
昨年の今頃、新生児科医として大先輩の先生方がNICUの一線を退かれた後、全国の赤ちゃん達とそのご家族を支えるために結成した赤ちゃん成育ネットワークにお招きいただき「『成育科』開設から2年~見えてきた課題と展望」と題してお話しさせていただいた内容が赤ちゃん成育ネットワークの会報に掲載されました。

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今回の会報には、NICU便りとして当院の池田先生の方からも当院NICUでの取り組みが紹介されました。

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文字が小さいので読みにくいかも知れませんが、それぞれの画像をクリックすると拡大表示されますのでご覧いただければと思います。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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9月末に東京で災害時小児周産期リエゾン研修に行ってきたことをご紹介しましたが、11月上旬に県庁で健康福祉部災害対策本部図上訓練が行われるとのお話しがあり、急きょ「災害時小児周産期リエゾン」として参加させていただけることになりました。集合時間よりもちょっと早く着いたらほぼ一番乗りで、部屋に入ったらすぐ目の前に「小児周産期リエゾン」と書かれた訓練着と座席が3人分用意されていました。

今回、一緒に訓練に参加することになった尾崎先生と松倉先生です。

訓練は実践を想定し、かなりの緊迫感を持って行われていました。何もかもが初めてでしたので勝手も分かりませんでしたが、逆に言えば、こうした経験なしに実際に災害が起こってしまっても実働的な活動をするのは難しいだろうとも感じました。

この日に訓練があることを知ったのがかなり日程的に近かったので、午後外来を休診にできず、この日は午前中のみの参加となりました。今後も機会があればいろんな訓練の場を経験したいと思いました。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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災害時小児周産期リエゾン研修の続きです。実は今回の研修会で、新生児の空路搬送(ドクヘリ搬送)に関しての話題もありました。
青森県では平成24年に県内2機目のドクヘリが当院を基地病院として導入されたのを機に搬送用保育器を用いた新生児のドクヘリ搬送を開始しています。当院に導入されてからかれこれ6年も経つので、もう全国的にもあちことで行われていると漠然と思っていました。
今回の講義の中で新生児のヘリ搬送に関しての現状報告があり、それによると、なんと!関東以北でドクヘリによる新生児搬送が行われているのは千葉県と青森県しかなく、基本的に新生児のヘリ搬送は西高東低の傾向にあることが示されました。

(周産期医療におけるドクターヘリの導⼊と運⽤体制の確⽴を⽬指した調査研究 より)
以下は、今回の講師である平川英司先生がまとめられた「周産期医療におけるドクターヘリの導⼊と運⽤体制の確⽴を⽬指した調査研究」の内容から引用してご紹介します。
全国にドクターヘリ基地病院数は 51 ヶ所 あって、これを周産期医療体制として見てみると、ドクヘリ基地病院となっている総合周産期⺟⼦医療センターは27ヶ所、地域周産期⺟⼦医療センターは20 ヶ所で、それぞれにおける新⽣児ヘリ搬送は総合周産期母子医療センターで14/27、地域周産期センターでは4/20でした。ドクヘリ基地病院になっている総合周産期母子医療センターでの新生児のドクヘリ搬送がまだ半分ぐらいの施設でしか行われていないのはちょっと意外でした。
またこの報告書では、青森県の特徴としてバックトラン スファーにも対応していることが挙げられていました。状態の安定した赤ちゃんをバックトランスファーでドクヘリ搬送する目的には、短時間搬送による新⽣児への負担軽減、搬送に付きそう新⽣児科医師の負担軽減に加え、新⽣児ヘリ搬送の周知が挙げられていました。新⽣児医療はその特殊さゆえに他科医師による代替が困難なため、例えば、突然生後間もない赤ちゃんをドクヘリで搬送しなければならない事態が生じても、それに対応できるのは結局新生児科医師しかいません。しかし、この新生児科医師が普段、全くドクヘリ搬送に関わっていないとどうなるでしょう?ここで言う周知とは、普段からドクヘリ搬送に関わるフライトドクターやフライトナースが搬送用保育器を用いた新生児搬送に慣れておくことと、普段はドクヘリに乗ることのない新生児科医師がドクヘリに慣れることの両方の意味から、安定した赤ちゃんの搬送を日常的に行うことによって、真にドクヘリ搬送が必要な赤ちゃんが発生したときにすぐに動けるようになることが真の目的となります。
これからドクヘリによる新生児搬送を導入する施設もまだまだありそうですので、是非、青森県での取り組みがもっと世間的に周知されてもいいのではないかと、慣れない分野の講義を聴きながらちょっとだけ誇らしく思えた瞬間でした。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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またしばらくアップが滞ってしまいました。9月中のことを少しまとめてアップします。
9月16日(日)~9月17日(月)の2日間、災害時小児周産期リエゾン研修のために東京に行ってきました。災害時小児周産期リエゾンと言うと、聞き慣れない方も多いかと思いますが、「コウノドリ」の21~22巻で紹介されていたので、そこで初めて知った方も多いのではないかと思います。
周産期医療の枠組みの中では、産科同士の母体搬送やNICUへの新生児搬送など、周産期医療の搬送システムが全国各地で整備されています。しかし、これらのシステムはあくまで平時のシステムであり、いったん災害が起こると機能しなくなってしまう恐れがあります。一方、災害時には災害派遣医療チーム(DMAT)等の仕組みが整備されてきましたが、これら災害医療に関わる医療従事者の多くは小児・周産期医療に関しては不得意な場合が多いと言われています。そこで、災害時においても妊産婦や新生児・小児の搬送が円滑に行うことを目指して誕生した新たな連携体制が災害時小児周産期リエゾンです。災害時小児周産期リエゾンでは、こうした搬送のみならず、例えば避難所における妊婦さんや生後間もない赤ちゃん達への目配せもその守備範囲となります。
朝の新宿です。

