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成育科ブログ

2019.12.15

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12月12日(木)には山梨周産期医療懇話会で山梨県立中央病院にお招きいただきました。実は山梨県は人生初上陸でした。2014年に信州フォーラムの帰りに大雪に見舞われ、長野県の大町市から車で東京を目指して遭難しかけたことを書きましたが(2014年2月 信州フォーラム旅日記 番外編)、その時に到達できなかったのが山梨県でした。
甲府に向かう特急の車中から富士山山頂のあたりが顔をのぞかせていました。もうほぼ夕暮れでしたので山頂部分だけほのかに赤みが差していました。
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今回お招きいただいたのは山梨県立中央病院の内藤先生で、今年6月に自治医科大学で開催されたハイリスク児フォローアップ研究会で、たまたま同じグループになったのがご縁で意気投合して今回のお話となりました。
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今回は「新生児医療のその後を支える」と題してお話しさせていただきました。
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最初に青森県の周産期医療のこれまでをご紹介した上で、超低出生体重児のほとんどが救命されるようになって一方で、様々な後遺症を持ったり、後遺症と言えるかは別として様々な支援を要するお子さんがたくさんいる中で、それは医療的ケア児も含めて、どのように支えて行くのかをあれこれお話しさせていただきました。

特に最近、思うのが「Intact Survival」とは?と言う点です。
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今回の鹿児島の学会のメインテーマも「Intact Survival」で、この言葉はこれまで新生児医療に関わる全ての者にとっての合い言葉のようなものなのではないかと思います。しかし、退院後の支援をしていく中で、何が「Intact Survival」で何が「Intact Survival」ではないのかの線引きがもはや困難になっているような気がしています。
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私たちは「Intact Survivalか否か?」を心のどこかで切り分けようとしていたのではないか?そんな気がしてきています。
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脳室内出血やPVLがなければIntact Survivalなのか?1歳半ぐらいで立って歩いて喋ることができればIntact Survivalなのか?満3歳の新版k式発達検査でDQ85以上あればIntact Survivalなのか?そんなことを自問自答してきました。
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そこで辿り着いてのが、従来の「Intact Survival=健常児」と「障害児」は分離が困難であり、両者には「連続性」があるのではないか?「Intact Survival」は成長の結果としてはじめて実現されるものであり、「Intact Survival」の実現には「適切な時期」に「適切な環境(療育・支援)」が必要だと言うことを述べさせていただきました。
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そして、このことを足がかりにして、医療的ケア児支援まで考えを拡げると、医療的ケア児支援こそがおそらくはNICU退院児支援の最難題であり、その支援体制構築が、おそらくはその他のお子さん達への支援にもつながるのではないかと言うのが最近考えています。本当はこの間に医療的ケア児支援構築のための家庭がごっそりあるのですが、これはまた別の機会にご紹介したいと思います。
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懇話会が終わり、山梨県立中央病院を後にします。
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懇親会での集合写真。手に持っているのは、今回記念にいただいた甲府の伝統工芸である「印伝」による名刺入れです。
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とても高級な革細工で、これまで持っていたアルミケースの名刺入れとは比較になりません(^^;)
実は、ホテルがこの印伝の本店と近かったので、早速お財布も買ってきました。こちらは根本先生の名刺入れとおそろいの柄にしました。
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翌朝はその後に武田信玄ゆかりの武田神社にお参りしてきました。
内藤先生、根本先生、山梨県の皆さん、ありがとうございました。
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(文責 成育科 網塚 貴介)

