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成育科ブログ

2015.10.13

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ちょっと前になりますが、10月4日(日)に仙台市で第34回東北・北海道小児科医会の総会で小児在宅医療に関するシンポジウムが開催され発表してきました。この会は北海道から東北に加えて新潟県までを含めた地域の小児科医会で、このシンポジウムでは各都道府県ごとの実情や取り組みに関して様々な発表がされました。
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各地の様々な取り組みが発表されましたが、中でも最も興味深かったのが新潟県にある長岡療育園の小西 徹先生のご発表でした。長岡療育園では長期・短期入所以外に加えて重症児者の通園に力を入れられているそうです。小児在宅医療と言うと訪問看護・訪問診療体制が各地で整備されつつありますが、通園事業が充実されると親は日中預けることができるので就労も可能になってきます。今回の自分の発表がまさにそのポイントだったので非常に興味深い取り組みであると感じました。
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シンポジウムの最後は東北大学小児科の田中総一郎先生のご発表でした。田中先生は小児在宅医療支援センターの設置に関してご発表されましたが、その中での取り組みもさることながら、「小児科研修プログラムinMIYAGI」では「重症児医療研修」が必須化されていることに驚きました。さすが東北大学のプログラムと感心して拝聴しました。
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私自身の発表に関しては回を改めてご紹介したいと思います。

2015.10.12

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10月10日(土)の青森県周産期講演会でご講演いただいた富山大学産婦人科の米田 哲先生のご講演でワークライフバランスに関する部分を少し詳しくご紹介させていただきます。

米田先生の奥様は産婦人科医師として同じ医局で働かれているそうです。お子さんが生まれ、生後4ヶ月になった時点で1ヶ月間の育休を取得されたそうです。育休と言うことは、この1ヶ月間、育児・家事全般をこなす「主夫」をされていたと言うことです。それまで母乳育児で育ってきた娘さんはほ乳瓶での授乳を嫌がり、最初はそこからの闘いだったそうです。
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こうした経験をされた米田先生は、現在は富山大学産婦人科の医局長も務められているそうで、ここから先は医局長として、富山大学産婦人科医局としての取り組みをご紹介して下さいました。

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詳細はスライドを読んでいただくのが早いと思いますが、一つの組織として女性が働きやすいようにしっかり配慮することによって、これだけ女性医師の離職率を下げることができていると言う事実はもの凄いことだと思います。労働環境整備前後の復職率の違いは際立っていますし、出産後の大学での常勤勤務率が86%と言うのも凄い数字です。しかも、これが医師の中でも最も激務と言われている産婦人科での話ですから、他の分野でできないなど言い訳もできないでしょう。

話はちょっと変わりますが、カーネギーメロン大学教授で2006年に自身が膵癌の末期症状にあることを知って「最後の授業」を行われたランディ・パウシュ氏をご存じでしょうか?この「最後の授業」の様子は『最後の授業 ぼくの命があるうちに』と言う本になり、ベストセラーにもなりました。

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この「最後の授業」の時、当時まだ1歳半だった末娘のクロエちゃんに送った言葉を思い出しました。

大きくなったら、僕のある女性同僚の言葉を知ってほしい。すべての若い女性にふさわしい言葉だ。僕が聞いてきたなかで、いちばんいい助言でもある。
「ずいぶん時間がかかったけれど、ようやく気づいたの。自分に言い寄ってくる男性がいたら、気をつけることは簡単。彼の言うことはすべて無視して、彼のすることだけに注意すればいいの」そのとおりだよ、クロエ。

各科をローテーション中の研修医や学生さん達はあちこちの診療科から勧誘を受けることと思います。医局や病院に勧誘する時には良い話しかしないものですが、そこで思い出して欲しいのがこの言葉です。自分を勧誘してくる医局の先生がどんな話をしてくるかではなく、特に女性医師の場合、すでにそこで働いている女性医師がどのような働き方をしているのか?その医局としてどんな具体的な取り組みをしていて実績があるのかをしっかり見極めて欲しいと思うのです。

なので、ランディ・パウシュ氏の言葉を借りれば、
「自分を勧誘してくる医局があったら(教授がいたら)、気をつけることは簡単。彼(教授)の言うことはすべて無視して、彼の医局がこれまでやってきたことだけに注意すればいいの」
その通りだと思いませんか?

2015.10.11

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週末の10月10日(土)には当院であおもり母乳の会第19回勉強会と、それに引き続いて第5回青森県周産期講演会が開催されました。

母乳の会勉強会では弘前健生病院の齋藤美貴先生が『基本に戻って母乳育児の10 カ条!』と題して母乳育児の基本についてご講演して下さり、続いて同じく健生病院助産師の藤田さんからは「コミュニケーションスキルについて」のご講演がありました。

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齋藤先生のご講演では、青森県でのBFH第1号の施設としての取り組みを「母乳育児の10か条」の各項目に当てはめながら分かりやすく解説して下さいました。
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こちらは藤田さんのコミュニケーションスキルのご講演の様子です。日常診療であまり意識したことのない考え方でしたが、とても分かりやすくて勉強になりました。
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続く周産期講演会には富山大学産婦人科の米田 哲先生をお招きし「頚管無力症および切迫早産の病態解明と当院における治療戦略」と題してご講演いただきました。特に切迫早産で母体搬送された妊婦さんでは、入院後の治療が奏功して妊娠週数をかなり延長できる方と、そこまで保たなくて出産に至る方とがいらっしゃいますが、その違いはどこにあるのかに関して詳しくご研究されている先生です。当院産科の管理にも共通点の多いご施設での研究でしたので興味深く拝聴しました。
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米田先生はNICUにもご見学に来て下さいました。米田先生は育児休暇取得をされたご経験があるそうで、ご自身の経験談と、現在多くの女性医師が所属する医局の医局長としてのワークライフバランスに関してのお考えについてもお話しして下さいました。この内容に関しては回をあらためてご紹介させていただきたいと思います。
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2015.10.08

