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成育科ブログ

2015.09.17

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来月10月3日(土)~4日(日)に仙台市で東北・北海道小児科医会連合会総会が開催されます。この2日目には朝から「小児在宅医療考える~現状と課題」と題したシンポジウムが予定されており、そこで発表の予定となっています。
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今回のシンポジウムでは小児在宅医療の中でも特に「母親の就労の観点から」の問題点に焦点を絞って発表させていただきたいと思っています。
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小児在宅医療」と「母親の就労」と言うと、これはほぼ真逆の概念と言っても良いぐらいはないかと思います。しかし、これまでの 東奥日報の連載 でも何度も述べてきましたが、いわゆる「女性の社会進出」はバブル崩壊から就職氷河期以降の雇用の不安定化を背景として、その実態としては「進出」と言うよりも「働かざるを得ない」と言う側面が大きいのではないかと思います。

今年3月5日の東奥日報に 「医療措置必要な我が子 どう育てていけば・・・」「受け入れ施設なく 母苦悩」 と題した記事が掲載されました。今回の発表はこの記事の延長上にある問題に関して述べてみたいと思っています。

以下、抄録の最後の部分だけ抜粋してご紹介させていただきます。

現在の小児在宅医療を支える基盤は非常に脆弱であり、家族に大きな負担を強いることでて辛うじて成り立っている。国はNICU病床不足や医療費抑制のための対策として在宅医療を推進してきた。日中一時支援事業等の諸制度が整備されてはいるが、母親の就労と言う観点から見ると理想にはほど遠い状況がある。

在宅医療の推進は医療費削減と言う点では一定の効果があるのだろうが、見方を変えると、それまで全く別のスキルを築き上げ社会人として働いていた(主に)女性を、生まれてきた子どもに障害があると言う理由で、それまで行ったこともない医療的行為を、しかも親子が1:1と言う非効率な方法で家庭に縛り付け、それまでに培ってきた社会人としてのスキルを結果的に放棄させてしまっている。これでは医療費が削減されても、社会全体としては極めて非効率なことをしているとは言えないだろうか?

本県の新生児医療はこれまで極めて高かった乳児死亡率の改善を目指して政策医療の一環として整備されてきた。しかし、在宅医療に限らず何らかの障がいを持って退院した児とそのご家族に対してのサポートは極めて貧弱である。政策医療として行ってきた医療は結果的に「助けっ放し」になってしまっている。

生まれてきた子どもに障がいがあった場合、このように預け先探しもままならない現状は、障がい児の親となることが結果として経済的不利益を招いている。在宅医療に関わる枠組みを「母親の就労」「障がい児の家庭の経済環境」と言う視点で今一度見直す必要があるのではないかと考える。

2015.09.11

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今日は青森県教育委員会主催で、県内の特別支援学校の先生を対象にした「平成27年度特別支援学校における医療的ケア基本研修」で「医療的ケアの必要な子どもの育ちと地域生活」と題して近くの県立保健大学で2時間ほどお話しさせていただきました。医療的ケアとは言っても、当院の場合、それほど多くの患者さんを診ているわけではありませんので、昨日の研修会では周産期医療からその後のフォローアップにかけての、お子さん達の発達や、小さく生まれたお子さんや病気を持って生まれたお子さん達の親御さん達の心情の変化などを中心にお話ししました。
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「少子化なのになぜNICUが足りないのか?」と同じように、少子化なのに特別支援教育を要する児童も年々増加傾向です。当然、その全てが低出生体重児とわけではありませんが、こうして総出生数と極低出生体重児の出生数そして特別支援教育を要する児童数を一緒に並べてみると、多少なりとも低出生体重児の増加も寄与しているのではないかと思えるグラフです。
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東奥日報の連載でも「NICUってどんなところ?」 と題して書かせていただきましたが、漫画「コウノドリ」での言葉にもあるように、今は単に治療をするだけではなく、NICUに入院→母子分離と言う異常事態からいかにして家族の絆を作り上げるためのお手伝いができるかが現在の新生児医療の中での大きな比重を占めていることをご紹介しました。
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お子さんのことに限らずガンなどでもおなじですが、一般的にショックに対する反応として4段階とか5段階とかが知られています。ショック→否認→悲しみと怒り→適応から再起と言う段階を経ると言われますが、いったん再起しても、その後もおそらくは何度も気持ちは、例えばフォローアップでの心理検査の結果やお子さんの日常生活や行動によって不安と期待の中で揺れ動くのではないかと思います。それはあたかも傷が治ったと思っていたら「かさぶた」が取れて再び血が流れてしまう様子にも似ている気がしています。言ってみれば「心のかさぶた」みたいなものでしょうか?

