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成育科ブログ

2018.12.16

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12月の2週目の週末は、東京で小児在宅の会議があって参加してきました。
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今回の会のテーマは「医療的ケア児と災害対策」です。今回のご発表は9月に発生した北海道胆振東部地震の際、全道が停電しブラックアウトになった際、札幌市を中心とした在宅人工呼吸患者さんを数多く診療されている医療法人稲生会理事長の土畠智幸先生から「ブラックアウト時の在宅人工呼吸管理患者への対応」と題してご講演いただきました。在宅人工呼吸管理の患者さんにとって停電による電源喪失は生命の危機と隣り合わせとなります。土畠先生のクリニックでは100名を超す在宅人工呼吸管理の患者さんを扱われているそうで、全道ブラックアウトの時には土畠先生を中心としたクリニックのスタッフがひとりひとりの患者さんの状況に応じた対処をまさに不眠不休でされていた様子をご紹介して下さいました。
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続いて、大阪ショートステイ連絡協議会の位田忍先生からは、大阪北部地震や台風21号の際の活動に関してご発表がありました。大阪では普段から小児在宅医療の患者さんが日常の活動の中で把握されており、災害時の対応もその延長線上にあるのだと感じました。
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今年9月の災害時小児周産期リエゾン研修でも強調されていましたが、災害対策とはまず何よりも平時の備えが重要であり、それは小児在宅医療でもと言うか、だからこそその重要度が高いのだと思います。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2018.12.10

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12月最初の週末は青森市内で青森県医師会主催の母体保護法指定医研修会にお招きいただきました。
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今回の研修会は3部構成となっており、まず最初に医療安全として、当院院長である藤野安弘先生から「医療安全文化醸成のために何をするべきか?」と題してご講演されました。
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最後は生命倫理分野と言うことで、岩手医科大学臨床遺伝学科の福島明宗先生から「出生前診断からみた生命倫理」と題してご講演されました。
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私は両先生の間で2番手で、生存限界周辺である在胎22~23週の医療に関してお話しさせていただきました。
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今回の研修会では、これまでの青森県における周産期医療の変遷に関して概説し、かつてよりも多くの小さな赤ちゃんが救命されるようになったこと、しかもその長期予後も以前よりもかなり進歩していることをお話ししました。それでも、生存限界ギリギリの早い週数で生まれたお子さんの予後はまだまだ厳しいものがあります。これまでの当院での経験を元にこうした早い週数での出産が現実となったご家族へどのように考え対応してきたかに関してお話してみました。

こうした現実に直面したご家族を支えるために重要なのは、
1)正確な情報提供
2)現実を受容するための心理的支援
3)児に対する愛着形成の支援
であると考えています。正確な情報提供とは、ただ説明したと言うことに留まらず、ご家族がしっかり理解されることが重要です。また、極めて厳しい状況に陥った場合にはご家族による意思決定が必要になりますが、意思決定するにも現実を受容できていなければそれどころではないでしょう。さらには、赤ちゃんがNICUに入院となってからは、ファミリーセンタードケアを中心としたご両親が第一の養育者となるべくエンパワーメントしてくようなケアが必要となります。
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重要なことは、どのような決断をされても、どのような経過となっても、ご家族がその先の人生を前を向いて歩んでいけるように支えることが私たち医療者に求められていることなのではないかとお話ししました。
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実は、このまとめは先月の日本新生児成育学会最終日に行われた市民公開講座「コウノトリ先生が教えてくれたこと」で、神奈川県立こども医療センターの豊島先生がお話しされていた内容からいただいたものでもありました。
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豊島先生はこの公開講座の中で、「どんなに医療が進化しても悩みは生まれてくる」「医学の進歩の中で戸惑うご家族に心寄せたい」と語られていました。
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新生児医療の最前線からはすでに引退した身ではありますが、これまでの経験が受講された先生達の少しでもお役に立てればありがたいと思いながら、この日の任を終えました。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2018.11.27

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日本新生児成育学会その2から続きます。学会2日目の医療安全シンポジウムが終わった直後はお昼からのランチョンセミナーで、この日はいわき共立病院の本田義信先生と2人での発表となりました。
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まずこちらからは「PEEP再考」と題して、人工呼吸管理において基本的な設定ながら多くの先生方にとって悩みの種であるPEEPに関して解説してみました。この詳しい内容に関しては、また改めてまとめてアップしたいと思います。
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続いて、本田先生からはHFO+CMVを使った呼吸管理に関してのご発表でした。本田先生のご発表では「311を忘れてはならない」との思いから「Iwaki Never Dies」と書かれた灯台のスライドが必ず登場します。
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本田先生は以前からHFO+CMVの有用性を発表されており、今回はその集大成のご発表にも感じました。
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スライドでは「エビデンスがなくてごめんなさい」とありますが、それはこちらも同じで、お互い東北の地方病院のNICUで「編み出した」と言っても過言ではない臨床現場からの発信の場になったと感じた今回のランチョンセミナーでした。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2018.11.26

