2013.10.23
以前、「即時現像機能を搭載したX線撮影装置の有用性」と題してフラットパネルに関してアップしたことがありましたが、今日は実際の入院風景をご紹介してみたいと思います。

気管内挿管を要する患者さんが入院したら、まず真っ先にX線写真で挿管チューブ位置の確認をします。特に肺サーファクタント補充療法の際、挿管チューブが深く肺って片肺挿管になってしまうと左右の肺の硬さのバランスが崩れて大事になりますので、この点のチェックはとても重要です。また、フラットパネルを用いるとX線写真撮影時に保育器を毎回開けなくても済むのも大きな利点です。特に超低出生体重児は簡単に体温低下してしまいますので、体温を気にすることなくX線写真撮影できるのは大きなアドバンテージになります。

チューブ位置確認後に肺サーファクタント補充療法しています。

こちらの写真はPIカテ挿入中です。術者は予めX線プロテクターを着て操作します。

PIカテを挿入するとリアルタイムに位置確認を行います。ここでベストの位置になったことを確認してから固定します。こうしたリアルタイムでの位置確認は臍カテーテル挿入時には更に有用です。
この他にも十二指腸チューブ挿入の際にも透視に近い確認精度で挿入することができますし、胎便病での注腸造影時にも、本来なら透視室まで移動しなければできなかった処置までNICU内で可能となります。リスクマネジメント効果に加えて、診療水準の向上に明らかに寄与していると感じています。まだまだ高価なので導入されている施設は限られているのが実情ですが、もっと安価になってNICUでの導入が必須となる時代に早くなって欲しいものです。