2015.02.22
今回の信州フォーラムではポスターセッションで「閉鎖式吸引カテーテルアダプタ一体型EtCO2アダプタの開発」と題して発表させていただきました。これは、今から遡ること約3年。EtCO2の測定には現在のようにいくらセンサーを小型化しても死腔量の軽減には限界があると感じており、それならば閉鎖式吸引カテーテルのアダプタ部分と一体化してしまえば大幅に死腔量が軽減できるのではないか?、そして最も患者さんに近い場所での計測が最も正確な呼気終末のEtCO2値となるのではないかと考え、日本光電の担当の方にかなりご無理を言って一体型のアダプタを開発していただきました。ただ、実際の患者さんでの測定は当院のような市中病院では難しいことから、札幌医科大学の小林正樹先生にお願いして倫理委員会でのご承認をいただいた上で臨床データを取っていただきました。
総死腔量では従来型と比較して約1/3程度の改善に過ぎませんが、実際にセンサーを取り付ける計測部分までの死腔量として比較すると従来よりも約7割ほど死腔量を削減することが可能となりました。EtCO2の計測部位は挿管チューブとの接続部の直上に位置していますので、これ以上近くで計測するのは不可能です。これまで計測しきれなかった非常に体重の小さな赤ちゃん達で、しかも経皮CO2モニターを貼るのも憚られるほど皮膚が脆弱な時期にはかなりの威力を発揮するのではないかと期待しています。
実際の販売までは多くのハードルがありますが、なんとか臨床現場で使用できるところまで行ってくれればと願っているところです。写真はポスターセッション終了後に日本光電の担当の方達と一緒に。