2月1日(土)はあおもり母乳の会 第11回学習会が当院で開催されました。今回は「早産児だからこそ母乳育児!!!」と題して、特にLate preterm児を中心に当科での取り組みをご紹介しました。内容的には以前、ご紹介した周産期医学の9月号「周産期におけるPros, Cons 新生児編」に「Late preterm児は母子同室で管理したほうがよい」と言うタイトルで掲載された原稿を元にしています。
今回の学習会には当科の母子室にも導入している授乳服メーカーのモーハウス代表の光畑由佳さんにもお越しいただきました。最後の写真は光畑さんとのツーショットです。この学習会の後、光畑さんは青森県内の旅行へ、網塚は東京へ発ちました。
- この図はNICUに入院した児と入院しなかった児の在胎週数と出生体重の関係を見たものです。NICUへの入院適応は施設間の差が激しいですが、当院の場合は比較的体重の小さな赤ちゃんでも全身状態が良ければ産科病棟での管理としている場合が多いのが特徴です。
- Late preterm児のNICUへの入院期間はお母さんと一緒に自宅退院可能な場合はかなり早い段階での退院が可能ですが、その時期までに退院できない場合は約1ヶ月ぐらいの入院期間となる傾向があります。
- 退院時点の修正週数と退院時体重との関係を見たものです。正期産である37週未満、体重も2000g未満での退院例がかなりの割合であることが分かります。こうした比較的小さなお子さんでも退院可能なのは、それまでに母乳育児の確立がなんとか間に合っているからです。
- 以前はNICUへの入院=母子分離でしたが、当院で取り組んでいる「直母外出」によって、NICUへの入院と非入院とのボーダーラインは曖昧になってしまっています。こうした、可能な限り母子分離軽減することがその後の育児にもつながっていくと考えています。そして、たとえ多少早く生まれてしまっても「何ごともなかったかのように」ご自宅へ退院できるように支援していくことが必要であると考えています。
- モーハウス代表の光畑さんとのツーショット