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成育科ブログ

2016.05.06

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今回のオランダ渡航の目的はFamily Centered Careで先駆的な施設を見学させていただくことでした。到着翌日にはオランダ南西部に位置するフェルドホーフェンにあるMáxima Medisch Centrum病院を見学させていただきました。アムステルダムからは車で2時間弱と言う距離です。
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もうすぐフェルドホーフェン(Veldhoven)です。
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ようやく到着です。
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病院のエントランスです。
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オランダは人口が約1700万人で、年間20万人の出産があるそうです。このMáxima Medisch Centrum病院はオランダ南西部に位置する高次医療施設です。オランダには超低出生体重児を扱うことのできる施設が国内に10カ所指定されており、この施設もその一つです。地域の背景人口は130万人と青森県とちょうど同じくらいですが出生数は18000人と青森県の倍以上です。合計特殊出生率までは確認しませんでしたが、出生数が2倍以上とは言っても合計特殊出生率が2倍なわけがないので、おそらく若年女性の人口比率が、若年層がどんどん大都会に流出していく青森県とは異なるのでしょう。
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ここの責任者であり設計をされたOetomo教授にNICUを案内していただきました。ここがNICUです。とは言っても全室個室なのでナースステーションがある以外は廊下だけです。
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赤ちゃんが入院していないお部屋を見学させていただきました。広いスペースに保育器と人工呼吸器などがセッティングされていました。ちなみに人工呼吸器は全てファビアンでした。
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部屋の中にはカンガルーケア用の椅子と、その奥にはトイレとシャワールームがありました。ちょうど当院のMFICUよりもう一回り広いスペースの個室という感じです。
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NICUで用いる物品は廊下側から搬入して、部屋側の扉を開いて使うと言う設計となっていました。この辺もよく考えられていると感心しました。
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実際に赤ちゃんが入院しているお部屋の様子です。中には入れないので外からちらっとだけです。
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こちらは双胎用の病室です。ちょうど通常のお部屋の倍の面積でした。
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こちらはGCUでコットが一台なのにこの広さです!
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これがナースステーションで、ここで全ての患者さんのモニタリングを見ることができ、しかもいわゆるモニタだけではなく、部屋の中の映像も常時流れています。
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ご家族用の共有スペースのラウンジも充実していて、さらに中庭では子供達が大勢遊んでいました。きっと入院中のお子さん達のご兄弟なのでしょう。室内外両方にかなりのスペースがあるのも驚きでした。
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中庭にはカンガルーのモニュメントがありました。この施設のシンボルのようですね。
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こちらは搬送用保育器セットです。人工呼吸器はファビアンの小型のです。
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責任者のOetomo教授と。
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オランダはミッフィーのふるさとでもあるので、病院の売店もミッフィーグッズで溢れていました。
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とにかく施設の充実ぶりには驚かされることばかりでした。ちなみに看護師は患者さん1名に対して1~2名だそうです。だからこそのこの完全個室化なのでしょう。設立母体は公立だとのことです。こどものことをとても大切に考えている社会ならではの施設であるとも感じました。

たしかに今回のオランダ旅行ではどこの街に行っても自転車で出かける家族連れの姿をたくさん見かけました。それは出生数という単純な数字を見比べただけでも明らかなことで、少子化対策と言いながら小手先のことしかせずに人口減少を嘆いているどこかの国とは、そもそも「こどもを大切にする」と言う哲学において根本的なところで違うのだな~と感じた1日でした。

(文責 成育科 網塚 貴介)

2016.05.05

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このゴールデンウィークはFamily centered care (FCC)に先進的に取り組まれている施設がオランダにあると言うことで、観光も兼ねて見学に行ってきました。海外へは2012年12月に
HOTtopics in Washington, D.C. に参加して以来なのでかなり久しぶりです。
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ヨーロッパへはロシア北部を飛行するのですが、地図帳で名前しかみたことのないカラ海が窓から見えます。一面、流氷に覆われていました。
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今回はアムステルダムから南西に35kmほどのところにあるライデンと言う街を旅の基点にしました。オランダはアムステルダムから国会議事堂のあるハーグまでの間は鉄道の便が非常に良く、到着地であるスキポール空港もライデンもこの鉛線上にあり、列車の時刻も普通に正確でした。

(クリックすると拡大表示されます)

(クリックすると拡大表示されます)

ライデンに到着しました。ホテルは駅のすぐ近くで、目の前には近代建築的なオフィスビルが建っていました。
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この街の中心部には風車がシンボル的な存在で、これはあとになってから博物館であることが分かりました。
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運河沿いの街並みです。どこを見渡してもきれいな風景に囲まれます。この街はライデン大学など学生の街でもあり、治安も非常によく、とても過ごしやすい街でした。
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こちらは夜景です。ずっと眺めていたいほどきれいな夜景です。
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最終日はこの日は街のお祭りだったらしく、街角でオープンマーケットが開かれていました。オランダと言えばチーズが有名なので、あちこちのチーズのお店でお土産を買ってきました。
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またオランダの名物として現地の方達にも勧められたのがハーリングと言う塩漬けにした生ニシンです。これがまた格別で、寿司のネタにもなるんじゃないかというどちらかと言えば日本人向けの味でした。この写真のように食べるらしいです。

