2017.02.19
昨年の大阪で開催された日本新生児成育学会 、そしてさらにその前の 一昨年の信州フォーラム でも発表した一体型EtCO2アダプタをついにこの信州フォーラムでもセッションとして発表させていただくことになりました。
人工肺サーファクタント・HFOなど、新生児医療の歴史の中でも医療を格段に進歩させる場面をこれまで何度か見てきました。そこまでのインパクトはなくても、例えばBabylogもデビューしたての頃はリークに弱いのが弱点でしたが、その後のマイナーチェンジではその弱点が克服されていました。今回のお話も、まあそこまでとはいかなくても、ひょっとしたらこれから先の急性期医療を大きく変えるかもしれない新たなデバイスの登場というお話になればと思っています。
EtCO2は単にCO2のモニタリングに留まらない様々な情報を得ることができます。ただ、最大の難点が死腔量の増加です。
この死腔量をなくして、さらにできるだけ患者さんの口元近くで計測することができれば、それが何より理想的なはずです。
そこで、従来使用している閉鎖型気管内サクションカテーテルアダプタとEtCO2アダプタを合体させることで、その死腔量を最小化することができないかと考えたのが今回の一体型アダプタです。スライドは本当にベタで申し訳ないです。
実物はポケットに忍ばせておいて、手に取って見せたつもりでしたが、頭のハレーションとかぶってしまったようです(-_-;)
ちなみに今回のプレゼンは、実はスティーブ・ジョブズが2005年にiPod nanoを発表したときにジーンズの小さい方のポケットから取り出してみせるのをちょっと真似てみました。似ても似つかなくて、きっと誰も気が付かなかったとは思いますが・・・・。一度これをやってみたかっただけです。
一体型アダプタの死腔量は2.9mlと、閉鎖式吸引カテーテルアダプタの死腔が約2.0mlなので、それでも少し多めですが、、まだまだ死腔量は減らせるので、最終的にはほぼ同程度まで行けるのではないかと思います。
なんとかこのアダプタが正式な製品となって、特に体重の小さな赤ちゃんたちの人工呼吸管理に少しでも役に立ってくれる日が来ることを願っています。
このアダプタ開発にご協力くださった日本光電の皆様に心から感謝申し上げます。
(文責 成育科 網塚 貴介)