ここから本文です

成育科ブログ

新生児医療は「四本足の椅子」

2014.01.29

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark

先日の高知での講演会のお話しの続きです。講演終了後の質疑で、当科が「神奈川方式」を導入したことに関連して、ある先生から「どうして神奈川方式を全面的に受け入れたのか?」と言うご質問がありました。

そこでお答えしたのが今日のタイトルである「四本足の椅子」のたとえです。

新生児医療では治療方針や成績には施設間差が大きいことが知られていますが、その一方でとても小さな赤ちゃんを対象にしていることから、ちょっとした治療方針の変更が大きな合併症につながってしまう可能性もあります。たとえ、ある施設で行われている治療方針がやや時代遅れ気味であったとしても、その施設での治療方針としてはそれはそれなりのバランスを保っていることが多く、逆に「これが最新の治療法です」と一部だけ変更すると逆に変なことになりかねない、そんな心配をしています。

四本足の椅子は、仮にその足が古い足でも、それまで使えていたならそれはそれなりですが、一本だけ新品に取り替えた途端、グラグラしてしまう、そんなイメージです。かと言って、治療方針が古いままで良い訳もなく、ならばいっそのこと全部新品に取り替えてしまえ、と言うのが基本的な発想です。

実はこのことは以前、このブログでもご紹介したことのあるちいさなちいさなわが子を看取る - NICU「命のベッド」の現場からの書籍の中で、当科におけるいわゆる「神奈川方式」への変更の取り組みが「医療スタッフ育成の成功例 ー神奈川+青森(p214)」として紹介されています。

(クリックするとAmazonnへリンクします)



この書籍の中でインタビューに答えている部分がありますが、まさに今回の高知での講演でのエッセンスが詰まっています。と言いながら、実は講演ではこの書籍のご紹介をするのをすっかり忘れてしまいましたので、改めてブログでご紹介させていただきました。
 

ブログ更新情報

青森県小児在宅支援センター (Custom) (1)
2023.02.19
成育科ブログ終了のお知らせ
2022年成育科 (Custom)
2022.01.01
あけましておめでとうございます!
(クリックするとPDFにリンクします)
2021.01.01
あけましておめでとうございます!
131116097_3720143688048330_7085128489100417244_n (Custom)
2020.12.27
新生児科医師の勤務状況に関する論文が日本小児科学会雑誌に掲載
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
2020.11.16
秋の青森県の風景(その2)~中野もみじ山と黒森山浄仙寺(黒石市)
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
2020.11.15
秋の青森県の風景(その1)~龍飛岬
小児在宅医療学習会 (Custom)
2020.11.03
総合周産期センター主催の小児在宅医療学習会~初のハイブリッド型学習会
大瀧先生
2020.09.27
重症心身障害児守る会会報「ともに」に大瀧先生の紹介記事掲載
CIMG6236 (Custom)
2020.09.26
三上先生、7年半ありがとうございました!
(画像をクリックすると記事へリンクします)
2020.09.22
朝日新聞アピタル「少子化対策の失敗の本質~小児医療の現場から見えたもの」
IMG_0482-2 (Custom)
2020.09.21
令和2年度医療的ケア児支援コーディネーター養成研修~演習編
IMG_0416-2 (Custom)
2020.08.15
令和2年度医療的ケア児等支援者およびコーディネーター養成研修会

カレンダー

2023年3月
« 2月  
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031