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日本新生児成育学会(その1)の続きです。第63回日本新生児成育医学会学術集会の学会2日目は朝からNICUにおける医療安全に関するシンポジウムと教育講演がありました。
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シンポジウムは私がトップバッターで、今回は「NICUにおけるインシデント分析~院内医療安全への参加のすゝめ」と題してお話ししました。
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NICUが他の医療分野と比べて特殊なことは論を待ちません。基本的に医療に関するあらゆる環境が成人向けにできているので、新生児医療はこうした限られた条件下で行っていく必要があります。
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中でも電子カルテに関する部分、特に指示出し・指示受けと言った基本業務に関わる部分に関して大手の電子カルテによる対応はまだまだです。当院のようにNICUの部門システムが導入されている施設であれば、以下のような様々な安全機能によってインシデントを未然に防ぐことも可能です。今回の発表を機に、過去5年間ほどのインシデント分析を行ってみましたが、やはり部門システムでカバー可能な部分に関してのインシデントは量的にも少なく、その「外側」にある部分の方がインシデントの割合が多い傾向が明確に示されました。

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NICUにおける様々な業務の中でも栄養に関する業務は複雑を極めます。単に「気をつけましょう」ではなく業務の単純化ができないものかと今回改めて思いました。しかし、その一方で、こうした細やかな管理こそがNICUケアの真骨頂でもあり、このように感じてしまう自分がむしろ「現場感覚」を失ってきているのかと言う気もしました。
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あれこれ過去のインシデント分析をしてみましたが、今回の分析はあくまでひとつの例に過ぎません。むしろ大事なことは、各施設においてNICU担当医師もしくはスタッフが院内全体のインシデント分析会議に出るようにするなど、自らのインシデント分析能力を向上させることにあるのではないかと考えています。医療安全の担当者からインシデントに関してあれこれ言われると「NICUのことも知らないのに」となりがちですが、そのように対立するのではなく、自らがインシデント分析会議に出ることで同じ土俵の上で議論できるようにしていくことが必要なのではないかということで発表を終えました。
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次に、神奈川県立こども医療センターの猪谷先生からは医療機器の添付文書に関してのご講演がありました。医療機器の添付文書は医薬品と比べると目にする機会のない施設が多いようですが、医療機関の添付文書は何の前触れも連絡もなく書き換えられていることが多く、企業のホームページの当該医療機器に関する添付文書をあえて読みに行こうとしなければ、知らない間に通常使っている患者さんへの使用が極端な場合にはいつの間にか禁忌になっていたりと言うことがあり得るのだそうです。具体的な事例をまじえて分かりやすく教えて下さいました。
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次に、同じく神奈川県立こども医療センターの臨床工学技士である松井さんからはNICUにおける電源に関してご講演いただきました。特に「アース」の意義について強調されており、また配電盤による電力量がかなり偏っている場合に関してなど、とにかく目から鱗のお話が満載でした。
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シンポジウム後の教育講演では藤田医科大学病院で医療の質・安全対策部の安田あゆ子先生から「医療を安全にするための問題の見方」と題してご講演いただきました。実は安田先生は、以前、当院の医療安全研修会でインシデント分析に関してご講演して下さったことがありました。その内容があまりにも素晴らしく感動していたところに、ちょうど今回の学会企画のお話があり、真っ先に教育講演の演者として推薦させていただき、今回のご講演となりました。
安田先生はASUISHIプロジェクトと言って、名古屋大学医学とTOYOTAが共同で行っている『明日の医療の質向上をリードする医師養成プログラム(あすいし ASUISHI)』の主要メンバーとしてもご活躍されています。
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シンポジウム終了後に演者の皆さんとご一緒に。皆さん、お疲れ様でした。
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(文責 成育科 網塚 貴介)

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2018.11.25

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11月22日(木)~24日(土)の3日間、東京で第63回日本新生児成育医学会学術集会(会長:東邦大学医学部 与田仁志先生)が開催され参加してきました。今回は与田会長による会長招宴にもお招きいただきました。会場の赤坂プリンスクラシックハウスです。
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会長の与田先生からご挨拶です。
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これまで永らく日本新生児成育学会の理事長を務められていた楠田先生が今回で引退されると言うことで中村先生・和田先生からのサプライズがありました。
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米国から参加されたエクランドさんとも久しぶりに再会しました。
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さて、明けて会場の都市センターホテルへ。
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学会にはいつも企業展示があるのですが、今回は何十周年と言う企業が多く、アトムメディカルさんは80周年記念だったようです。我々が医者になった時点ですでに50年も経っていたとは改めて驚きました。
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こちらはコヴィディエンさんのブースで、我々世代には昔懐かしい「ネルコア」の歴代 SpO2モニターが博物館のように展示されていました。昔のSpO2モニターは体動に弱くて、赤ちゃんが少し動いただけでアラームが鳴るのが当たり前でしたが、今はすっかり高性能になっています。
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こちらはNeonatalCareでおなじみのメディカ出版社さんのブースです。NeonatalCareは来年1月号から「withNEO」と名前が変わるそうで、早速1月号に寄稿予定でもあって立ち寄らせていただきました。
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午後には北里大学産婦人科の海野先生による「医師の働き方改革と周産期医療」に関しての座長を務めさせていただきました。医師の過重労働が常態化している周産期医療現場に「働き方改革」の波が押し寄せてくるとどうなるのか?、その前に自分たちにできること・すべきことは何か?と言う点を詳しく解説して下さって非常に勉強になりました。
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学会2日目以降はその2に続きます。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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