2017.12.17
この週末は第27回千葉県周産期新生児研究会にお招きいただき、「NICUにおける母子分離軽減~日本における問題点と可能性~」と題してお話しさせていただきました。
今回は東京女子医科大学八千代医療センターが会場で、会場は大勢の関係者の方で一杯でした。
当日の研究会は二つのシンポジウムが企画され、前半が産科関連の話題で前期破水、特に週数の早い段階での前期破水への対処をどうしたらよいかに関して、続いて後半は「母子アタッチメントのためにできること」に関してのシンポジウムでした。シンポジウムはいずれも各施設それぞれの取り組みや考え方を発表した上で、お互いの考え方に関して熱い議論がなされていました。千葉県の周産期医療の熱気を感じました。今回の講演ではシンポジウムに続いて当院における後期早産児への直母外出を中心とした取り組みと、昨年春にオランダで見学させていただいたOLVG病院のご紹介を中心にお話しさせていただきました。
研究会が終わった後、佐藤雅彦先生にNICUをご案内していただきました。この渡り廊下はコードブルーの2ndシーズンで藍沢先生が走ったのだそうです。
NICUの入り口です。患者さんのご家族が待機できる場所がありました。
こちらがNICUでここだけで15床で、NICUとしてはもっとあるのだそうです。
実は今回のお話しをいただく前から八千代医療センターのNICUは是非見学したいと思っていた施設でした。それは、この施設は近藤乾先生の時代から人工呼吸管理には非常に詳しい施設で、しかもその後を受け継いだ佐藤先生は今や若手新生児科医の中で人工呼吸管理に関しては国内で一二を競う先生だからです。そして、中でも気になっていたのがnasalCPAPの使い方でした。案の定!nasalDPAPの流量は10Lと高めなのに、どの患者さんも酸素濃度は21%!。この設定の患者さんが沢山並んでいる光景を当院以外で見ることはとても稀なのです。と、そもそも母子分離軽減の講演で来たのに呼吸管理の方で密かに盛り上がっておりました。
NICUと産科病棟を見学させていただいている最中に講演を聴いて下さった助産師さんから、当院での成績との違いに関してあれこれお話しさせていただきました。NICU入院中の母子分離軽減は施設によって背景がかなり異なりますので、なかなかそのまま真似すると言うのは難しいのですが、少しでもご参考になればと思いました。むしろ施設背景を越えて一緒に考えて行くことで見えてくるものもあるのかも知れません。
日も沈み、懇親会へ向かいます。
実は懇親会の一次会の写真は取り損なってしまったのですが、こちらは二次会の様子です。一次会は凄く大きな会場に100人ぐらいの参加者がいらっしゃいました。懇親会になってもまたお互いに熱く語り合っている姿が印象的でした。
今回、お声がけいただいた佐藤先生とのツーショットです。
佐藤先生、千葉県の皆様、今回は本当にありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)