も 昨年に続いて アクセスランキングを出してみました。今年も英語版ページも含めてのランキングにしてみました。まず総アクセスビュー数ですが、2013年が1年間で52571件(=4381件/月)、2014年は96046件(=約8000件/月)だったのに対して、2015年は134,530件(=約11210件/月)と、倍増した昨年からさらに40%ほどアクセス数を延ばしています。それでは以下に10位までのアクセスランキングをお示しします。

1位

NICU当直1000泊目! (2014年5月9日、10,141件)
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今年の年間ランキング1位はなんと昨年5月に投稿した「 NICU当直1000泊目! 」でした。理由は定かではありませんが、恐らくは何らかの医療系サイトでたまたま紹介されたことでアクセスが集中したのではないかと思います。医師の過重労働に対しての社会的関心の高さがうかがえます。

2位

SiPAP(英語版) (2014年1月30日、4,190件)

2位もまた昨年の投稿で、インファントフローSiPAPの英語版が年間を通して安定したアクセスを記録して上位に入りました。

英語版ページ は以前、NeonatalCareで連載していた「クセとコツをらくらくマスター 人工呼吸器フル活用マニュアル」の内容をそのまま英訳したもので、2013年頃から作り始めて、昨年の夏頃に完成しました。それ以降は特に手直しもしていませんが、現在でも世界中からそれなりの件数のアクセスがあります。中でもSiPAPが最も多くの方に読まれているようです。

3位

Babylog VN500 (Basic) (2261件、2014年2月8日)
3位も2位に続いてBabylog VN500(基礎編)の英語版のページでした。

4位

東奥日報連載12回目 付き添いの建前と現実 (1,898件、2015年3月5日)

4位は 東奥日報連載 の12回目である「付き添いの建前と現実」がここに来てようやく今年の投稿でのランクインとなりました。
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5位

当直回数が丸3年に! (((( ;゚Д゚))) (1,789件、2015年8月21日)

5位も当直回数の話題でした。やはり労働環境問題は関心が高いようですね。

6位

東奥日報連載20回目 母乳育児の大切さを伝えたいのは「社会」 (1,602件、2015年8月6日)

6位は東奥日報連載20回目の「母乳育児の大切さを伝えたいのは「社会」」でした。この記事はFacebookやtwitterでも数多くシェアいただけたのがランクインにつながったのかと思います。
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7位

金曜ドラマ「コウノドリ」第1回観ました! (1,493件、2015年10月18日)
7位は金曜ドラマ「コウノドリ」1回目の感想でした。「コウノドリ」は本当に素晴らしいドラマでしたね!なかなか時間がなくてその後の感想をリアルタイムにはアップできなかったので、これは後日、また特集してみたいと思っています。

8位

東奥日報連載21回目 母乳に「こだわる」? (1,294件、2015年9月10日)
8位も東奥日報連載21回目の「母乳に「こだわる」?」でした。連載記事はこれ以外にもあるのですが、やはり母乳関連記事は関心が高いようですね。
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9位

早産児の人工呼吸管理Part2 (1,179件、2014年5月14日)

10位

早産児の人工呼吸管理Part5 (1166件、2014年5月22日)

9位と10位は昨年春にアップした「早産児の人工呼吸管理」シリーズがランクインしました。両者とも昨年の記事にもかかわらず、1年以上もかけて多くの方達の目に触れているのはありがたいことだと思います。

以上、今年のアクセスランキングをまとめてみましたが、今年の特徴としては昨年までのコンテンツが上位を占めていたことかと思います。アクセス総数全体は増えていますので、おそらく今年のアクセス総数の伸びは、今年の新規記事に加えて英語版も含めた過去の記事が多くの方達に読まれたことが要因なのではないかと思います。

来年も身近な話題をご紹介させていただきたいと思います。

2015.11.12

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今日は弘前大学医学部で新生児の講義をしてきました。今日は先々週に続いて2回目の講義です。新生児の講義は全部やろうとすると小児科全部と同じだけの各分野に加えて周産期に関することまで含めると膨大になってしまいますので、全2コマではかなりかいつまんだ内容にならざるを得ません。この2コマの講義で毎年欠かさないのが新生児蘇生法と母乳育児に関してです。
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新生児蘇生法は例年、NCPRのスライドを抜粋して講義していましたが、今年はドラマ「 コウノドリ 」が放送中ですので、番組内での動画を早速使わせていただきました。今橋先生、白川先生の蘇生はとても役者さんとは思えないほど手際がよく、いっそ正規の新生児蘇生法講習会の動画教材に登場して下さると新生児蘇生法ももっと盛り上がるような気がしました。
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また母乳育児に関しては、医学部の学生が将来様々な分野に進んだ時、「お母さんに投薬するから授乳は止めて下さい」と簡単に言わないで欲しいこと、そして自分の専門分野で頻繁に使う薬剤ぐらいに関しては最低限、授乳可能かに関する知識を持って欲しいことを毎年強調しています。
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講義の終わりには新生児医療・周産期医療に関する書籍をごっそり持ち込んで、医学生の皆さんにプレゼントしてきました。もちろんコウノドリのコミックも入っています。一人でも多くの医学生の方が新生児医療・周産期医療に関心を持って欲しいと願っています。
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ブログ更新情報

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2018.07.22
看護協会主催のNCPRスキルアップコース
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2018.07.20
青森県立保健大学・青森中央学院大学合同NCPR講習会
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2018.07.11
東京で日本周産期新生児学会(2日目)
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2018.07.10
東京で日本周産期新生児学会(1日目)
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2018.07.07
いわて母乳の会~第15回わくわくおっぱいのつどい
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初のNCPRフォローアップコース~デブリーフィングのマトリョーシカ?
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青森県訪問看護ステーション連絡協議会研修会
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放送大学「共に生きる社会を目指して」~「うりずん」高橋昭彦先生
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2018.05.27
弘前大学医学部で新生児学講義~「母乳と薬剤」の知識は全ての医師に
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2018.05.25
TVシンポジウム「重い病気を持つ子の暮らしと学びをどう支えるか」
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2018.05.20
いわて母乳の会~第15回わくわくおっぱいのつどい

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