2017.11.26
この週末は韓国周産期学会のために今年6月の人生初の訪韓に続き、また韓国に行ってきました。学会自体はソウル市内なのですが、その前に釜山大学Yangsan病院を見学させていただきました。青森から韓国へは仁川行きであれば直行便がありますが、今回の釜山行きは新青森から新幹線、東京から成田エクスプレス、成田から釜山と言う経路で、約9時間の移動となりました。
成田空港です。ここは何度行っても迷ってしまいます。

ようやく釜山行きのゲートまで辿り着きました。

釜山の朝です。

朝一番で釜山大学Yangsan病院に向かいます。

このキャラクターはポロロと言って韓国の子供達には大人気なんだそうです。

小児病棟らしいエントランスです。

釜山大学Yangsan病院の新生児科医師は向かって右手のHan先生を含む若い女性医師2名だけで、あとは短期で交代するレジデントだけなのだそうで日々奮闘されているご様子でした、呼吸障害の治療で難渋されている患者さんもいて少しだけですがご相談に乗ったりと、ほんのちょっとだけですがこれも草の根の国際交流なのかなと感じたりもしました。

Yangsan病院を後にして、お昼はサムゲタンをいただきましたがこれがまた美味でした!

こちらは釜山のビーチです。韓国第2の大都市でありながら温暖なリゾート地でもあり、とても素敵なところでした。ビーチの横を少しだけ散歩してから、新幹線でソウルに向かいます。
(その2へ続きます)

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.10.29
10月28日(土)には釧路赤十字病院の兼次先生からお招きいただき、人工呼吸管理に関する講演をさせていただきました。兼次先生とは、かれこれ3年半ほど前、信州フォーラムからの帰り道で大雪に遭遇した時にご一緒し( 2014年2月17日 信州フォーラム旅日記 番外編 )、その後、兼次先生は神奈川県立こども医療センターへ国内留学されるのですが、そこで当院の伊藤先生や矢本先生と一緒に働かれたと言うご縁があります。
講演会が14時からと言うことで釧路へは前日に向かいました。青森から釧路へはもちろん直行便はありませんので、最短では千歳空港経由となります。千歳空港から釧路行きの飛行機に乗り換えて釧路空港へ到着です。飛行機に乗っている時間は、青森~千歳間も千歳~釧路間もいずれも45分ほどでした。乗り継ぎが良かったのでほんの2時間半ほどで着いてしまいました。


釧路空港に着くと丹頂鶴がお出迎えしてくれます。

釧路市には以前(かなり大昔に)、北海道の浦河赤十字病院に勤務していた頃、夏休みで千歳→旭川→富良野→然別→阿寒→釧路→帯広→襟裳岬経由で浦河へと言う1000kmほどの車での旅行で訪れて以来、30年近くぶりです。フィッシャーマンズワーフ周辺を懐かしく散歩していたら、次第に夕暮れになってきました。


この辺は夕陽がきれいなことでも有名で、幣舞橋周辺にはカメラを抱えた多くの方が夕陽を撮影されていました。以下はそこでの2コマです。今回はこの夕陽を撮れることを期待していいカメラを持っていきましたが、結局、以下のベストショットはいずれもiPhoneに軍配が上がってしまいました。


それから間もなくして、兼次先生が勤務されている釧路赤十字病院にお邪魔させていただきました。釧路赤十字病院は総合周産期センターとなっており、NICUは9床で、産科病棟はほぼ個室化されているそうです。

夜には産科の先生ともご一緒に懇親会を開いていただきました。大学は北大出身の先生が多いのですが、こちらも元々は北海道が地元なのでいろんなところでつながっていることを感じました。

翌日の午後から講演会が始まりました。内容はまた別の機会にご紹介したいと思っています。

講演を終えて釧路空港に戻ってきたらシマフクロウが待っていました。翌日に東京で会議が予定されているため、この日は羽田空港へ飛びました。

NICUを引退してまもなく2年になろうとしていますが、それでもこうして人工呼吸管理の講演依頼があることは本当にありがたいことだと思います。人工呼吸管理の講演も、これまで全国あちこちでさせていただきました。それでもさすがにそろそろ今回が最後かな?と思いながら羽田へ発ちました。兼次先生、釧路赤十字病院の皆様、ありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.07.17
先週末は 第39回日本呼吸療法医学会学術集会 1日目の第12回HFOVフォーラム『HFOVの臨床応⽤,新⽣児から成⼈まで』で「超低出生体重児におけるHFOV~CLDへの対処を中心に」と題してお話しさせていただきました。



今回は新生児から成人までと言うことで、演者には国立成育医療研究センターの甘利昭一郎先生が「先天性横隔膜ヘルニアでのHFOV」に関して、JA広島総合病院の櫻谷正明先生が「成人急性呼吸不全における本邦のHFOV治療成績と課題」に関して、それぞれご発表されました。