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2019.11.23

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11月22日(金)に大阪発達総合療育センターの船戸 正久先生をお招きして災害時における医療的ケア児支援に関する講演会を開催しました。
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会場は県民福祉プラザで一番大きな県民ホールです。
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船戸先生の熱いお話が始まります。
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以前もご紹介したように、大阪では普段から小児在宅医療の患者さんが日常の活動の中で把握されており、大阪北部地震や台風21号のような災害時にも平時の延長線上として対処されたとうかがっています。今回のご講演では災害時小児周産期リエゾンも含めて災害対策の大枠からお話しして下さいました。
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大阪では2016年4月に発生した熊本地震を受け、2017年7月に在宅医療的ケア児の緊急レスパイト訓練が行われたそうです。熊本地震では、福祉避難所ではなく平時から機能しているネットワークが中心となって避難が必要な在宅重症児を施設に緊急レスパイトしたそうで、この訓練もその経験を踏まえてのことだそうです。
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大阪ではこの訓練の翌年の6月に大阪北部地震が発生し、さらに9月には台風21号にも襲われます。前年の訓練の反省を活かし、さらに実際の災害対応の反省も活かしながら、大阪における災害対策が進化している様子がとても印象的でした。
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特に台風21号では広範囲で長時間の停電があったため、緊急レスパイトには従来の入院・入所だけではなく、空床がなくても電源と場所の確保だけでも対応するなどの柔軟さが求められると言うご指摘もその通りと感じました。
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講演会が終了し、船戸先生を囲んでの懇親会を終えての集合写真です。この翌日には生命倫理に関する講演会もあり続いてご紹介します。実は、今回の災害時のご講演は、最初に生命倫理のご講演の企画があり、そこに船戸先生をお招きするのであれば災害時のご講演もお願いしなくては!と言うことで実現に至りました。特に本県のようにレスパイトに事欠くような状況が災害時においてもリスクとなると言う点において大阪での取り組みはきっと参加された県内関係者にも大きな影響を与えたことと思います。船戸先生、ありがとうございました。
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(文責 成育科 網塚 貴介)

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2019.11.21

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昨年度、県の新規事業として新たに開催された医療的ケア児コーディネーター養成研修会(正確には青森県医療的ケア児等支援者養成研修及び コーディネーター養成研修会)を受講された皆さんを対象としたフォローアップ研修会が今年2月5月には弘前市でも開催されましたが、その第3弾として、今回は八戸市内でコーディネーター研修会を有志の皆さんが開催して下さったので参加してきました。今回は2017年に八戸市で開催された「在宅ケア全国の集い in はちのへ」の時に会場にもなっていた八戸ポータルミュージアム“はっち”でした。

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この施設はミュージアムと言うだけあって、訪れる度に違った展示がされています。
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フォローアップ研修会も回数を重ねてきたこともあり、皆さん、和気あいあいな感じです。
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最初に中心メンバーである清水さん、成田さんと八戸市民病院の奥寺さん達からの講義や説明の後、参加者により事例検討のワークショップが行われ、最後にまとめを発表したりとなかなか濃い内容でした。最近、こうして福祉職の皆さんとご一緒することが増えてきており、知らないことばかりで非常に勉強になります。
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フォローアップ研修会終了後の集合写真です。
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研修会終了後は恒例の飲み会です。これもまた毎回楽しみにしています。今回は地元のサッカークラブであるヴァンラーレ八戸のサポーターをされている方のお店だったこともあり、独自開発されたチームカラー色のビールも美味しくいただきました。
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最後に代表の清水さんからのご挨拶があり、次回は年明け3月に当院で開催する方向となりました。
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さて一夜明けて、翌日は八戸駅から新青森を通過して、青森県小児保健協会学術集会に参加するため弘前市へ向かいました。今回は講演で「青森県における医療的ケア児支援体制構築の現状と課題」と題して、現在までの医療的ケア児支援における取り組みの現状を中心にお話しさせていただきました。少しずつですが支援の輪が拡がっていることを感じられた週末でした。
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(文責 成育科 網塚 貴介)

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2019.10.20

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先日もご案内しましたが、10月第2週の週末には令和元年度青森県医療的ケア児支援シンポジウムが青森県立保健大学講堂で開催されました。今回は基調講演として今年2月に視察させていただいた岐阜県の寺澤大祐先生をお招きし、岐阜県における医療的ケア児支援の取り組みに関してお話ししていただき、また今回のシンポジウムでは県内で実際に医療的ケア児支援に関わられている皆さんからは「医療的ケア児の支援者が抱える現状と課題」をテーマとしてお話ししていただきました。

