2017.07.19
続いて第53回日本周産期・新生児医学会学術集会 のご報告です。

今回は自分の発表はなく、当院からは池田先生が「超低出生体重児の急性期管理における積極的な血管拡張剤の使用による動脈管管理への影響の検討」と題してポスター発表されていました。

午後の会議に出た後はまず懇親会で東北の新生児の先生方とあれこれお話ししていました。

この日は続いて新生児のメーリングリストである 新生児医療フォーラム のオフミ(オフラインミーティング≒飲み会)に参加させていただきました。今回は横浜市立大学付属市民総合医療センターの西先生が幹事を務めて下さいました。

横浜市立大学の関先生は神奈川の地元のお酒をいろいろ持ってきて下さいました。それぞれ違った味と香りでとても美味しくいただきました。

オフミ終了後の1枚です。

みなとみらいの夜景はいつ観ても本当にきれいですね。昨年訪れたオランダのライデンの夜景にも似てる気がしました。

こちらはライデンの夜景です。いかがでしょうか?

さて、最終日の朝は同じく新生児医療フォーラムの管理人会がありました。ここでは毎回、このメーリングリストの運営等に関してあれこれ話し合っています。今回は比較的最近開設した看護師さん向けのメーリングリストにもっとたくさんの看護師さんから発言してもらうには?ということが話題となりました。

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今回は新たに四代目の管理人となった、神奈川県立こども医療センターNICU新生児集中ケア認定看護師の齋藤さん、埼玉医科大学総合医療センター臨床工学部の須賀さん、岡山医療センター総合周産期母子医療センター新生児科の竹内先生の3人が初めて揃うことができました。

続いてこの日は午前中にシンポジウム11「新生児科医をどう確保するか?」があったので行ってみました。

シンポジウムでは各方面の先生方それぞれのお立場から様々な提言がされていました。個人的な思いとしては、当院というよりも青森県のように、極めて悲惨な人手不足の状況から、ほんの10年も経たずに新生児専門医を複数名育成し、新生児科医師も増加させ、その結果として乳児死亡率等もまた上位群に入るまでの改善を果たした地域があるのに、なぜそのことを検証してくれないのか?と言う点を少々残念に感じました。本州の北の外れにある本県でできたことであれば、きっと全国どこでも可能なはずです。それがなぜできたのか?そのことを学会という第3者の目を通して検証してもらいたいと感じたシンポジウムでした。またこのことは今後もあちこちで訴え続けて行きたいと思います。皆さん、学会お疲れ様でした。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.06.06
ワークショップの後、Son先生のNICUを見学させていただきました。

こちらがNICUの入り口です。


フラットパネルのX線写真撮影装置もありました。

NICUの中には、日本では日の目を見ることのなかったステファニーの後継機がたくさん活躍していました。


NICUの端の方にあるこの机がSon先生の仕事場なのだそうです。



器材庫には日本ではもはや幻の人工呼吸器となってしまったステファニーが沢山待機していました。この写真だけ見ると当院の器材庫を彷彿させられます。

NICUの書棚には日本の新生児関連書籍がずらっと!このほとんどをSon先生は韓国語に翻訳されているのだそうです。

Son先生を囲んで集合写真です。

Son先生のご施設は大学病院と言うよりも、街全体が病院群になっていて、建物ごとに病院としての機能も異なるのだそうです。日本ではなかなか考えられないスケール感でした。


Son先生はこれまで当院も含めて、日本国内の数多くのNICUを見学されてきました。「ここは○○病院のNICUと、ここは△△大学のNICUと同じです」と、これまで数多くの日本国内のNICUを見学されてきたSon先生だからこそ実現できたNICUと感じました。ある意味、Son先生のご施設こそ「オールジャパン」が集結したNICUなのかも知れません。そんなSon先生の思いや熱意をもの凄く感じたワークショップでした。Son先生、ならびにご参加された韓国の皆様、ありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.06.05
今回のワークショップの冊子です。とても分厚いのですが、それもそのはず。全ての演者のスライド内容と口演原稿も!全て韓国語と日本語の二本建てになっていました。おそらくは全てSon先生が翻訳されたものと思いますが、その熱意とご努力には本当に頭の下がる思いです。

こうして自分のスライドと原稿が韓国語に翻訳されているのを見ると感慨深いものがあります。

演台もこのようになっていて、スライド横のキャプション通りにお話ししていきます。このキャプションの韓国版が冊子にも載っています。

冊子の各セッション冒頭には演者の写真入りで紹介されています。まずは、PAVバトルから。PAVバトルのお相手はSoonchunhyang University Cheonan HospitalのSong先生です。最初にこちらからはPAVの理論的なところを中心にお話しして、Song先生からは臨床での実際を中心にお話しされました。



