2015.12.19
今週末は毎年この時期に開催される青森県周生期医療研究会がありました。
今回はNICU看護師さんの大村さんが「青森県立中央病院における早産児の早期発達支援 実践報告2~中心静脈栄養管理中の児の外反予防と内反足に対するポジショニング~」と題して、主にPIカテを下肢から挿入している赤ちゃんが腹臥位管理されている際に外反になりやすい点を、あすなろ療育福祉センターのPT・OTスタッフの方と一緒に対策を検討した内容を発表して下さいました。
弘前大学の医学生である成田先生からは「高齢出産と難産の関係」と題した発表がありました。個人的にもこれまで低出生体重児の増加が高齢出産の増加が影響していると発表したりしていましたので、とても興味深く拝聴しました。サブタイトルも絶妙ですね。参考までにこれまでの低出生体重児と母体年齢関連の記事のリンクを以下に貼っておきます。
東奥日報連載8回目 低出生体重児の出生数増加の理由は?
第60回日本新生児成育医学会 少子化シンポジウム
極低出生体重児の母親年齢を多い順に並べると?≫回答
今回はこの他、当院産婦人科の森川先生が「青森県立中央病院総合周産期母子医療センター開設10周年を過ぎて」と題して、過去10年分の産科側の統計を発表されました。
さらにNICUからは当科の三上先生が、特別講演に宮城県立こども病院脳神経外科の白根礼造先生をお迎えしていることもあるので「当院NICUにおける過去5年間の脳神経外科紹介症例の報告」と題して、過去5年分のまとめを発表してくれました。
そして特別講演は宮城県立こども病院脳神経外科の白根礼造先生から「周生期中枢神経疾患の脳神経外科的対応」と題してお話しして下さいました。豊富な症例をご紹介いただきとても勉強になりましたが、なによりも、脊髄髄膜瘤など、先天性の中枢神経性疾患は発生数としても極めて稀なので、やはり集約化などによって専門医による治療が行われることが望ましいことを改めて実感しました。超低出生体重児であれば県単位での集約でも診療成績の維持は可能ですが、さらに稀な疾患の場合には診療圏域をさらに拡大していかなければ診療の水準維持が困難であることは明白です。ご講演の最後に「いつでもご相談下さい」と言って下さり、とても心強く感じました。
研究会の後は懇親会で色々お話を聞かせていただきました。これを機に、もっと密な連携を取らせていただければと思います。ご多忙のところ青森までお越し下さりありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。