先週末は千葉県柏市の麗澤大学で開催された 日本人口学会第68回大会 に初めて参加してきました。
今回の発表は「性と健康を考える女性専門家の会」の早乙女智子先生からのお声がけで実現しました。発表前夜のお食事処でのツーショットです。
ここのお店に飾ってあった「本当は何がしたい?」と書かれた色紙が妙に印象的でした。
会場の麗澤大学に到着です。
企画セッション前に発表者と企画者・助言者の先生方の集合写真です。
今回の演者にはなんと「 「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか? 」の著者である猪熊弘子先生もいらっしゃいました!この本は一昨年に出版されてすぐに読んだ本なので感激でした!この日のために本も持参し、猪熊先生にはサインしていただきました。
また同じ発表者である吉田穂波先生はなんと!「 「時間がない」から、なんでもできる! 」の著者であることを当日知りました。この本も以前、読んだことがあり驚きでした。
今回は初日の朝一番の企画セッション「地域特性や個別環境による出生率格差を考える」で、昨年の 第60回日本新生児成育医学会 少子化シンポジウム でも発表した「少子化の進行にともない低出生体重児出生数はどう変化するか?~人口動態統計による将来簡易推計の試み~」と題して発表させていただきました。
吉田穂波先生:被災地女性の健康と出産環境
猪熊弘子先生:子育て支援、保育環境における地域格差と出生率
早乙女智子先生:生殖補助医療が出生率に果たした役割とその地域格差
午後からは「人口政策の成り立ちを考える ~ Linking Past to Present ~」と題した公開シンポジウムでした。
シンポジウムは
1) 近世日本の妊娠・出産管理-「いのち」をめぐるせめぎあい 沢山 美果子先生(岡山大学)
2) フランス家族政策の起源-19 世紀から第 2 次世界大戦まで- 大塩 まゆみ先生(龍谷大学)
3) 戦間期スウェーデンにおける人口減少の危機とミュルダール 藤田 菜々子先生(名古屋市立大学)
4) 戦間期日本における優生‐優境主義の形成と展開 杉田 菜穂先生(大阪市立大学)
といずれも興味深いものばかりでした。
中でも特に藤田菜々子先生は「 ミュルダールの経済学―福祉国家から福祉世界へ 」の著者であり、この本に書かれている内容こそ、今の日本の少子化対策の根管となるべき内容と以前から思っておりましたので、今回はそのご本人のご講演を聴講することができて一人で勝手に興奮していました。
この本も持って行って藤田先生にサインしてもらえたらと思っていましたが、大著なので重さに負けてしまいました。
医学系ではなく人文系の学会への参加はこれが初めてでしたが、初めてとはとても思えないほど、どの演題も非常に興味深く、これからの日本の人口問題に欠かせない論点が満載の学会でした。また早乙女先生のおかげで多くの新たなご縁をいただくこともでき、とても充実した、また刺激的な2日間でした。早乙女智子先生ならびに参加された諸先生、ありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)