2014.05.16
当科にまた新たな人工呼吸器がやってきました。
Servo-iと言う機種で、この人工呼吸器自体は汎用機として広く使われている機種ですが、新たにNAVA(Neurally Adjusted Ventilatory Assist)と言う全く新たな呼吸モードを搭載しました。
このNAVAと言うのは、横隔膜の神経信号(横隔膜活動電位:Edi)を直接検知して換気補助を行う自発呼吸モードで、当科で頻用しているステファニーのPAV(proportional assist ventilation)が自発吸気フローに比例した補助を行うのと同じようにNAVAではEdiの強さに比例した大きさの換気補助を行います。従来の人工呼吸器は患者さんの吸気努力を口元のフローとして検知してから、それを人工呼吸器へフィードバックさせて換気補助を行っていましたが、NAVAは横隔膜活動電位自体を検知するので、より理想的な人工呼吸管理が期待されます。
横隔膜活動電位の検知には食道内に栄養チューブを兼ねた専用のカテーテルを挿入し、そこで電位を検知させます。
患者さんの自発呼吸がしっかりしている時にはEdiもしっかりしていますが、無呼吸になるとEdiは平坦になってしまいます。
患者さんの自発呼吸の強さに比例した換気補助を行うと言う点ではPAVとかなりの共通点があります。今後、NAVAは新生児領域でも徐々に拡がっていくと期待されますが、従来式の従来式人工呼吸器とはかなり使い方が異なりますので、その点ではかなり以前からPAVを使いこなしてきた当科だからこそ、NAVAの導入に際しては他施設よりアドバンテージがあるのではないかと考えています。より赤ちゃん達に優しい人工呼吸管理が実現することを願っています。