
周産期医学の9月号「周産期におけるPros, Cons 新生児編」に「Late preterm児は母子同室で管理したほうがよい」と言うタイトルで原稿が掲載されました。今回の特集は新生児医療分野で結論の出ない問題をいくつかピックアップして、互いに相異なる双方の立場からの意見を紹介すると言う企画で、他にもたくさんの興味深い論点が紹介されています。
(上の写真をクリックすると周産期医学9月号の紹介ページにリンクします)

今回の特集では、今回の論点そのものである「NICUに入院しては母子同室できないと言う前提が間違いである」と言う立場から、冒頭にウプサラ大学NICUでのFamily centered careを紹介し、母乳育児の必要性が高いのに吸啜が弱いなど母乳育児確立へのハードルが高いLate preterm児だからこそ母子同室が必要であること、更にNICU・MFICUとそれぞれが独立して発展してきた我が国の周産期医療を、エストニアの小児科医Levinが提唱するHuman Neonatal Care Initiativeにある「母と子をひとつの閉鎖的精神身体系(closed psychosomatic system)」として今一度捉え直す必要性を論じました。そして、分娩後の産科病棟での入院期間が他国よりも長い我が国の特長を活かし、母子をともに入院患者として同じ病室でケアするユニットとしてFCCU(family centered care unit)の設立を提唱しました。
本原稿作成に際してはウプサラ大学見学チームの皆様に大変お世話になりありがとうございました。この場をお借りして御礼いたします。この機に、我が国におけるFamily centered careが少しでも前進することを願っています。
以前も書きましたが、当院の南には八甲田山、北にはむつ湾を臨むことができ、また病院周辺には高い建物があまりないことから西の遠くに岩木山を望むことも出来ます。先日の台風が去った後、病院やその周辺で撮影した写真を何枚かご紹介します。

先日の台風が去った翌朝のむつ湾です。むつ湾は内海で波が穏やかなことから、外海(太平洋・日本海)が荒れそうな場合に多くの船舶が退避してきます。この日の朝も多くの船舶で賑わっていました。

これも台風が去った後のある日の朝焼けです。

この写真は台風が去った直後の近くの赤川です。普段は生い茂った草のすき間をちょろちょろと流れるような小川ですが、この日はあり得ないほど増水していました。

赤川沿いの公園から望む夕焼け。

ある日の夕焼けです。西の向こうに岩木山が見えます。
青森県の周産期医療では特に小さく生まれた赤ちゃんは可能な限り当科のNICUへ運ばれるようにしていることから、時に米軍の三沢基地病院から妊婦さんが運ばれてくることがあります。これまでにも400g台や300g台の赤ちゃんを治療したことがあります。英語の苦手なスタッフが多いこともあって、米軍病院の通訳さんに来ていただいたり、院内で英語が堪能なスタッフの方に通訳をお願いしたりしながら、何とかご両親とコミュニケーションを図ってきました。
赤ちゃん達が元気に退院した後には、いつも病院の代表の方が表敬訪問で来て下さいます。
今日はこれまでにいただいた記念品と、当時の写真の一部をご紹介したいと思います。

上の2つは友好の証として頂戴した記念のメダルです。これをプレゼントする時には握手の前にコインを手のひらにおいて、そのまま握手して手渡すのが流儀のようです。

これは300g台の赤ちゃんが退院した後にいただいた記念品の盾です。

この写真はその時の赤ちゃんが本国の基地病院に転院することになった時の記念写真です。迷彩服に身を包んだ方達は皆、新生児のトランスポート専門の医療スタッフです。

基地病院の巨大なドクターカーです。
これからも時々搬送があると思いますが、何とか少しでもお力になることが出来ればと思っています。
(それと英語の勉強ですね・・・)