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成育科ブログ

2014.12.04

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東奥日報夕刊の連載「知ってほしい赤ちゃんのこと」は今週が7回目です。今回はこれまで述べてきた全国でのNICU不足が青森県ではどうだったのかに関して述べてみました。NICUの病床不足が起こっている点では同じなのですが、その背景は都心部と地方では大きく異なります。今回はそうした背景の違いを中心にしてみました。

第7回目 (Custom)

以下、7回目原稿です。

 前々回、全国で低出生体重児の出生数が増えNICUの病床数が不足しているとお話しました。それでは青森県でも同じようなことが起こっているのでしょうか?
結論から言えば、特に東京のような大都会でNICU不足が社会問題となっていた2009年頃、県病でもNICUの病床が不足していました。しかし起こっている現象自体は同じでも、その背景には違いがあります。
青森県では、特に02年からの数年間、1000g未満で生まれる超低出生体重児の出生率が極めて高く、当時は年間55~58人の小さな赤ちゃんが生まれていました。しかし、その後は県内周産期医療関係者のご努力もあって超低出生体重児の出生数は徐々に減っていきます。
なのに、なぜNICUが足りなくなるのでしょうか?それは集約化の進行とそれに伴う救命率の向上が背景にあります。前回述べたように、03年までは超低出生体重児の半数前後が亡くなっていました。それが04年に県病に総合周産期母子医療センターが開設されるのに伴い、小さく生まれた赤ちゃんを県病に集める「集約化」が始まり、超低出生体重児の救命率は急激に改善していきました。
中でも09年には超低出生体重児が年間37名入院し、しかも救命されて生存退院・転院した数も32名と、入院数と退院・転院数ともに現在までの最高値を記録しました。当時のNICU病床数は9床と、現在の15床と比べて少なく総合周産期母子医療センターとしては全国最小規模でしたので、ベッド繰りはまさに「火の車」でした。
前回、生まれてすぐの生命に関わる時期を脱した後に、地元の医療機関に赤ちゃんを戻す「後搬送」のご紹介をしましたが、この頃はNICU不足から「後搬送」時期がどんどん早まっていきました。現在でしたら呼吸状態がかなり落ち着いてからの「後搬送」が主ですが、当時は人工呼吸器を外して少ししたら、呼吸補助がまだ必要な状態での搬送をお願いせざるを得ない状態でした。
こうした状態での転院をご家族にご相談すると、当然ですが皆さんかなり不安そうな表情をされていました。しかし、そうしないと次の赤ちゃんの受け入れが難しくなるという、まさにギリギリの状態にありました。地域の先生方もまだ不安定な状態の赤ちゃんを快く引き受けて下さり、次々に生まれてくる小さな赤ちゃんを県病が受け入れられるように県内全体で支えて下さいました。
一方、全国との共通点は入院してくる赤ちゃんの割合の増加です。県で毎年集計しているハイリスク新生児統計では、県内の医療機関に入院する赤ちゃんの割合は上昇傾向にあり、全出生に対して毎年約11~12%の赤ちゃんが何らかの理由で入院しています。ただし、その実数としては近年徐々に低下傾向にあります。
その原因は少子化の進行です。過去20年間の出生数をみると、青森県は1993年に14357人の出生があったのに対して2013年には9126人と36.4%も出生数を減らしており、これは秋田県に次いで全国2番目の減少率です。ちなみにこの20年間の出生数減少率の上位は、秋田県、青森県に続いて宮城県以外の東北5県が並びます。逆に全国で最も出生率の低い東京だけが、この20年間で1割ほど出生数を増やしています。このように、周産期医療においては東京周辺の大都会と、東北のような地方とではその背景に異なる部分がある、ということも知っておいていただきたいと思います。

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