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成育科ブログ

2015.10.08

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今月の10月23日(金)から25日(日)までの3日間、盛岡市で 第60回日本新生児成育医学会 が開催されます。今回の学会では学会3日目お昼の教育セミナーで「HFOによる人工呼吸管理~基礎から応用まで」と題して講演させていただくことになりました。なんと、この同じ時間帯には当科の池田先生が教育セミナーで「超早産児におけるaEEG の活用」に関しての講演も予定されております。一つの学会で同一施設から2つもの教育セミナーをさせていただけるとは本当にありがたいお話しではありますが、完全に同じ時間帯になってしまいましたので聴衆の皆さんの人気も少々気になるところです。両講演とも、当科における呼吸管理と循環管理それぞれの「キモ」とも言える内容となっています。是非、たくさんの皆さんに足を運んでいただければと思います。
HFO (Custom)

atom (Custom)

ところで学会2日目の教育セミナーでは座長も務めさせていただきます。ご講演されるのは埼玉医科大学総合医療センターMEサービス部の須賀さんで、内容は「装着から見直す計美的呼吸補助療法」に関してです。須賀さんには以前から当院に2度にわたってnasalDPAPの装着法に関してご指導いただいており、nasalDPAP装着に関するスタッフのスキル向上でとてもお世話になりました。
nasalDPAP勉強会(2012.11.09)
2年ぶりのnasalDPAP勉強会(2014.11.23)
須賀さんのご講演は学会2日目ですが、3日目には今度はエア・ウォーターさんの教育セミナーでnasalDPAPの新型ジェネレーターの装着方法に関するご講演も予定されているそうです。
tokibo (Custom)
エアウォーター (Custom)
と言うことで、以上、教育セミナーの告知でした。

2015.10.08

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東奥日報夕刊の連載 「知ってほしい赤ちゃんのこと」 は今週月曜日が22回目でした。今回も母乳育児の話題の続きです。前回の最後に「母乳の効果なども含めてすべて確率論でしかない」と述べました。今回はその続編で、母乳栄養の効果は個人個人で言えば確かに「確率論」かも知れません。しかし、これが大きな集団になると「確実」に一定の効果が得られます。青森県は「短命県返上」をスローガンとしていますが、それならば県全体として母乳育児支援を進めるのがその第一歩ではないかと言うのが今回のお話しです。

第22回目 (Custom)

以下、本文です。

今回は母乳育児の健康面への効果に関して述べてみたいと思います。母乳にはさまざまな効果があり、例えば免疫面では各種の感染症に対する罹患率を下げる効果があります。表に示すような感染症では人工乳で育てられている赤ちゃんに比べて、その罹患率を最大で数分の一にすることが知られています。

人間の体は、体内に病原体などが入り込むと白血球が反応して病原体を攻撃しますが、授乳中のお母さんの場合、同時にその病原体の情報が乳腺細胞に伝えられることで、その病原体に対する抵抗力を含む母乳が分泌されます。この他にも母乳中の様々な成分が直接病原体を攻撃したり、赤ちゃん自身の免疫機能を高める作用も知られています。まさに、お母さんの体が「盾」となり、母乳を介して赤ちゃんを守るような仕組みになっているのです。この他、母乳で育てられたお子さんは成人期になってからの肥満や糖尿病の発生率が下がることや、メタボリックシンドロームになる確率が低いことも知られています。

また、母乳育児はお母さんの健康にも効果があることが知られています。授乳中に女性ホルモンの値が下がることで卵巣がんや子宮体がん、閉経前の乳がんの発生率が低下します。また骨粗鬆症や関節リウマチの発症頻度が下がることも知られています。この他、生活習慣病としては授乳期間が長いほど糖尿病、高血圧、脂質代謝異常、心血管系疾患の罹患率が下がるとも言われています。

ただ、母乳のこうした効果もあくまで罹患率を下げる作用があるというだけで、その効果が保障されているわけではありません。せいぜい人工乳と最大数倍程度の差ですから、実際に赤ちゃんを育てているお母さんたちから見ると、その効果は実感できない程度かと思います。ですので、よく「うちの子は人工乳だけで育てたけれど風邪なんか一度もひいたことがない」とか、逆に「うちは母乳で育てたのにしょっちゅう気管支炎で入退院ばかりで・・・」というお母さんがいるのも当然のことなのです。母乳育児の効果と言っても、個人レベルで言えば、その効果はあくまで「確率論」でしかありません。

それでは母乳育児の効果など取るに足らないのでしょうか?

それは個人レベルと県などの大きな集団とでは大きく話が異なります。県単位の大きな集団で母乳育児支援が進められ、母乳育児が可能なお母さんが増えると、上述したような感染症は県全体としては「確実」に減少します。こうした母乳の効果は米国を中心とした大規模な疫学研究によってその効果が科学的に証明されています。つまり、母乳育児のリスク軽減効果は個人レベルでは実感困難かも知れませんが、大きな集団になるとその効果は「確実」になると言うことなのです。

近年、本県ではがん死亡率全国最下位などの汚名を晴らすべく「短命県返上」をスローガンに県民の健康増進を図るための施策が広く行われています。母乳育児が本県内で広がることができれば、赤ちゃんの感染症を減らすだけではなく、大人になった時のメタボ対策や、お母さんたち女性に特有のがん罹患率低下や健康増進効果などが期待できます。青森県全体として「短命県返上」に取り組むのなら、これだけ効果の「確実」な母乳育児支援も推し進めてはどうかと思いますがいかがでしょうか?

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