2018.01.15
保健大学で今年度もペリネイタル講義~その1 の続きです。ペリネイタル講義の2回目は周産期医療とは?と言うところから始まって
・周産期医療とは?NICUとは?
・ファミリーセンタードケア~家族を育てるNICU
・NICUと退院したお子さん達の発達とフォローアップ
・小児在宅医療の問題点
などの、新生児医療を取り巻く問題をお話しさせていただきました。
今年も「コウノドリ」の話題から入ってみました。
まずは神奈川県立こども医療センターの豊島先生のスライドを拝借させていただきました。この後も神奈川県立こどもの写真や豊島先生のスライドが度々登場します。
こちらはドラマ「コウノドリ」での神奈川こどもでの撮影風景の写真です。
これから小児・周産期医療に関わることになるであろう学生さん達には赤ちゃんがNICUに入院された時のご家族の気持ちをまずは少しでも知ってもらいたいと思いました。
その材料として「コウノドリ」は非常に優れていますので、今回は「コウノドリ」の1stシーズンの第4話を中心にお話ししてみました。この第4話では在胎21週の妊婦さんが突然破水して受診するところから始まります。結婚して10年でようやく授かったお子さんで、なんとしても助けて欲しいとお父さんがコウノドリ先生にすがりつきます。しかも、人工妊娠中絶が認められているのは21週までなので、赤ちゃんを究明する方針とするか否かの結論を1両日中に出して欲しいとお伝えします。
赤ちゃんを救命する方針で帝王切開で出生しますが、お父さんはそのあまりの小ささにほとんど言葉を失い、「お願いします」というのがやっとでした。
NICUで今橋先生から赤ちゃんの今後のことに関してあれこれ説明がある中、お父さんの口から「この子にあれが何かしてやれることってないですか?」と問いかけます。この後、今橋先生はお父さんに保育器の中に手を入れて赤ちゃんに触ってみることを勧めます。このお父さんの言葉にこそファミリーセンタードケアの原点があると感じるシーンでもありました。
ファミリーセンタードケアと言えばウプサラ大学NICUですので、ご家族をエンパワーするケアの考え方をウプサラ大学の動画を例にとってご紹介してみました。最後の方にスマホで見やすいようにQRコードも貼っておきました。
こちらはコミックの「コウノドリ」でコウノドリ先生が「NICUは赤ちゃんの病気を治す場所ではありません」と話すシーンです。
この場面はドラマでは今橋先生が取材に来た記者の方にお話しする場面で同じことを言っていました。
ここまで周産期医療・新生児医療のお話しをした後は、退院後に続く生活に関してもお話ししました。
内容がついつい盛りだくさんになってしまい学生さんには消化不良だったかも知れませんが、少しでも新生児医療と、その先にある様々な背景に少しでも興味を持っていただければと思っています。
(文責 成育科 網塚 貴介)