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これはライデン駅にあるコロッケの自販機です。話によるとここがコロッケ発祥の地らしく、表面がかりかりでとてもおいしかったです。これもオランダ名物のようです。
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ここライデンを起点に今回は2カ所の病院の見学をさせていただきました。
詳細はまた追ってご紹介します。

(文責 網塚 貴介)

2016.04.24

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この週末は静岡こども病院主催の「新生児・小児における肺にやさしい呼吸管理セミナー」にお招きいただき、人工呼吸管理に関してお話しさせていたただきました。
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静岡駅に到着です。青森からは新幹線で東京で乗り継いで5時間ちょっとで着いてしまいます。意外に近いです。
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この日はやや曇り気味で、本来ならこの位置から富士山を眺めることができるはず?でしたが残念でした。
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こども病院らしいエントランスですね。
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こども病院内も見学させていただきました。NICUだけで18床と言う大きなNICUでした。広さは決して余裕があるわけではありませんが、保育器周りはコンパクトにまとめられていました。
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これはCT撮影が可能な搬送用の保育器です。かつて北海道のこども病院に勤務していたころに非常に重宝していましたが、今は生産されていないどころか修理さえできない貴重品です。
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いよいよ講演会が始まります。
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まずは、中澤先生から静岡こども病院における人工呼吸管理の現状に関してお話しがありました。
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続いて講演させていただきましたが、当初は1時間ほどの予定だったのが、結局、1時間半ぐらいかかってしまいました。さらに、その後の質疑では若手の先生から矢継ぎ早に質問が相次ぎ、人工呼吸管理に対する熱意がひしひしと伝わってきました。
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懇親会での集合写真です。人工呼吸管理のことはこの時間だけでも語り足りないほどで、懇親会が終わった後もしばらくお話しし続けていました。すでにNICUの現場からは離れてしまいましたので、今回話しさせておいただいた内容も時間とともに古くなって行くのだと思います。それでもこうして話しさせていただいた内容おいただく機会を頂戴できたことはとてもありがたく思います。お招きいただきました静岡こども病院の中澤先生、中野先生、大変お世話になりありがとうございました。
集合写真 (Custom)

(文責 成育科 網塚 貴介)

2016.04.21

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東奥日報夕刊の連載 「知ってほしい赤ちゃんのこと」 は今週月曜日が31回目でした。
今回は先月に続き新型出生前検査」に関して述べてみました。

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以下、本文です。

今回は新型出生前検査の問題点に関して述べてみたいと思います。この検査の導入で最も懸念されるのは「命の選別につながるのではないか?」という点かと思います。確かにこうした懸念を裏付けるように、この検査で陽性と判定された妊婦さんの多くが結果として中絶を選択されているという事実があります。
出生前検査に対する考え方は個々人によってかなり異なり、きわめて倫理的な問題なので限られた字数内で述べるのは難しいのですが、考え落としてはいけないのが、こうした技術はすでに開発されてしまっているという点です。この検査法の是非を巡る議論はこの事実を踏まえた上で行わなければなりません。
この検査は妊婦さんの血液だけで検査が可能ですので、仮に日本でこの検査を禁止したとしても、検査を行っている海外の企業へ妊婦さんが直接血液を郵送してしまえば防ぎようがありません。出生前診断には、妊婦さんに対して正確な医学情報の提供と、心理的・社会的支援を行うための遺伝カウンセリングが不可欠です。検査法に対する知識が十分でない状態で妊婦さんが検査を受ければ、結果を冷静に判断できない可能性が高くなります。つまりこの検査を一律に禁止することは、結果的にこうした支援を受けられない妊婦さんを発生させる危険性があります。それであれば、国内で一定のルールを作り、それに沿ったサポート体制のある施設に限定して進めるというのが現実的ではないか―というのが現在の考え方です。見方を変えれば、あらゆる出生前診断は遺伝カウンセリングのできない施設で行われるべきではないとも言えます。ただし、そうした体制が整っている施設数が少ないことも課題の一つとなっています。
また、この検査の守備範囲を知っておく必要もあります。検査対象はあくまで21、18、13トリソミーの三つの染色体異常のみです。三つを合わせても全染色体異常発生率の半分強というところですので、当然ながら全ての染色体異常の発生が分かるものではありません。染色体異常を伴わない先天性の症候群も数多く存在します。
高齢妊娠出産では早産その他の合併症の発生率も高くなりますし、生まれてくる赤ちゃんに障がいが発生する要因はほかにも山ほどあります。つまり、この検査で陰性となったからといっても、それは生まれてきた赤ちゃんの障がいの原因となるごくごく一部が否定(正確には可能性がきわめて低いと)されたにすぎないということは知っておく必要があると思います。
ただ、一方で検査を受ける方たちの心情を理解できる部分もあります。これまでも述べてきたように健常な赤ちゃんを持ったお母さんたちでさえ、経済的理由や仕事との両立で子育てが困難な今のこの日本社会です。もし、生まれてきた赤ちゃんに何か障がいがあったらどうなってしまうのだろう?という漠然とした不安を感じたとしても何の不思議もありません。
今の世の中は子育てをしていくという点において「余裕」が全くなくなっているのだと感じます。そもそも赤ちゃんが生まれるということは、何らかの障がいがある可能性も一緒に引き受けることにほかなりません。しかし、この余裕のなさが「可能性」を「リスク」と感じさせるのでしょう。
倫理的問題というのは、実は社会的あるいは経済的背景と切り離せないものだと思います。こうした出生前検査が結果的に中絶の増加につながっているのだとしたら、問題の根源はこの検査法が開発されたこと自体より、今の社会が「倫理的」にも問題のある段階にまで陥っていることを鏡のように映し出しているだけのような気がしてなりません。この新たな検査法の是非を問うのであれば、背景にある子育てを取り巻く社会のあり方も一緒に議論する必要があるのではないでしょうか?