横隔膜ヘルニアの呼吸管理などしばらくしたことがありませんし、ましてや成人領域のHFOVなど全くの未知の領域です。それでも、シンポジウムでのディスカッションではそれぞれの分野の違いを踏まえた上で、横隔膜ヘルニアや成人の呼吸不全例でのHFOV不応例に関しての議論がとても興味深かったです。個人的にはHFOV不応例の原因として、特に健側肺もしくは肺の健常部分の過膨脹がその一因なのではないかという気がしました。急性期の人工呼吸管理ではすでに一線を退いた身ではありますが、どのような形で決着していくのかに関しては今後の行方を興味深く見守って行きたいとも感じました。

さて、翌日からは 第53回日本周産期・新生児医学会学術集会 なので、HFOVフォーラムが終了してすぐに横浜へ移動です。車窓からは憧れのみなとみらいがみえてきました。

この日は山下公園で花火大会があったそうで、眼下に横浜の夜景と花火を眺めていました。
翌日以降のご報告は次に続きます。


(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.06.07
NICUケアワークショップ2017 in Korea その1
NICUケアワークショップ2017 in Korea その2
NICUケアワークショップ2017 in Korea その3
と、韓国でのワークショップの様子をご報告してきました。今回のワークショップとSon先生のNICUを見学してひとつ大きく感じたことは、人工呼吸器モードとしての「PAVはまだ死んでいない!」ということです。

以前、 悲運の人工呼吸器~ステファニー物語 として、日本においてステファニーの定期メンテナンスが切れたことをご紹介しました。ステファニーは日本で唯一、PAV(proportional assist ventilation)が可能な人工呼吸器でした。しかし、日本での販売もメンテナンスも今は終了してしまっています。

しかし、広い世界の中で、たまたま不運に遭ってしまった日本一国での出来事でしかないのもまた事実です。現にお隣の韓国では新型のステファニーが活躍し、さらに先日のように人工呼吸器のワークショップでPAVに関しての活発な議論もされているのです。

日本国内では、すでにNAVAを導入する施設も増えて来ており、あたかもPAVは時代遅れのように捉えられている感がありますが(実際、学会の演台でもPAVの発表は当院を除けばほとんどありません)、特殊なセンサーを要するわけでもなく、ランニングコスト的にもNAVAより優れた点は多々あります(本当はもっとたくさんの利点がありますがここでは割愛します)。
それよりも、これからの人工呼吸器の方向性として、恐らくは様々なメーカーからPAVを搭載した機種が登場してくると考えた方が現実的なのではないかと言う気さえします。そして、グローバルでは、これからどんどん改良されたモデルも登場するのでしょう。現に、今や主力の人工呼吸器となっているBabylogVN500にもPAVと似たPPSと言うモードが搭載されています。
こんなことをなぜ突然書き出すのかと言えば、これからしばらくして日本国内でPAVの搭載された新型の人工呼吸器が登場したらどうなるのだろう?とふと思ったからです。今や日本国内のNICUでPAVを主力の呼吸器モードとして使っているのは当院ぐらいでしょう。新型の人工呼吸器にPAVが搭載されたからと、そこで慌ててPAVの勉強を一から始めて上手く使いこなせるのかとても心配です。とはいえ、当院ではまだまだ現役のステファニーも、いくら大事に使っていてもいずれ使えなくなるときが来るかも知れません。日本国内でPAVの臨床経験を積むことができるのもあとわずかなのかも知れません。このPAVに関する経験知がこのまま青森の地で埋もれてしまうのはとても勿体ない気がしています。そんなことを、今回の韓国でのワークショップに参加していて感じました。
と言うことで、当院では新生児科医師を常時募集していますので、ちょっとご興味があるだけも結構ですので、お気軽にご連絡いただければと思います。下のバナーをクリックすると当院のリクルートサイトに移動します。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.06.06
ワークショップの後、Son先生のNICUを見学させていただきました。

こちらがNICUの入り口です。


フラットパネルのX線写真撮影装置もありました。

NICUの中には、日本では日の目を見ることのなかったステファニーの後継機がたくさん活躍していました。


NICUの端の方にあるこの机がSon先生の仕事場なのだそうです。



器材庫には日本ではもはや幻の人工呼吸器となってしまったステファニーが沢山待機していました。この写真だけ見ると当院の器材庫を彷彿させられます。

NICUの書棚には日本の新生児関連書籍がずらっと!このほとんどをSon先生は韓国語に翻訳されているのだそうです。

Son先生を囲んで集合写真です。

Son先生のご施設は大学病院と言うよりも、街全体が病院群になっていて、建物ごとに病院としての機能も異なるのだそうです。日本ではなかなか考えられないスケール感でした。


Son先生はこれまで当院も含めて、日本国内の数多くのNICUを見学されてきました。「ここは○○病院のNICUと、ここは△△大学のNICUと同じです」と、これまで数多くの日本国内のNICUを見学されてきたSon先生だからこそ実現できたNICUと感じました。ある意味、Son先生のご施設こそ「オールジャパン」が集結したNICUなのかも知れません。そんなSon先生の思いや熱意をもの凄く感じたワークショップでした。Son先生、ならびにご参加された韓国の皆様、ありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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