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成育科ブログ

2016.01.13

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青森県立保健大学では毎年、看護系2講、助産コース6講を通常講義として担当していますが、これらとは別枠で新生児・周産期医療と社会との関わりのようなことに関して毎年講義させていただいています。
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今回も80分間、色んなお話しをさせていただきました。内容としては
 ・日本の少子化問題の背景
 ・少子化なのになぜ低出生体重児が増えてNICUが足りなくなるのか?
 ・小児在宅医療と母親の就労の問題に関して
 ・新生児医療における看護体制の問題~特に「一人飲み」問題に関して
 ・産科病棟の新生児の扱い~母親の付属物としての扱い
 ・女性の年齢別労働力率におけるM字カーブの問題
等々、まもなく看護師・助産師として社会に出て、周産期医療に関わるであろう彼女たちが近い将来直面するであろう現実に関してお話ししました。

女性人口のカーブを見ると、20年後の母親のほとんどは既に生まれてしまっていますので、前回も述べたように多少合計特殊出生率を上げたところで後戻り不可能なポイントが間近に迫っています。これが少子化対策が「時間との闘い」と言われる所以です。
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また少子化の背景として雇用の不安定さが大きく影響しています。大卒の就職率の推移を見ると、バブル崩壊と団塊ジュニアの就職がほとんど重なっており、それ以降の就職率も高度成長期とは比べものにならないほどの低水準で経過しています。教育費負担が大きいのが我が国の特徴でもありますので、雇用の不安定さや給与水準の低下は少子化の直接的な要因になっていることは明らかです。
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女性の労働力率のM字カーブは、正規雇用・非正規雇用で分けてみると最初は正規雇用でも出産・育児の年代になると比率が下降し、逆に非正規雇用が増加する傾向があります。以前と比べてM字カーブの凹みは浅くなっていますが、これは非正規雇用の増加によって支えられています。正規雇用でいったん辞めるとなかなか正規雇用には戻れない「片道切符」であることがうかがえます。
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以前、このブログでも 「ルポ 産ませない社会(小林美希著、河出書房新社)」 をご紹介しましたが、この本に書かれていることが働く女性を取り巻く社会的環境を物語っています。
産ませない社会 (Custom)

一方、医療現場ではGCUにおける「一人飲み」は、保育園なら児童福祉法で保育士一人あたりの受け持ち乳児数が定められているのに、病院では児童福祉法が適用されないため、看護師さんが一人でとんでもない人数の赤ちゃんを任せられているために起こる現象です。10年前のアンケートでは全国のNICUの過半数で行われていました。
一人飲み (Custom)

これはGCUの問題と言うよりも、根本的には小児病棟における看護体制全般の問題でもあります。「付き添いは不要」と言う建前になっているにもかかわらず、親が付き添いせざるを得ないような手薄な看護体制にしていること自体に矛盾があります。「建前上は問題が存在しない」ことが問題解決すら困難にしている現状があります。
付添の建前
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これらは個別には一見、別々のことのように見えますが、実は日本が赤ちゃんとお母さんを大切にしないと言う点で共通しています。「一人飲み」や産科病棟で母親の付属物扱いされるなど、制度上、日本は「赤ちゃんの権利」と言う観点からは権利意識に乏しい国だと言わざるを得ません。こうした社会のひずみが集中する分野で働くと言うこと、そして将来、家庭人として職業を持つ母として生きていく上での困難さがあると言うことを学生の今のうちから是非知っておいて欲しいと言う思いでお話しさせていただきました。

2015.12.19

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今週末は毎年この時期に開催される青森県周生期医療研究会がありました。