特別支援の先生方が日頃接していらっしゃるお子さんのご両親がどのような就学に至る前にどのような課程を経てきたのかを、少しでもご紹介できればと言う思いでお話しさせていただきました。
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低出生体重児のお子さん達のフォローアップで注意している点もご紹介しました。特に視力・聴力は発達の土台になりますので、極めて重要な位置を占めていると考えています。特に視覚認知機能は4~5歳までに固まってしまうそうなので、3歳時点の心理検査で認知機能が低値の場合には眼科受診をお勧めするとともに、先日見学させていただいた 青森盲学校に併設されているロービジョンセンター へもご相談していただくようにお勧めしています。
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発達の検査はだいたい毎年行っていくのですが、生まれた月によって多少の違いがあります。例えば、超体出生体重児の多くは3~4ヶ月は早く生まれますので、その多くは予定日通りに生まれていれば1学年下のはずのお子さん達です。それが 早産によって「飛び級」することの問題 は以前、東奥日報の連載でもご紹介させていただきました。問題はそれだけではなく、早生まれのお子さん達は満6歳の検査をした頃にはすでに就学先が決まってしまっていると言う問題もあります。このため、教育委員会による就学前検査を受けた方が良いかどうかの判断は5歳時点の検査で判断しなければなりません。さらに、検査と検査の間隔が近いと互いに干渉し合う可能性があるので、ある程度の期間を離す必要もあります。フォローアップでの発達検査ではこうした点にも配慮が必要なこともご紹介してみました。
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障がいは複数の種類が程度も様々に組み合わさりますので、お子さんに対する支援は個別に対応していく必要があります。そのためには、医療だけではそうにもならないことが多く、福祉・教育との連携が欠かせません。今回のような機会から領域を超えた連携につなげて行ければと思っています。この度はこのような機会をいただきありがとうございました。また参加された皆様もお疲れ様でした。
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2015.07.31

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ちょっと前になりますが、先週末は看護協会主催で新生児蘇生法講習会を開催しました。会場は市内の県民福祉プラザで、インストラクターは当院産科の松倉先生と、当科の越後谷先生にお願いしました。
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越後谷先生はインストラクター取得後、今回がデビュー戦ですが初めてとは思えないほどのインストラクターぶりを発揮していました。
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松倉先生はこれまでにも何度も経験があるので安心してお任せしていました。
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今回、インストラクター補助で参加して下さった三沢市立病院の坂野さんが、当院では馴染みの少ないTピース(レサジフロー)の使い方を実演して下さいました。
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今回参加された皆さんの施設では流量膨張式バッグが使えない施設もあるので、酸素・空気のブレンダーのない施設を前提とした練習も組み込んでみました。
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終了後の集合写真です。皆さん、長時間に渡る講習会お疲れ様でした。
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2015.07.20

