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成育科ブログ

小児科学会旅日記~二つの日赤病院訪問

2014.04.14

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今週末は名古屋の小児科学会に行ってきました。今回は学会参加の他に大きな二つの目的があります。一つは昨年、電カル関連で見学させていただいた名古屋第一赤十字病院でSLEシリーズを中心とした人工呼吸管理に関してお話しさせていただくこと、もう一つは「光のNICU」で注目されている名古屋第二赤十字病院を見学させていただくことです。
学会2日目は早朝の会議に出席した後、地下鉄で名古屋第一日赤病院へ向かいます。この病院はなんと地下鉄駅と直結していて、「中村日赤」で地下鉄を降りるとそのまま地下道から病院に入ることができます。写真は地下道から見た病院入り口です。

人工呼吸管理勉強会の会場にはSLE5000もセットされていて、講義後に実機で実演できるようになっていました。内容はちょっと盛り込みすぎてしまい、予定をオーバーして90分以上かかってしまい、その後に実機での説明も加えて2時間以上になってしまいました。今回の内容はまた後日、このブログでも分割してご紹介してみたいと思います。

 

この後、学会場に戻って、夕方からは名古屋第二赤十字病院の見学会です。会場近くの地下鉄駅から向かいますが、実は名古屋第二赤十字病院も同じく地下鉄駅と直結されていて、車いすでもエレベータでそのままアクセスできるようになっています。写真は地下鉄からのエレベータを降りたところから見た病院です。名古屋市の都市計画の素晴らしさを改めて感じました。

名古屋第二赤十字病院NICU見学のご案内は新生児科の田中太平先生がして下さいました。田中先生は私が昔研修でお世話になっていた埼玉医科大学総合医療センターに勤務されていた先生で、ご一緒に働かせていただいたことはないのですが故小川雄之亮教授門下の兄弟子にあたる先生です。
写真はNICUの入り口です。壁面には退院されたお子さん達が書かれた絵や習字が飾られ、廊下のつきあたりにはステンドグラスが飾られています。このステンドグラスの色はそれぞれのガラス自体の発色によるものだそうで、内窓の内側・外側にそれぞれ貼り付けてあります。この窓はちょうど真西を向いていて、季節によって夕陽の入り方が異なるそうです。また入り口の左手のちょっとした空間は天井から色んな形が投影されていて目を楽しませてくれます。



この写真はGCUです。もともと天井が低ことからその圧迫感を何とかしたいと言うところが今回のヒントになったそうです。照明は調光可能なLEDが全て間接照明となっており、日中では300ルクスもあるそうなのですが、全くそんなに明るいとは感じませんでした。田中先生は今回の改修に際して、照明に関して徹底的に勉強されたそうで、今回の見学会でも聞いたこともない専門用語がポンポン飛び出します。

夜は照明をさらに下げるそうで、実際に少し暗くしてみていただきました。写真だとちょっと分かりにくいかも知れません。

こちらはNICUです。天井の照明がまるで天の川のように波打っています。こうした形も圧迫感を少なくする工夫のようです。

LEDライトによる間接照明は乳白色のアクリルよりも熱に強いポリカーボネイトのボードで覆われており、埃がたまらないように工夫されています。当院の工事でも間接照明を取り入れたいと考えたことがありましたが、この方法には全く思い至りませんでした。

さらに天井は間接照明によって照らされた明かりが反射しにくいようにつや消しされており、通常であれば金属面が露出する換気用フィルターカバーにまで同じ塗装がされていると言うこだわりです。

これは人工の窓で、外の景色を見ることなくこの世を去られる赤ちゃん達のために作った部屋に設置されています。

この他、写真にはありませんが、当直室や仮眠室、トイレに至るまでいたるところに照明による「癒やし」を感じることができます。最も最先端の照明技術があらゆるところに採用されたNICUですが、その根本には赤ちゃんやそのご家族、さらに働く者の立場まで熟慮された上での設計理念が明確に伝わってくるNICUでした。

名古屋第二赤十字病院NICUはマスメディアでも注目されています。
以下にYou tubeのリンクをご紹介します。
「光あれ…新生児集中治療室は今…。命の最前線で戦う医師…病室を安らげる場所に」

今回、人工呼吸管理の勉強会でお招き下さった名古屋第一赤十字病院の大城先生、「光のNICU」を見学させていただいた名古屋第二赤十字病院の田中先生、ありがとうございました。

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