今朝の東奥日報で新生児のドクヘリ搬送が紹介されました。今年の春から夏にかけて新生児搬送用保育器を用いたドクヘリ搬送の準備を当院救命センターならびに関係者の方達のご協力の下で進めてきましたが、ようやく今年の10月より実運用までこぎ着けることができました。今朝の記事ではこれまでの搬送実績をご紹介いただきました。
記事にもありますように、現時点では八戸から当院へ母体搬送され、当院NICUでの治療後、ある程度状態が落ち着いたところで地元施設に戻る「後搬送(バックトランスファー)」が主となっています。状態が落ち着いたとは言っても引き続きNICUでの入院加療を要するまだ小さな赤ちゃん達ですし、搬送に関わるドクターの負担も大幅に軽減されました。八戸市民病院への後搬送は年間で多くても十数件ですので、この2ヶ月はちょっと多すぎた感はあります。年間で延べならすと月1-2件と見込んでいます。
しかし、本当の狙いはこうした後搬送により真の超緊急時に迅速に対応することにあります。母体搬送の間に合わなかった超早産児や地方で突然発生した緊急手術を要する先天性外科疾患などを想定しています。これまでは陸路で運ぶか、搬送を断念せざるを得なかった例もあり、搬送用保育器も用いたドクヘリ搬送は本県の新生児医療にとって文字通り強力な「飛び道具」となることを期待しています。
ところで、一昨日は当院救命センターの忘年会でした。今年はドクヘリによる新生児搬送「元年」と言うこともあって、お招きいただきました。
今回の実運用までには搬送訓練→反省を繰り返し行い、遂にマニュアル整備するまでに至りました。これも救命センターの齋藤部長はじめ、スタッフの皆さん、ドクヘリ関係者の皆さんのお陰と感謝しております。今後、超緊急例がいつ発生するか分かりませんが、その時こそこれまでの取り組みが試される時だと思います。また今後ともよろしくお願いいたします。