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今週末は東京ビックサイトで開催された レジナビフェア に参加してきました。
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今回のレジナビフェアは医学生向けで初期研修を募集するためのフェアでした。
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毎年、このレジナビフェアにはもの凄い数の病院がブース出展しています。
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当院は青森県のブースの中での参加でしたが、今回はいつになく青森県のブースもかなり幅を広く取って下さいました。
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ここが 青森県立中央病院 のブースと言うか、机一個分が割り当てとなります。
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青森県の向かいは茨城県のブースで、各地ともご当地のゆるキャラとかまで動員していました。
そう言えば、今回はクマモンは見かけませんでした。
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沖縄県は初期研修制度以前から医師の研修には実績があるので、ブースの広さも聞きに来る医学生の人数も桁違いでした。こうして各地・各施設のブースを眺めていると、人気病院には人だかりができますし、青森県のような地方ではなかなか学生さんが集まらず、心なしかブースの前を足早に通り過ぎる医学生さん達が多い気もします。やはりこの辺にも地方の困難さを感じてしまいます。
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それでも朝から夕方まで当院の研修医の先生達は一生懸命当院の初期研修の魅力を伝えて下さっていました。最終的に説明させていただけた医学生さんは20名弱と、これまでと比べると善戦したのではないかと思います。マッチングもありますが、一人でも多くの医学生さんに当院の魅力が伝わってくれればと思います。担当の研修医の先生もお疲れ様でした。

2015.07.14

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今回の学会のメインは7月11日(土)の教育セミナーと7月12日(日)午後のポスター発表です。
先日もご紹介したように、今回の教育セミナーでは「 より低侵襲かつ安全なX線撮影を目指して~フラットパネルの新生児急性期医療への効果 」と題してお話しをさせていただきました。
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これまでの診療、特にX線撮影において画像をその場で「見たいのに見ることができない」と言う状況での様々な盲目的処置はかなり「危ない橋」だったのではないかと思います。その意味でフラットパネルは新生児医療に必須のアイテムと感じていますし、これはもうNICUの施設認定基準に入れてもらっても良いぐらいなのではないかとさえ考えています。そうしたお話しを実例を交えながらさせていただきました。
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2日目の最後は懇親会でした。懇親会には福岡を拠点に活動されていて、サザンオールスターズのコピーバンドとして全国的にも有名な KAWAMURA BAND の皆さんのステージで盛り上がりました。以前、TVでも拝見したことはありますが、本当に本物そっくりでした(と言いながら本物を観に行ったことはありませんが・・・)。
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ちょっとだけですが動画をアップしておきます。雰囲気だけでもお楽しみ下さい
WMV版

mp4版

懇親会の後は神奈川県立こども医療センターの同窓会にまた混ぜていただきました。下の写真はうちの池田先生と仲良しの熊本大学の田仲先生とのツーショットです。
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綺麗な夜景を眺めて「都会は良いなぁ~」とまた心の中でつぶやきながら、こうして今回の福岡最後の夜も更けていきます。
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最終日の午後はポスター発表です。先日ご案内した通り、今年10月に盛岡で開催予定の 第60回 日本新生児成育医学会・学術集会で企画されている「少子化に伴って新生児医療体制はどのように変化するか?」と言うシンポジウムの予告編となっています。
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ポスター発表が終わったのが14時半過ぎ、帰りの飛行機の出発時刻が16時丁度と言うことで、大慌てで会場を後にしました。ここには書ききれないぐらい、今回もまた多くの刺激を得ることのできた数日間でした。

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ブログ更新情報

(画像をクリックすると第51回日本周産期・新生児学会のページにリンクします)
2015.07.01
第51回日本周産期・新生児学会の演題
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2015.06.30
青森県周産期救急救命搬送講習会
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2015.06.26
福島県立医科大学から見学に来て下さいました その2
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2015.06.20
第51回日本周産期・新生児学会 ランチョンセミナーのご案内
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2015.06.19
福島県立医科大学から見学に来て下さいました
第18回目 (Custom)
2015.06.18
東奥日報連載18回目 小児医療費助成の自治体間格差問題
(クリックすると平成27年4月5日放送の情熱大陸の動画へリンクします)
2015.06.14
感染症情熱支援~忽那 賢志 先生
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2015.06.09
就学事務研究協議会
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2015.06.07
南空知小児科臨床勉強会
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2015.06.04
東奥日報連載17回目 救命された小さな赤ちゃん~その後に求められるものは?
(画像をクリックするとブログのページリンクします)
2015.06.01
青森県重症心身障害児(者)を守る会研修会
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2015.05.30
青森県立盲学校を見学させていただきました

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