会場の青森県立保健大学講堂です。
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寺澤先生のご講演が始まります。
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寺澤先生のご講演の冒頭です。
「救ったいのちを 救いっぱなしにしない」
これは特に新生児医療に関わって来た身としてはやはり共通の思いです。明確なメッセージが伝わってきます。
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それにしても岐阜県の予算規模の大きさには驚かされました。
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寺澤先生は岐阜県における重症心身障害児支援に関して今日に至るまでの過程を細かくお話しして下さいました。岐阜県ではものすごく多くの支援事業が立ち上げられていますが、そこに至る過程では、やはり地域における患者さんと資源の調査に始まり、地域作り・人作りと、各事業の開始年度を見ていると、そうした支援体制の進展が非常にわかりやすく感じました。
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基調講演に続いて、シンポジウムでは県内各地の支援者の皆さんからのご発表になります。
シンポジストは
龍崎 洋子さん(幼保連携型認定こども園サンフラワー保育園園長)
一戸 由佳さん(特定非営利活動法人ありんこ理事長)
南 輝美さん(青森県訪問看護ステーション連絡協議会副会長)
島貫 玲奈さん(青森県立浪岡養護学校看護師)
蝦名 美穂さん(七峰会総合福祉相談支援センタービリーブ相談支援専門員)
の5名の皆さんです。
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今回のシンポジウムでは医療的ケア児の支援者の皆さんが抱える課題や困難さを中心にお話ししていただきました。龍崎さんと一戸さんは事業こそ違いますが、同じくお子さんを預かるご施設です。ご両者とも、医療的ケア児を預かる使命感でここまで頑張ってこられている熱意が伝わる一方で、経営面は非常に厳しく、逆にえばその熱意なくして施設の維持が極めて困難であることを明確にお話しされていました。以前から経営の大変さは伺ってはいましたが、実際は想像を超えており、何らかの補助なしでは今後の医療的ケア児への支援拡充は困難だとも感じたご発表でした。

ちなみに、今回のシンポジウムでちょっと気がかりなことが・・・。
これまで、医療的ケア児シンポジウムや主たる会議も含めて地元のメディアの方が必ずどなたか参加されていましたが、今回は何と地元メディアとしては一カ所も取材参加がありませんでした。医療的ケア児支援の充実はその事実が県内に広く周知されてこそ実現が可能なはずです。メディアからの注目が薄れていくことに対しては非常に強い危機感を抱きました。

シンポジウム後には寺澤先生を囲んでの懇親会を開きました。コーディネーター養成研修会でご一緒した皆さんなど、現在、県内で医療的ケア児支援に関わっている主立った皆さんとゆっくりお話しする機会ともなりました。
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こちらは懇親会の二次会です。寺澤先生とのお話は尽きることなく非常に勉強になった一日でした。寺澤先生、参加された皆さん、お疲れ様でした。
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(文責 成育科 網塚 貴介)

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2019.10.12

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10月最初の週末は札幌市内で開催された日本小児神経学会主催の医療的ケア研修セミナーに参加してきました。

久しぶりに千歳空港に降り立つと目に飛び込んできたのがこの広告。「そう言われてもなぁ~」と心の中でつぶやきつつ札幌駅に向かいます。
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札幌市内に到着し、早速、翌朝からの研修セミナーの会場のある北大構内を下見に行ってきました。かなり久しぶりの北大正門前です。
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この辺は、大昔に浪人時代に北海道大学図書館に勉強しに来てた頃によく歩いていました。そんなことだから何浪もするんですが・・・。
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有名なクラーク像です。
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やっぱり北大構内はただただ広いです。
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会場となる学術交流会館の会場を確認しました。札幌駅から歩いてすぐのところなので、駅周辺に宿泊していれば徒歩圏の非常に便利な場所でした。
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前日の下見が終わって当日の朝、会場に到着しました。
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今回の研修セミナーの会長は国立病院機構八雲病院小児科の石川悠加先生です。石川先生は札幌医大の先輩ですが、実は高校が同期で高校時代は隣のクラスでした。おそらく理数系の科目の時には同じ教室で授業を受けていたはずです。
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当日の研修セミナーでは、午前の部では、呼吸補助を要するお子さんへの支援に関して、胃瘻の管理と注意点、作業療法士の先生からは呼吸・嚥下・消化管運動に配慮した学習環境の設定に関して、午後からは主に教育現場における学校看護師が話題の中心で、内容の濃いセミナーでとても勉強になりました。

研修セミナーが終わって石川先生とご一緒に。
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今回のセミナーで、札幌市内の特別支援学校で、学校看護師さんが8名も配置されているとお聞きしてびっくりしていました。青森県内ですと、最も医療的ケア児の多い特別支援学校でも3名がやっとの状況です。実は、全国の特別支援学校で、どの程度の看護師配置が適正なのかに関して、さらにはどこの都道府県でどの程度の配置がされているかに関してまとまった情報がないことも、今回のセミナーで分かったのは大きな収穫でした。

石川先生、参加された皆さん、お疲れ様でした。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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ブログ更新情報

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(画像をクリックすると青森県庁ホームページへリンクします)
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