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成育科ブログ

2014.07.24

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先週の週刊東洋経済(7月19日)は医療危機の特集でした。この中で、以前、このブログでもご紹介させていただいた「 産ませない社会 」や「 職場流産」を執筆されたジャーナリストの小林美季さんが新生児医療に関して「新生児医療 次の課題」と題してレポートして下さり、その中でコメントをさせていただきました。

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2008-2009年をピークとした受け入れ不能報道によってNICUは世間にもその存在が知られるようにはなりましたが、その一方で、母体搬送の受け入れ可否ばかりに焦点が当てられ、肝心の新生児医療とは?と言う議論が抜け落ちたままになってしまっていたように感じていました。そう思っていたら、先月には朝日新聞で「 患者を生きる 小さく生まれて 」と言う連載がされ、次第に社会の目が新生児医療そのものに向いてくれてきていると感じています。まさしく「新生児医療 次の課題」を探る時期にさしかかっているのではないかと思います。

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今回はLate pretermに関してコメントさせていただきました。

周産期医療とは本来はお母さんと赤ちゃんの医療なわけですが、それが赤ちゃんはNICU、お母さんはMFICUと、互いに別々の括りの中で医療が発展してきた経緯があり、現在の保険診療上も両者には厳格な独立性が求められます。しかし本来の周産期医療とはエストニアの小児科医Levinが提唱するHuman Neonatal Care Initiativeにあるような「母と子をひとつの閉鎖的精神身体系closed psychosomatic system)」と考えることこそが本来の姿なのではないかと言う思いがあります。

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昨年の周産期医学9月号「周産期におけるPros, Cons」に「 Late preterm児は母子同室で管理したほうがよい 」と言うタイトルで書かせていただきましたが、我が国の産科医療では海外に比べてお母さんの入院期間が長いという特徴があります。この特徴を活かし、お母さんの入院中は母子ともに入院患者としてケアを受け、赤ちゃんのケアと観察を当初は看護師が担当するが、授乳の援助とともに赤ちゃんのケア自体も徐々に適切なアセスメントともにお母さんへ中心を移動させ、お母さんが退院後は同じ部屋で赤ちゃんのみが入院患者としてケアを受け続け、お母さんと一緒に自宅へ退院する。退院までの間、赤ちゃんは入院中なのでモニタリングや観察・治療はNICUと同等にしっかり行われる、と言うような「母子ユニット」と言うべき新たな診療上の枠組みを作ることができないだろうか?ということを考えています。

その実現には、産科・新生児科双方が母子にやさしいケア体制構築に向けて協力することが不可欠です。「赤ちゃんの入院=母子分離」ではなく、赤ちゃん達がお母さんとともに「何ごともなかったように」退院して行けるようなケア体制の制度的確立ができたら良いなと思っています。

2014.07.20

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週末の金曜日、 昨年に続いて 弘前大学小児科の伊藤教授をお迎えして当院の研修医・医学生で小児科に興味のある先生方への説明会兼交流会を開催しました。今回も昨年と同じく学生さんもあわせて6名の先生に集まっていただき、皆さん、真剣にお話しを聞いて下さいました。
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またこの中から将来の青森県の小児医療を支える人材が輩出されることを願っています。
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2014.07.16

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さて、学会と言えば全国の皆さんと久しぶりに会うことができるのも大きな楽しみの一つです。今回の学会には当科の伊藤先生と一緒に参加しました。伊藤先生には今、「当科で経験した遷延性低血糖症について」と題して発表してもらいました。
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今回の学会では、以前、NHKの青森局時代に青森県の周産期医療に関する取材でお世話になった田中陽子さんとも久しぶりにお会いすることができました。田中さんは今回の学会で 新生児の痛みに関するシンポジウム の取材でいらしたそうです。育休明けでの仕事再開だそうで、今後、また周産期医療の取材でのご活躍を期待しています。
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学会2日目の夜は神奈川こどもの交流会に合流させていただきました。いつもながら神奈川こどもの「現役生と卒業生」で大賑わいでした。
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当院から2年間の研修でお世話になっている川村先生も元気そうでした。
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こちらは「こどもかぞくまんなか」チームの倉敷中央病院の中川ふみ先生とコドモックルの野口聡子先生です。
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そしてこの写真。豊島先生をはさんで、来春で2年の研修を終えて青森に戻ってくる予定の川村先生と、もし可能であれば交代で来春から神奈川こどもでの研修でお世話になりたいと考えている当科の伊藤先生の3ショットが実現しました!
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今回も豊島先生をはじめ、色んな方達とお話しすることができ、まさに「夢の国」のとなりで夢のような時間を過ごさせていただくことができました。
皆さん、学会本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。
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2014.07.15

