2019.11.21
昨年度、県の新規事業として新たに開催された医療的ケア児コーディネーター養成研修会(正確には青森県医療的ケア児等支援者養成研修及び コーディネーター養成研修会)を受講された皆さんを対象としたフォローアップ研修会が今年2月と5月には弘前市でも開催されましたが、その第3弾として、今回は八戸市内でコーディネーター研修会を有志の皆さんが開催して下さったので参加してきました。今回は2017年に八戸市で開催された「在宅ケア全国の集い in はちのへ」の時に会場にもなっていた八戸ポータルミュージアム“はっち”でした。

この施設はミュージアムと言うだけあって、訪れる度に違った展示がされています。



フォローアップ研修会も回数を重ねてきたこともあり、皆さん、和気あいあいな感じです。

最初に中心メンバーである清水さん、成田さんと八戸市民病院の奥寺さん達からの講義や説明の後、参加者により事例検討のワークショップが行われ、最後にまとめを発表したりとなかなか濃い内容でした。最近、こうして福祉職の皆さんとご一緒することが増えてきており、知らないことばかりで非常に勉強になります。


フォローアップ研修会終了後の集合写真です。

研修会終了後は恒例の飲み会です。これもまた毎回楽しみにしています。今回は地元のサッカークラブであるヴァンラーレ八戸のサポーターをされている方のお店だったこともあり、独自開発されたチームカラー色のビールも美味しくいただきました。


最後に代表の清水さんからのご挨拶があり、次回は年明け3月に当院で開催する方向となりました。

さて一夜明けて、翌日は八戸駅から新青森を通過して、青森県小児保健協会学術集会に参加するため弘前市へ向かいました。今回は講演で「青森県における医療的ケア児支援体制構築の現状と課題」と題して、現在までの医療的ケア児支援における取り組みの現状を中心にお話しさせていただきました。少しずつですが支援の輪が拡がっていることを感じられた週末でした。



(文責 成育科 網塚 貴介)

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2019.10.20
先日もご案内しましたが、10月第2週の週末には令和元年度青森県医療的ケア児支援シンポジウムが青森県立保健大学講堂で開催されました。今回は基調講演として今年2月に視察させていただいた岐阜県の寺澤大祐先生をお招きし、岐阜県における医療的ケア児支援の取り組みに関してお話ししていただき、また今回のシンポジウムでは県内で実際に医療的ケア児支援に関わられている皆さんからは「医療的ケア児の支援者が抱える現状と課題」をテーマとしてお話ししていただきました。
会場の青森県立保健大学講堂です。

寺澤先生のご講演が始まります。

寺澤先生のご講演の冒頭です。
「救ったいのちを 救いっぱなしにしない」
これは特に新生児医療に関わって来た身としてはやはり共通の思いです。明確なメッセージが伝わってきます。

それにしても岐阜県の予算規模の大きさには驚かされました。

寺澤先生は岐阜県における重症心身障害児支援に関して今日に至るまでの過程を細かくお話しして下さいました。岐阜県ではものすごく多くの支援事業が立ち上げられていますが、そこに至る過程では、やはり地域における患者さんと資源の調査に始まり、地域作り・人作りと、各事業の開始年度を見ていると、そうした支援体制の進展が非常にわかりやすく感じました。

基調講演に続いて、シンポジウムでは県内各地の支援者の皆さんからのご発表になります。
シンポジストは
龍崎 洋子さん(幼保連携型認定こども園サンフラワー保育園園長)
一戸 由佳さん(特定非営利活動法人ありんこ理事長)
南 輝美さん(青森県訪問看護ステーション連絡協議会副会長)
島貫 玲奈さん(青森県立浪岡養護学校看護師)
蝦名 美穂さん(七峰会総合福祉相談支援センタービリーブ相談支援専門員)
の5名の皆さんです。

今回のシンポジウムでは医療的ケア児の支援者の皆さんが抱える課題や困難さを中心にお話ししていただきました。龍崎さんと一戸さんは事業こそ違いますが、同じくお子さんを預かるご施設です。ご両者とも、医療的ケア児を預かる使命感でここまで頑張ってこられている熱意が伝わる一方で、経営面は非常に厳しく、逆にえばその熱意なくして施設の維持が極めて困難であることを明確にお話しされていました。以前から経営の大変さは伺ってはいましたが、実際は想像を超えており、何らかの補助なしでは今後の医療的ケア児への支援拡充は困難だとも感じたご発表でした。
ちなみに、今回のシンポジウムでちょっと気がかりなことが・・・。
これまで、医療的ケア児シンポジウムや主たる会議も含めて地元のメディアの方が必ずどなたか参加されていましたが、今回は何と地元メディアとしては一カ所も取材参加がありませんでした。医療的ケア児支援の充実はその事実が県内に広く周知されてこそ実現が可能なはずです。メディアからの注目が薄れていくことに対しては非常に強い危機感を抱きました。
シンポジウム後には寺澤先生を囲んでの懇親会を開きました。コーディネーター養成研修会でご一緒した皆さんなど、現在、県内で医療的ケア児支援に関わっている主立った皆さんとゆっくりお話しする機会ともなりました。

