カンガルーケアはどこのNICUでもルーチンで行われていますが、使われている椅子を施設見学とかで見てみると施設によって結構異なるようです。カンガルーケア専用のスペースと椅子を用意している施設もあれば、当科のようにNICU内の保育器横で行っている施設も数多く見かけます。カンガルーケアを保育器横で行う場合、椅子は大きすぎては邪魔になりますし、重くては移動に難渋します。また片付ける際にも折りたためた方が保管時には便利です。当然、その前の前提条件としてお母さんがカンガルーケアを快適に行えなけば意味がありません。そんな条件を満たす椅子があるのか?もうかれこれ5年以上前になりますが、そんな椅子を探し求めた私たちが辿り着いた椅子をご紹介します。
まず、カンガルーケアを始めて間もない頃に使っていた椅子です。近くのホームセンターで買ってきた安い椅子でしたが、すわりごごちはまずまず、ただし折りたためないのが難点でした。
次に東邦大学佐倉病院の沢田先生からご紹介いただいたのがニーチェアです。これは今でもあちこちのNICUで見かけますので、結構使われているのではないでしょうか?これは二つに折りたためますので収納にも便利です。ただ、ちょっとだけ重さがあります。
ニーチェアよりももっと少し軽くて小さな椅子はないか?と探したところ、スノーピークの Take!チェアロングと言う椅子が目にとまりました。これは軽くて折りたたむとほとんど場所を取りません。ただ、この椅子はカンガルーケアには弱点がありました。座面から膝下にかけて傾斜しているため長時間座っていると、特に小柄なお母さんの場合に膝裏が痛くなってしまうのだそうです。
この椅子での失敗から、カンガルーケア用の椅子は座面が低く、なおかつ足(大腿)をなるべく水平に近く投げ出すように伸ばすことのできるような形状が必要だと学びました。そこで見つけたのがアウトドア用品を扱うコールマン社のコンフォートキャンバスチェアと言う椅子です。
実際にカンガルーケア中の写真を撮らせていただきました。
他のアウトドア用の椅子と比較したブログもありますが、他の椅子よりも座面が低いのが分かります。
現在、このモデル自体が販売されているかは定かではありませんが、現在使っているモデルの座面高が35cmなので、同じ高さの椅子を探すことは可能なのかも知れません。特に当科のように狭いNICUにはお勧めの椅子だと思います。