2016.02.12
先月、 青森県立保健大学でペリネイタル講義 として、看護・助産とは別枠で新生児・周産期医療と社会との関わりのようなことに関して毎年講義させていただいています。内容としては、
・日本の少子化問題の背景
・少子化なのになぜ低出生体重児が増えてNICUが足りなくなるのか?
・小児在宅医療と母親の就労の問題に関して
・新生児医療における看護体制の問題~特に「一人飲み」問題に関して
・産科病棟の新生児の扱い~母親の付属物としての扱い
・女性の年齢別労働力率におけるM字カーブの問題
等々、まもなく看護師・助産師として社会に出て、周産期医療に関わるであろう彼女たちが近い将来直面するであろう現実に関してお話ししました。
先日、この講義を受講された学生さんから感想をいただくことができましたのでご紹介させていただきます。
今回の講義では受講生が全員で28名でした。この中で最も学生さん達が汗疹を寄せてくれたのがGCUにおける「一人飲み」問題に関してで、28名中19名の学生さんが「最も印象に残った」と書かれていました。やはり看護師さんがひとりで9-10人もの赤ちゃんを看護しなければならず、コット上の赤ちゃんが「一人飲み」している写真はそれだけ衝撃が大きかったのでしょう。「驚きだった」「衝撃を感じた」と言う表現も数多くみられました。
しかし、学生さんひとりひとりの感性が異なるように、関心事もこのほかにもさまざまでした。
「妊娠と仕事の関係、経済面での問題」
「障がいを持つ母親の就労」
に関心を寄せてくださった学生さんもいらっしゃいました。
こうして学生さんからの生の声が聞けることはとても励みになります。また、今後もさらに内容を毎年ブラッシュアップしていきながら、多くの学生さん達がこれから歩み出そうとしている社会の問題点に関して関心を持っていただく機会となればと思っています。