こちらは懇親会の二次会です。寺澤先生とのお話は尽きることなく非常に勉強になった一日でした。寺澤先生、参加された皆さん、お疲れ様でした。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2019.10.18
先日、11月22日(金)の午後、大阪発達総合療育センターの船戸 正久先生をお招きして災害時における医療的ケア児支援に関する講演会を開催しますとお伝えしましたが、その翌日の11月23日(土)には、当院研修室において、あおもり母乳の会の学習会と、それに引き続き同会場で令和元年度周産期医療学習会を開催予定です。
あおもり母乳の会学習会では網塚が「少子化対策に欠けていたその視点と処方箋」と題して、周産期医療学習会では前日に続いて船戸正久先生から「周産期における生命倫理について」と題してご講演いただく予定です。以下のポスターをクリックすると申込書のPDFが表示されます。多くの方のご参加をお待ちしております。

(クリニックするとPDFが表示されます)
(文責 成育科 網塚 貴介)

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2019.10.12
10月最初の週末は札幌市内で開催された日本小児神経学会主催の医療的ケア研修セミナーに参加してきました。
久しぶりに千歳空港に降り立つと目に飛び込んできたのがこの広告。「そう言われてもなぁ~」と心の中でつぶやきつつ札幌駅に向かいます。

札幌市内に到着し、早速、翌朝からの研修セミナーの会場のある北大構内を下見に行ってきました。かなり久しぶりの北大正門前です。

この辺は、大昔に浪人時代に北海道大学図書館に勉強しに来てた頃によく歩いていました。そんなことだから何浪もするんですが・・・。

有名なクラーク像です。

やっぱり北大構内はただただ広いです。

会場となる学術交流会館の会場を確認しました。札幌駅から歩いてすぐのところなので、駅周辺に宿泊していれば徒歩圏の非常に便利な場所でした。

前日の下見が終わって当日の朝、会場に到着しました。


今回の研修セミナーの会長は国立病院機構八雲病院小児科の石川悠加先生です。石川先生は札幌医大の先輩ですが、実は高校が同期で高校時代は隣のクラスでした。おそらく理数系の科目の時には同じ教室で授業を受けていたはずです。

当日の研修セミナーでは、午前の部では、呼吸補助を要するお子さんへの支援に関して、胃瘻の管理と注意点、作業療法士の先生からは呼吸・嚥下・消化管運動に配慮した学習環境の設定に関して、午後からは主に教育現場における学校看護師が話題の中心で、内容の濃いセミナーでとても勉強になりました。
研修セミナーが終わって石川先生とご一緒に。

今回のセミナーで、札幌市内の特別支援学校で、学校看護師さんが8名も配置されているとお聞きしてびっくりしていました。青森県内ですと、最も医療的ケア児の多い特別支援学校でも3名がやっとの状況です。実は、全国の特別支援学校で、どの程度の看護師配置が適正なのかに関して、さらにはどこの都道府県でどの程度の配置がされているかに関してまとまった情報がないことも、今回のセミナーで分かったのは大きな収穫でした。
石川先生、参加された皆さん、お疲れ様でした。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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2019.09.22
8月に2日間にわたって行われた青森県医療的ケア児等支援者およびコーディネーター養成研修会に続き、9月には相談支援専門員さんを中心に、保健師さんや訪問看護師さんなど、地域において医療的ケア児への支援を総合的に調整する役割を担うコーディネーター養成のための研修会の演習編が青森県立保健大学を会場に開催されました。
初日は8月の研修会の振り返りとして、愛媛の西村幸さんの講義から始まります。

続いて、すでに青森県内の相談支援専門員で、一昨年の小さく生まれた赤ちゃんとご家族のつどいで情報提供にも来て下さったライフサポートあおば センター長の前中さんからは子どもの発達に関して、相談支援事業所ホットミルクの成田豊さんからは就労も含めて将来への見通しに関してお話がありました。

成田さんは就労支援としてインターネット通販やリサイクルショップ、パソコンの分解など様々な形で関わられています。「出会った人によって差が出てはいけない」と言う言葉が印象的でした。

午後からは、受講者が事前に持ち寄った事例を各グループごとに提示して、初日と2日目の2回分の事例選択をします。西村さんが全体の流れをご説明されています。


今回のコーディネーター養成研修会には、小児科医として雄一、あらいこどもクリニックの荒井宏治先生が受講されました。荒井先生は病児保育にも取り組まれており、今回の事例検討でも事例をご提示下さいました。

初日最後には今年2月に行われた医療的ケア児コーディネーター養成研修会のフォローアップ研修会や今年5月に弘前市で行われたフォローアップ研修会の開催で中心的に活動されている清水さんから、事例から導き出される青森県の課題に関してお話いただき初日を終えました。

研修会2日目は朝から医療的ケアに用いられる医療デバイスについて学ぶため、各デバイスを扱われている企業の皆さんにご協力いただきました。

2日目午後からは再びグループワークが行われ、各グループとも初日よりもより深い議論が行われていたように思います。

養成研修会の全日程が終了し受講者の皆さんが帰られた後、ファシリテーターの皆さんによる振り返りが行われました。次年度以降の開催に向けての反省点を列挙しているところです。

ファシリテーターの皆さんと終了後の集合写真です。

2日間の全日程を終了したらあたりは真っ暗になっていました。日が落ちるのも日に日に早くなっているようです。受講者の皆さん、ファシリテーターの皆さん、8月からの計4日間にわたる研修会、大変お疲れ様でした。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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