続いて、HFOバトルのお相手は主催者のSon先生です。HFOでは逆に、Son先生がHFOの理論的なところを中心に解説され、こちらからは実際の治療困難例の治療戦略を中心にお話しさせていただきました。


質疑では、韓国ではあまり使われていないSLEシリーズの仕組みの中でもリストリクターの役割を、ピストン式HFOにおけるインピーダンスバルブの役割との関連でご説明させていただきました。

発表が終わってホッとひと息での集合写真です。以前、当院にも見学に来て下さったことのあるカトリック大学ソウル聖母病院のヨム先生は今回は質疑の通訳担当でした。

発表後に会場の病院前で。すっかりプレッシャーから解放された顔をしています。

こちらはワークショップ終了後の懇親会です。


PAVバトルでご一緒したSong先生と。

大木先生、豊島先生と。

最後にSon先生のご挨拶です。 その3 へ続きます。

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.06.04
先日もご案内しましたように6月2日(金)~3日(土)に韓国の仁川にある嘉泉大学 吉病院で 韓・日 NICUケアワークショップ が開催され、PAVとHFOに関しての日韓バトルで発表してきました。
実は今回が人生初の韓国でした。青森空港からの直行便で2時間半、あっという間に仁川空港です。

仁川空港と仁川を結ぶ仁川大橋です。この橋は有名ですね。

橋を走っていると巨大な都市が眼前に拡がってきます。

今回の会場はSon先生が勤務されている仁川の嘉泉大学吉病院です。会場周辺に到着すると、周りは日本人と外見は全く区別のつかない顔立ちの人々が全く分からない言葉を話していて、建物に書かれた文字も全く読めない、走っている車や家電などでも日本製品を見ることもなく、もし韓国という国の存在を全く知らずに、この場に突然一人立たされたら、きっとSFのパラレルワールドに迷い込んでしまったと思うじゃないか?と言うような、とても不思議な感覚に襲われていました。


会場の吉病院と会場のエントランスです。


こちらがメイン会場です。入った瞬間、信州フォーラムの会場とそっくりな感じがしました。

実は初日の到着が1日目に間に合わず、2日目からの参加となりました。主催者としてSon先生のご挨拶で2日目が始まります。

2日目はサーファクタントをめぐる日韓バトルで幕を開けます。日本の演者は聖隷浜松の大木先生、韓国の演者は乙支大学のKim先生です。今回のワークショップでは、演者は母国語で講演し、メインスライド・サブスライドがそれぞれ韓国語・日本語と言う構成になっています。


両者の発表が終わると予め互いからの質問が、やはり韓国語で表示され、それを口頭で答えながら、通訳の先生を介してその場その場での質疑を進めて行くと言う方式でした。

次のセッションは非侵襲換気に関してです。こちらは、日本代表が東京女子医科大学東医療センターの鶴田先生、韓国代表は啓明大学東山医療院のPark先生です。次が自分の出番なのでどきどきしながら待機です。( その2 に続きます)

(文責 成育科 網塚 貴介)

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2017.05.22
この週末は市内でいくつかの集まりがありました。一つは全国の臨床工学技士さんの学会である 日本臨床工学会で、これは参加者数が1500名以上と言うかなり大きな学会だったようです。
今回の学会では新生児領域では有名な臨床工学技士さんも青森にいらっしゃいました。お1人目は 新生児・小児ME機器サポートブック など、新生児領域を中心に多くの著作のある愛育病院の松井晃さんで、学会初日の朝早くに時間を作って見学に来ていただきました。

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さらにその日の夕方には、2012年、2014年と二度にわたって nasalDPAP勉強会 でご指導いただいた埼玉医科大学総合医療センターの須賀さんも学会の合間を縫って来て下さいました。

さて、一方、この日は青森県立保健大学で あおもり母乳の会 の第11回総会があり、今回は「出産ジャーナリスト」として多くの著作のある河合蘭さんをお招きした講演会もありました。あいにく仕事の関係で講演会には参加できなかったのですが、講演後に当院近くで行われた懇親会にちょっとだけお邪魔してきました。


河合さんが書かれた本は、今年春に終わった 東奥日報の連載 を書いているときにもたくさん読ませていただき、いろいろと参考にさせていただきました。今回は河合さんがいらっしゃると言うことで、本にサインをしていただきました。

こうして各方面でご活躍されている方達に次々とお会いできる機会と言うのもなかなかありません。また、是非青森へお越しいただければと思います。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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