2019.08.31
8月下旬の週末には青森市内で医療的ケア児支援看護フォーラムが開催され、今年2月に視察させていただいた岐阜県重症心身障害在宅支援センター「みらい」の市川百香里さんをお招きして「医療的ケア児支援者への支援」と題してご講演していただきました。
会場は8月に医療的ケア児コーディネーター養成研修会でも会場となった県民福祉プラザです。
看護フォーラム当日は市川さんの前座として、青森県内の医療的ケア児支援の現状に関して少しだけご紹介させていただきました。
重症心身障害在宅支援センター「みらい」は岐阜県としての事業の一部で、小児在宅医療の患者さんやそのご家族と医療機関や訪問看護ステーションと連携しながら支援したり、人材育成やネットワーク作りなどの活動を行われている組織で、家族支援専門看護師である市川さんが中心となって活動されています。
2月の視察の際、市川さんから直接お話しをうかがっていく中で、青森県で今後の医療的ケア児支援体制構築を考える時、個人的には「支援者への支援」が鍵となるのではないかと感じました。例えば、これまで赤ちゃんの医療的ケア児を扱ったことのない訪問看護ステーションの方や、医療的ケア児を預かったことのない保育園や放課後デイサービスなど、どこの施設でも初めての例を受け入れるには非常に精神的なハードルが高いのが現実だと思います。そのハードルをいかにして下げるか?その鍵こそが「支援者への支援」であり、市川さんは事実上のその実践者であるのだと思います。
市川さんは出前講習や同行訪問指導をされていますが、これは最初から現在の形だったわけではなかったそうです。「みらい」が開設され、実際に地域に出向いてみてはじめて気がつくことがかなり多かったそうで、支援を継続していく過程で「欠けていたピース」が明確になっていったようです。このことは、支援体制構築の過程で「次の課題」が次第に明らかになって行くと言うことかと思います。
市川さんのお話は2月の視察時にもうかがってはいましたが、今回、あらためてまとまった形でお話しをお聞きすることができて、また多くのことを学ばさせていただいたように感じました。市川さん、遠路ありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)