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今月の10月23日(金)から25日(日)までの3日間、盛岡市で 第60回日本新生児成育医学会 が開催されます。今回の学会では学会3日目お昼の教育セミナーで「HFOによる人工呼吸管理~基礎から応用まで」と題して講演させていただくことになりました。なんと、この同じ時間帯には当科の池田先生が教育セミナーで「超早産児におけるaEEG の活用」に関しての講演も予定されております。一つの学会で同一施設から2つもの教育セミナーをさせていただけるとは本当にありがたいお話しではありますが、完全に同じ時間帯になってしまいましたので聴衆の皆さんの人気も少々気になるところです。両講演とも、当科における呼吸管理と循環管理それぞれの「キモ」とも言える内容となっています。是非、たくさんの皆さんに足を運んでいただければと思います。
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ところで学会2日目の教育セミナーでは座長も務めさせていただきます。ご講演されるのは埼玉医科大学総合医療センターMEサービス部の須賀さんで、内容は「装着から見直す計美的呼吸補助療法」に関してです。須賀さんには以前から当院に2度にわたってnasalDPAPの装着法に関してご指導いただいており、nasalDPAP装着に関するスタッフのスキル向上でとてもお世話になりました。
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2年ぶりのnasalDPAP勉強会(2014.11.23)
須賀さんのご講演は学会2日目ですが、3日目には今度はエア・ウォーターさんの教育セミナーでnasalDPAPの新型ジェネレーターの装着方法に関するご講演も予定されているそうです。
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と言うことで、以上、教育セミナーの告知でした。

2015.10.08

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東奥日報夕刊の連載 「知ってほしい赤ちゃんのこと」 は今週月曜日が22回目でした。今回も母乳育児の話題の続きです。前回の最後に「母乳の効果なども含めてすべて確率論でしかない」と述べました。今回はその続編で、母乳栄養の効果は個人個人で言えば確かに「確率論」かも知れません。しかし、これが大きな集団になると「確実」に一定の効果が得られます。青森県は「短命県返上」をスローガンとしていますが、それならば県全体として母乳育児支援を進めるのがその第一歩ではないかと言うのが今回のお話しです。

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以下、本文です。

今回は母乳育児の健康面への効果に関して述べてみたいと思います。母乳にはさまざまな効果があり、例えば免疫面では各種の感染症に対する罹患率を下げる効果があります。表に示すような感染症では人工乳で育てられている赤ちゃんに比べて、その罹患率を最大で数分の一にすることが知られています。

人間の体は、体内に病原体などが入り込むと白血球が反応して病原体を攻撃しますが、授乳中のお母さんの場合、同時にその病原体の情報が乳腺細胞に伝えられることで、その病原体に対する抵抗力を含む母乳が分泌されます。この他にも母乳中の様々な成分が直接病原体を攻撃したり、赤ちゃん自身の免疫機能を高める作用も知られています。まさに、お母さんの体が「盾」となり、母乳を介して赤ちゃんを守るような仕組みになっているのです。この他、母乳で育てられたお子さんは成人期になってからの肥満や糖尿病の発生率が下がることや、メタボリックシンドロームになる確率が低いことも知られています。

また、母乳育児はお母さんの健康にも効果があることが知られています。授乳中に女性ホルモンの値が下がることで卵巣がんや子宮体がん、閉経前の乳がんの発生率が低下します。また骨粗鬆症や関節リウマチの発症頻度が下がることも知られています。この他、生活習慣病としては授乳期間が長いほど糖尿病、高血圧、脂質代謝異常、心血管系疾患の罹患率が下がるとも言われています。

ただ、母乳のこうした効果もあくまで罹患率を下げる作用があるというだけで、その効果が保障されているわけではありません。せいぜい人工乳と最大数倍程度の差ですから、実際に赤ちゃんを育てているお母さんたちから見ると、その効果は実感できない程度かと思います。ですので、よく「うちの子は人工乳だけで育てたけれど風邪なんか一度もひいたことがない」とか、逆に「うちは母乳で育てたのにしょっちゅう気管支炎で入退院ばかりで・・・」というお母さんがいるのも当然のことなのです。母乳育児の効果と言っても、個人レベルで言えば、その効果はあくまで「確率論」でしかありません。

それでは母乳育児の効果など取るに足らないのでしょうか?

それは個人レベルと県などの大きな集団とでは大きく話が異なります。県単位の大きな集団で母乳育児支援が進められ、母乳育児が可能なお母さんが増えると、上述したような感染症は県全体としては「確実」に減少します。こうした母乳の効果は米国を中心とした大規模な疫学研究によってその効果が科学的に証明されています。つまり、母乳育児のリスク軽減効果は個人レベルでは実感困難かも知れませんが、大きな集団になるとその効果は「確実」になると言うことなのです。

近年、本県ではがん死亡率全国最下位などの汚名を晴らすべく「短命県返上」をスローガンに県民の健康増進を図るための施策が広く行われています。母乳育児が本県内で広がることができれば、赤ちゃんの感染症を減らすだけではなく、大人になった時のメタボ対策や、お母さんたち女性に特有のがん罹患率低下や健康増進効果などが期待できます。青森県全体として「短命県返上」に取り組むのなら、これだけ効果の「確実」な母乳育児支援も推し進めてはどうかと思いますがいかがでしょうか?

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