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今回はNICU看護師さんの大村さんが「青森県立中央病院における 早産児の早期発達支援 実践報告2~中心静脈栄養管理中の児の外反予防と内反足に対するポジショニング~」と題して、主にPIカテを下肢から挿入している赤ちゃんが腹臥位管理されている際に外反になりやすい点を、あすなろ療育福祉センターのPT・OTスタッフの方と一緒に対策を検討した内容を発表して下さいました。
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弘前大学の医学生である成田先生からは「高齢出産と難産の関係」と題した発表がありました。個人的にもこれまで低出生体重児の増加が高齢出産の増加が影響していると発表したりしていましたので、とても興味深く拝聴しました。サブタイトルも絶妙ですね。参考までにこれまでの低出生体重児と母体年齢関連の記事のリンクを以下に貼っておきます。
東奥日報連載8回目 低出生体重児の出生数増加の理由は?
第60回日本新生児成育医学会 少子化シンポジウム
極低出生体重児の母親年齢を多い順に並べると?≫回答

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今回はこの他、当院産婦人科の森川先生が「青森県立中央病院総合周産期母子医療センター開設10周年を過ぎて」と題して、過去10年分の産科側の統計を発表されました。
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さらにNICUからは当科の三上先生が、特別講演に宮城県立こども病院脳神経外科の白根礼造先生をお迎えしていることもあるので「当院NICUにおける 過去5年間の 脳神経外科紹介症例の報告」と題して、過去5年分のまとめを発表してくれました。
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そして特別講演は宮城県立こども病院脳神経外科の白根礼造先生から「周生期中枢神経疾患の脳神経外科的対応」と題してお話しして下さいました。豊富な症例をご紹介いただきとても勉強になりましたが、なによりも、脊髄髄膜瘤など、先天性の中枢神経性疾患は発生数としても極めて稀なので、やはり集約化などによって専門医による治療が行われることが望ましいことを改めて実感しました。超低出生体重児であれば県単位での集約でも診療成績の維持は可能ですが、さらに稀な疾患の場合には診療圏域をさらに拡大していかなければ診療の水準維持が困難であることは明白です。ご講演の最後に「いつでもご相談下さい」と言って下さり、とても心強く感じました。
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研究会の後は懇親会で色々お話を聞かせていただきました。これを機に、もっと密な連携を取らせていただければと思います。ご多忙のところ青森までお越し下さりありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
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2015.11.30

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週末の11月28日(土)は第30回秋田県周産期・新生児研究会にお招きいただきました。先月に盛岡で開催された第60回日本新生児成育医学会の2日目に「少子化の進行が及ぼす新生児医療体制への影響は?~何が起こる?何をしなければならないか?」と題したシンポジウムが開催されましたが、今回の秋田ではこのシンポジウムの内容を日本で最も出生数低下が激しい秋田県の問題として考えたいとの秋田赤十字病院新生児科の新井浩和先生からのご依頼でお話しさせていただくことになりました。

秋田県は青森県の隣県ではありますがこれまでなかなか行く機会が少なく、また奥羽本線から真っ直ぐ行けることもあって意外にも今回が「初こまち」になりました。
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秋田駅に到着すると早速あちこちで「なまはげ」がお出迎えしてくれます。
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会場に到着です。
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ちょうど一般演題の最後が新井先生による秋田県における新生児医療の現状に関するご発表だったので興味深く拝聴しました。これまでも定期的に県内施設へのアンケートを繰り返されているそうで、秋田県でもどんどん集約化が進んでいることが示されていました。
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今回のタイトルはシンポジウムとほぼ一緒で「少子化の進行にともない新生児医療はどう変化するか?~人口動態統計による低出生体重児将来簡易推計から~」と題して発表させていただきました。
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基本的に人口動態に関して将来起こることは、この我が国における出生数の推移からかなり正確に推計することが可能です。
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以下の発表内容は 盛岡での少子化シンポジウム とほぼ同じなので内容は下線部をクリックしてご覧下さい。

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秋田県と青森県は隣県同士であり、出生数の減少率もワースト1位2位のツートップの県です。間もなく訪れる少子化の波に飲み込まれないよう、今から連携しながら将来に対する対策を考えて行ければと思っています。新井先生並びに秋田県の諸先生、ありがとうございました。