(文責 成育科 網塚 貴介)

2016.04.20

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先日、東奥日報夕刊の明鏡欄に、医療的ケアを要するお子さんを持つお母さんからの投稿が掲載されていました。

 「医療的ケア児」を知っていますか?
病気や障害のため、たん吸引や人工呼吸器などが必要な子どものことです。
このような子供は保育園や幼稚園に入園することがほぼできません。
「命に関わるから」
「看護師が足りないから」
「前例がないから」
と断られます。
わが子もその一人です。

◇ 多くの子供が保育園や幼稚園に入園し、音楽やお友達とふれあい、心を育てます。
また親は就労が可能になります。
しかし、わが子には保育園や幼稚園という選択肢すらありません。
年齢にあった教育や刺激を受けられぬままの日々。
唯一通園できそうな保育園は母子同伴が条件。
仕事をすることは不可能になり、経済的に苦しくなります。

◇ 医学は進歩しているのに、福祉や制度は見直されず古いまま。
その負担は全て家族が背負う現状です。
実際にどれだけの医療的ケア児がいるのか、県や市は把握していますか?
育てるどころか、将来を絶望視している家族もいることを知っていますか?
共働きで子育てをしたいです。
いつまで泣き寝入りをすればいいのでしょう・

◇ 医療的ケア児を付き添いなしで預けられる保育園や幼稚園が、一つでもできないものでしょうか?
どうか取り組んでいただけませんか?
それともすでに取り組んでいただいていますか?
どこに相談したらいいのでしょう?
関係機関からの具体的な回答をいただければ幸いです。

(青森市・医療的ケア児の母)

医療的ケアのお母さん (Custom)

この現実は、このブログでも何度か取り上げてきました。

昨年3月には東奥日報で「医療措置必要な我が子 どう育てていけば・・・」「受け入れ施設なく 母苦悩」と題して医療的ケアを要するお子さんのお母さんが同様の問題を抱えていることが紹介されました。
2015.03.06 障がい児を持つ母親が子育てしながら働ける社会を

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この他にも
今年のデーリー東北や、
2016.03.01 青森県の赤ちゃん死亡率、改善傾向 浮かぶ新たな課題

昨年11月の青森朝日放送でも
2015.11.22「続・赤ちゃんを救え〜助けられるようになった小さな命」

同様の問題が取り上げられています。

このお母さんの投稿にもあるように
医学は進歩しているのに、福祉や制度は見直されず古いまま。
その負担は全て家族が背負う現状です。

この現状の責任はお子さん達を助けてきた私たちにもあると日々感じています。

この現実をもっともっと多くの方に知ってもらうことで、ギリギリで頑張っているお母さん達が少しでも希望が持てるような施策が早期実現されることを心から望みます。

(文責 成育科 網塚 貴介)

ブログ更新情報

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2014.02.16
第16回 信州フォーラム旅日記
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BabylogVN500(応用編)の英語版完成!
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2014.02.08
BabylogVN500(基礎編)の英語版完成!
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あおもり母乳の会 第11回学習会
(クリックするとSiPAP英語版のページにリンクします)
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2014.01.17
高知県周産期医療人材育成プログラム講演会
(クリックすると拡大して表示されます)
2014.01.16
朝日新聞のオピニオン欄に投稿しました
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2014.01.13
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