当院NICUは平成23年に12床への増床工事を行い、さらに平成26年にはNICUが15床へ増床されました。それに伴ってNICU内のレイアウトも変遷してきています。
特に昨年度からは感染対策強化のためのレイアウト変更が段階を経ながら取り組まれて来ています。今回はNICUレイアウトの変遷を写真でご紹介して見たいと思います。
当院NICUでは開設当初よりセンターテーブルをNICU中央に配置しており、平成23年の増床工事後も対面式から片面式の幅の狭いタイプに変更はしましたが、センターテーブルは使い続けていました。しかし、幅の狭いNICUの中央にセンターテーブルを置くと、エコーやX線撮影装置等が通るのも大変でしたし、感染対策上も患者さん周辺の清潔アリアと、電子カルテ等が置かれているエリアとの距離が近いという根本的な問題がありました。
そこで、平成23年の秋頃からセンターテーブルをNICUから撤去してGCU入り口のカウンター兼電カル端末用の記録スペースとして流用することとしました。
上の写真はセンターテーブル撤去前、下の写真は撤去後です。撤去後の方がNICU内が見た面にもすっきりしました。
しかし、この時点ではまだ患者さん周辺の清潔エリアの区分けが不明確であり、特に患者さんごとのカート上にNICU部門システムのタブレットが置かれていたことから、導線の交差が懸念されていました。そこで今年になってからですが、部門システムのタブレットはモニター機器が載っているシーリングペンダント上へ移動させ、患者さんのカートは最上段には清潔な物品しか置かないように徹底し、2段目は手袋置き場にしました。さらに従来患者さんごとに置かれていたゴミ箱も思い切って撤去し、処置ごとに派生した不潔ゴミはカート最下段を不潔エリアとして取りあえずビニール袋に入れて置いておき、処置の終了後にはNICU内に1カ所設けられたゴミコーナーに捨てに行くと言う導線へ変更してみました。

ゴミ箱撤去後はさらにすっきりしました。

患者さんのカート上には以前は部門システムのタブレットが置かれていましたが、タブレットはシーリングペンダント上へ移動させました。これに伴ってバーコードリーダーも有線から無線式に変更しています。

患者さんのカート上は内服薬などの清潔な物品しか置かないことにしました。
スタッフの感染に対する意識も「カート上はとにかく清潔にする」と導線に対する迷いも少なくなりますし、当初は大変そうだと思って忌ましtが、やってみるとなんとかなっているようです。
NICU内の記録スペースはNICU脇と奥の方の2カ所に電カルのためのテーブルは置いていますが、患者さんへの処置に際しての導線とは重ならないようにしました。
こうした変遷が可能になったのも昨年のINTACT研究や当科スタッフと当院ICNの皆さんのお陰と感謝しています。なんとかこうした取り組みを通してより高いレベルでの感染対策ができればと思っています。