2014.12.22
周産期医学12月号 の特集は「最新版 新生児呼吸管理」で「呼吸管理の実際 VGとMMV」について執筆させていただきました。
これまで、このホームページでも新生児の人工呼吸管理に関してはあれこれ書いてきましたが、中でも今回の内容は 「早産児の人工呼吸管理Part6」 と 「第50回日本周産期・新生児学会~ステファニー編」 の中でご紹介させていただいた内容をブラッシュアップしたものになっています。
VGは患者の呼吸努力と人工呼吸器から供給される圧との関係でみると、呼吸努力に比例した圧を供給するPAVやNAVAとちょうど真逆の動きをする換気モードと言えます。PAV・NAVAは呼吸努力が乏しくなる時に弱点があり、VGはその逆に呼吸努力が強すぎる時に弱点があります。
こうした観点からMMVを捉え直すと、MMVは呼吸努力に乏しい時にはVGで作動し自発呼吸が十分ある時には通常のPSVになるので、その意味ではMMVはVGの弱点を補う呼吸モードと言うことができます。
一方、最新型のステファニー(現在、日本国内では販売されていません)では、minimumVGと言う機能があって、自発呼吸が乏しい場合に最低限の換気量を補償してくれます。このように一口にVGと言っても、実はその先の進化型が既に世の中に出回っていると言う見方ができるのではないかと考えています。