先週末は群馬県周産期医療学術講演会にお招きいただき「新生児人工呼吸器 今できること・できないこと・今後求められること」と題して人工呼吸管理に関してお話しさせていただきました。講演のタイトルは昨年の日本周産期新生児学会での人工呼吸管理シンポジウムと一緒ですが、群馬県のNICUではハミング系とSLE5000を持っているご施設が多いようだったので、内容的にはこれらの機種で「できること・できないこと」と、これ以外の機種で「できること」の解説が中心となり、ある意味「人工呼吸器購入ガイド」みたいな感じになってしまったかも知れません。
今は新青森まで新幹線がきているので、高崎までは大宮で乗り換えるだけなので意外に近いと感じました。
会場のホテルに到着すると窓の外から利根川を眺めることができます。
今回の講演内容は、これまでこのホームページにも掲載した内容がほとんどですが、今回「人工呼吸管理における輪作」と言う考え方を提案してみました。
輪作は同じ作物ばかり続くことにより土地が痩せるのを防ぐ効果があるようですが、人工呼吸管理でも同じ呼吸モードばかり使っていると、きっと同じ場所ばかり肺損傷するのではないだろうか?と言うところからの発想です。PAVが動いているところを見ていると、本当に吸気フローがゆっくりなのに酸素化が改善しますが、恐らくはPAVの場合だとそれぞれの肺胞が少しずつ分担して膨らんでいるのではないかと思わせられます。そんな様子を見ていると、きっと人工呼吸モードによって負担がかかる部位が違うのではないだろうか?そんなことを考えたりしています。今のところ何のエビデンスも根拠もありませんが・・・。
懇親会では主催者である群馬県立小児医療センターの丸山憲一先生をはじめとした群馬県の先生方と色々とお話しさせていただくことができました。群馬県立小児医療センターの先生方の名刺は皆さん、群馬県のゆるキャラである「ぐんまちゃん」のイラスト入りと言うか、「ぐんまちゃん」が名刺になっていました!
翌朝は群馬県立小児医療センターへ見学でお邪魔させていただきました。個人的には青森県にくる前は北海道立の小児病院(現コドモックルの前身です)での勤務が長かったので、小児病院はなんか懐かしい感じを受けました。
病院全体が増改築を繰り返されており、NICUも増床に伴う工事の影響で色んなスペースが不足されているとのことでした。最も驚いたのがNICU・GCUともに全ての病床の上にロールスクリーンが設置されており、それぞれがすぐに個室化できるようになっていたことです。これは空調・照明の位置関係を設計段階で分かっていないとできないことで、丸山先生にお聞きしたところ、やはり設計段階から考えられていたとのことでした。当院でもロールスクリーンによる個室化を考えたことはありましたが、工事の事前段階でここまで気がつかなかったので断念した経緯があります。
最後はNICUをバックに丸山先生とのツーショットです。
休日にもかかわらず院内をご案内下さりありがとうございました。