会場は最近話題になった東京医科大学です。

あれこれ道に迷いながらようやく会場に到着。

会場には全国から大勢の参加者が。小児科医・産科医だけではなく看護師・助産師に加えて行政の方が参加されている地域もありました。

初日の研修が終わった後の参加者懇親会です。そこで全国の皆さんやリエゾン研修の講師の皆さんとあれこれお話しする機会がありました。中には新生児科で顔見知りの先生も何人もいらっしゃいました。

懇親会が終わった後、東京都庁の横を通りかかりました。実物を見るのは今回が初めてなのかも知れません。なにやらラスボスでも召喚されてきそうな雰囲気です。

研修会の2日目はより実践的なシミュレーションが中心となります。実際に災害が起こったと想定して、自ら県庁に出向き、災害時小児周産期リエゾンである旨を本部に申し出るところから始まります。講義でもまずリエゾンの机を用意するのが最初の仕事と言われていました。
今回は新生児搬送担当リエゾンと言うことで役目をいただきましたが、結局、病院間の道中の道路状況を把握しきれず時間内に搬送を終えることができませんでした。やはりなかなか難しいものです。

研修会の最後には新生児医療連絡会事務局長で災害関連もご担当されている聖隷浜松病院の大木先生から新生児医療連絡会のシステムにかんしてのご紹介もありました。

これまで災害医療に関してはまとまった研修を受けたことがありませんでしたので、今回の研修会は非常に新鮮で勉強になりました。今回の研修会でどの講師の先生も口とそろえて訴えていたのが「平時からの備え」です。「備え」と言ってもいろいろあるのですが、実際にその場に際して最も大切なのが連携です。ただ、いきなり初対面同士で連携しろと言われても、簡単にうまく行くはずがありません。つまりここで言う「備え」とは、日頃からの訓練を通じての顔の見える関係であり、それがあってはじめてさらに進んだ「備え」ができると言うことを今回の研修会全体を通して感じました。この研修会だけで終わらせず、地元に戻ってからの活動が何より大切と感じた2日間でした。参加された皆さん、お疲れ様でした。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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8月最後の週末は、大学の同期会があって札幌に行ってきました。さすがに札幌は気温自体はそれなりでしたが湿度が低いのでとても爽やかです。

せっかく札幌に来たので、新しくなった札幌医科大学付属病院のNICUを見学させていただきました。

新しいNICUは従来の病棟に加えて建設された新棟にできました。

やさしいイメージの木のモニュメントが印象的なエントランスです。



新しいNICUです。NICUとして12床と、とても広くなりました。写真の手前と奥には個室的に使えそうなスペースが4~5床分ほどあります。きっとファミリーセンタードケアにも威力を発揮しそうです。

今回新たに導入された新型の保育器です。実物が動いているのを見たのはこれが初めてでしたが、とても使いやすい印象です。

この新型保育器にはいろんな機能が付いていて、画面ではちょっとわかりにくいですが、ここの部分に騒音計が付いていました。

こちらはGCUです。とてもすっきりしています。

こちらは点滴の調整のための部屋です。奥の方には無菌操作で点滴を調整する装置もありました。

シーリングペンダントの照明はとても柔らかな暖色系となっていました。この色合いだと夜間の印象もかなり柔らかな感じになりそうです。

小林先生と五十嵐先生と一緒に。小林先生は以前青森で、五十嵐先生もその前に道立小児病院に勤務していた頃に一緒に働いていました。とても懐かしい2人です。とても素敵なNICUが完成してとても嬉しく思いました。ますますのご活躍を祈っています。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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