2015.11.08

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今週末は福岡で「福岡都市圏新生児医療連絡会FMNNジョイントカンファレンス」にお招きいただき人工呼吸管理に関してお話しさせていただきました。福岡は7月にも日本周産期新生児学会で行ったばかりでしたが、今回はちょっとだけ時間もあったので、前回行けなかった太宰府天満宮にも寄ってきました。
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太宰府天満宮はもの凄い人出で、特に修学旅行生なのでしょうか、学生服姿の方もかなりいらっしゃいました。
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おしゃれなスタバも発見。
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観光の後は会場の九州大学病院に移動です。今回の世話人である落合先生に九州大学病院のNICUをご案内させていただきました。総合周産期センターでなおかつ大学病院なのでとにかくなんでもできる病院と言う印象です。極低位出生体重児の症例数は当院と同じくらいとのことでしたが、それに加えて小児外科や先天性心疾患、さらにそれ以外も何でも診療できるそうです。小児科外来のブース数も20以上もあり、それだけ小児科全体としての専門領域が充実していると言うことなのでしょう。ここで研修ができればきっとかなり幅広い研修ができるのだろうなと羨ましく感じました。
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勉強会の後は懇親会も開いて下さいました。人生初の鳥の水炊きはとても美味しかったです。
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落合先生をはじめ、福岡の諸先生、ありがとうございました。

2015.10.31

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今日は先月の 「小さく生まれた赤ちゃんとご家族のつどい(4歳以上)」 に引き続き、4歳未満のお子さんを対象としたつどいを開催しました。今回も県内全域から20組以上のご家族に参加していただきました。

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今回も保育士連合会の佐藤さんによるアイスブレーキングから始まります。この後、ご両親達は別室で情報交換会に移ります。
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今回は先日見学もさせていただいた( 5月30日 青森県立盲学校を見学させていただきました )青森盲学校の甲田先生をお迎えして「乳幼児期の視機能の発達と家庭でのかかわり方」と題して情報提供していただきました。こどもの視機能・視覚認知機能はおおよそ4-5歳までに完成するそうで、そうなると就学前までの時期がとても大切です。未熟児網膜症に限らず超低出生体重児は早期から眼鏡を必要とする屈折異常のお子さんも多いですので、お子さん達の「見えにくさ」は早期発見しなければ訓練も間に合わないと考えています。そうした背景から、当科では3歳時点の発達検査で視覚認知や空間認知機能に苦手さを感じているお子さんには眼科受診を勧めるとともに、青森盲学校さんへのご相談もお勧めしています。今回は盲学校でお子さん達に対してどのような訓練をしているかとか、ご家庭でどのような練習ができるのかにかんして詳しく教えていただきました。
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この後、グループに分かれての情報交換会を行いました。今回の情報交換会では、仕事をしているお母さんから育児と仕事の両立をどのようにされているかに関してのご質問がありました。すでに保育園に預けて職場復帰されているお母さんも多く、皆さんが様々なご苦労をされていることを伺うことができました。やはり、職場の理解がとても重要で、それなしでは仕事を続けることは難しかっただろうと言うご意見が大半でした。

恒例の集合写真です。
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閉会の前に「kamekai」をあらため 「あおもりNっ子くらぶ」 を立ち上げられた石田さんから新しい集まりのご紹介がありました。

(クリックすると「あおもりNっ子くらぶ」のページにリンクします)

(クリックすると「あおもりNっ子くらぶ」のページにリンクします)

ご家族が帰られた後には反省会です。全課員お4歳以上のお子さん達と比べると、やはりまだ幼いお子さんも多いので、情報交換会の最中にお子さん達を預かる面での問題が出されました。それでも保育士さん達に加えて、当院のスタッフも加わってみんなで頑張って下さいました。
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でも、こうした毎回、回を重ねるごとに様々な問題が出てきては解決しながら、この「つどい」も少しずつシンポして行っている気がしています。参加された皆さん、お疲れ様でした。

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