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今回の学会の大きな楽しみの2つめは「 こどもかぞくまんなか 」チームのブースです。今回は企業展示コーナー近くの小さな小部屋にウプサラ大学NICUの環境が再現されていました。ブース出展するとはお聞きしていましたが、ここまでの展示とは想像もしていなかったのでびっくりです。各施設の取り組みのポスターも多数展示されており、皆さんのファミリーセンタードケアへの熱意が全国に拡がりつつあることを実感しました。

ブース内の再現NICUはこんな感じです。部屋も良い具合に照度が落とされ落ち着いた感じで、ウプサラ大学NICUで有名な「耳」の形をした騒音計もありました。まさに「これ、これ」と言うしかありませんでした(語彙力なさすぎですね)。
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ブースの入り口には大きなポスター展示で当院の取り組みを紹介して下さいました。当日はタブレットPCを持参して、当科での「直母外出」の様子を動画でもご紹介させていただきました。
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さて、これだけの用意がされている以上、カンガルーをしないわけには行きません。生まれて初めてのカンガルーケアをさせていただきました。最初、先にベッドに寝てから胸の上に赤ちゃんがくるのかと思っていたら、そうではなく、写真のように自分の胸を赤ちゃんの方に近づけてそっと抱き上げて移動するのだそうです。写真だとなんか介護老人みたいになってますが・・・。
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これでカンガルー完成です。確かにこの姿勢だと赤ちゃんの顔を直接見るのが難しいので、カンガルー中のお母さん達が鏡を使っている理由が実感できました(決して老眼だから見えにくいわけではありません・・・)。どうもわが子というよりも孫を抱っこしているような感じなので「じじ」カンガルーと言うところですね。
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学会最終日に「こどもかぞくまんなか」チームの皆さんとの集合写真です。今後もどんどん全国にファミリーセンタードケアの輪を拡げていって欲しいと願っています。皆さん、素敵な企画をありがとうございました。
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2014.07.14

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7月13日(日)から15日(火)の3日間、東京ディズニーランド横のシェラトングランデで第50回日本周産期・新生児学会学術集会が開催され参加してきました。今回の学会ではいくつかの大きな楽しみがありました(ディズニーランドじゃないですよ!)。
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まず最大のニュースは、2009年に日本での販売が停止され更にメンテ終了の話まででていたステファニーを近々パシフィックメディコ株式会社が扱っていただけることになったことです。我が国の新生児医療においてPAV(proportional assist ventilation)がこれから!と言う時の販売終了だったので、今回の動きは本当に嬉しいです。ステファニーは日本では知らないうちにいつの間にか新型がリリースされていて今回は姉妹機であるソフィーと一緒にデモ展示されていました。
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今回の学会にあわせてSTEPHAN社のHohne氏が来日され、韓国のSon先生達と一緒にステファニーやPAVなど、人工呼吸器談義をさせていただくことができてとても楽しいひとときでした。写真は学会場からディズニーリゾートラインで移動中の一コマです。
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新型のステファニーではMinimal Volume Guaranteeと言う新機能が目を惹きました。PAVは患者さんの呼吸努力に比例して人工呼吸器の換気圧が上昇する呼吸モードです。以前、早産児の人工呼吸管理Part6 で述べたように、これはVG(Volume Guarantee)とは全く逆の動きをする機能となります。
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しかし、PAVも自発呼吸が弱くなってしまうと換気圧も下がってしまうことから、バックアップ換気が作動する完全な無呼吸に陥らない程度の小さな呼吸努力の時には低換気となってしまうと言う弱点があります。Minimal Volume Guaranteeはこの弱点を補うための機能と位置づけられ、概念的には以下の図のような感じになるのではないかと期待しています。またVGのあり方と言う観点からも、早産児の人工呼吸管理Part6 の中で、VGに関して「自発呼吸のない状態、つまり無呼吸時のバックアップ換気としてこそ、その有用性が発揮されるのではないか」と述べた通りのコンセプトとなっていたことに驚かされました。
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我が国の新生児医療において「食わず嫌い」のまま、いったん火の消えかかったPAVがここで新たに再評価される機会を得ることができたことをとても嬉しく感じています。新たに認められたPAVが多くのCLDの赤ちゃん達の肺を護るために働く日が来ることを願っています。

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