この日曜日には青森県助産師会研修会で医療的ケア児に関して講演させていただきました。

お話しは青森県の周産期医療の背景にはじまり、NICUから退院されたお子さん達の発達の特徴や支援の実際、さらに本論である医療的ケア児と取り巻く現状の問題点と支援体制構築のための大枠に関してお話しさせていただきました。このスライドは今年3月4日(土)に 周産期学習会~みんなで考えよう!青森県の小児在宅の今、未来 でご講演いただいた谷口先生が 平成27年度小児等在宅医療地域コア人材養成講習会 でお話しされていた資料を拝借して作ったものです。異なる法令に基づいたバラバラの支援が結果として「たらい回し」を生じさせる構造的な問題を指摘した図で、これは非常に分かりやすいと思っています。

助産師会で後援と言えばこれまでだと母乳育児とかファミリーセンタードケアとか相場が決まっていたものですが、周産期からは離れてしまったこちらはともかくとして、助産師会としても今後の医療的ケア児支援に関して妊娠中からの支援活動に取り組むことが期待されているところでもあり、これも時代の流れだなと感じた1日でした。少しでもお役に立てることを願っています。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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前日金曜日の会議が終わった次の日は東京からとんぼがえりでお昼過ぎから4歳未満のお子さんを対象にした「小さく生まれた赤ちゃんとご家族のつどい」を市内の保健センターをお借りして開催しました。
当院スタッフに加えて県内各地の保健師さん達も駆けつけて下さって、こちらは参加者の受付中です。

つどいのはじまりにはいつもどおり保育連合会の佐藤さんによるアイスブレークです。ここで子ども達にもリラックスしてもらい、ご家族は別室の情報交換会へと移動します。保育連合会の皆さんにはその間、お子さん達のお世話をしていただいています。

今回は情報提供として、 ライフサポートあおば センター長の前中さんと こどもサポート教室クラ・ゼミ の鈴木さんに、言葉の遅れなどが気になった時にどんな経路で支援施設につながることができるのか、その仕組みについてと、実際にそうした施設ではどのような考え方でお子さん達の支援をしていくのかに関してお話ししていただきました。


お二人のお話の後、小グループに分かれて参加されているご家族の思いや不安などをお話しした後、県内各地から来て下さった保健師さんに並んでもらって、それぞれどの地域の担当の方なのかを自己紹介していただきました。

今回は当院の医師として伊藤先生と矢本先生にも参加してくださいました。

ご家族が帰られた後にスタッフだけ残っての反省会です。前回の 4歳以上のつどい は就学準備に関する内容が中心でした。4歳以上とは言っても学年で行くので、前回は今年度中に4歳になるお子さん、つまり実は3歳以上のお子さんが対象になっていました。今回は4歳未満とは言っても、実は3歳台のお子さんはいなくて2歳後半が最年長でした。この時期は言葉の遅れなどの療育が必要かな?というあたりが気になりはじめる時期でもあり、そこでどのような支援があるのかもまだまだ分からない時期でもあります。今回のつどいではその辺を中心に企画してみました。いつもより年少のお子さんが多かったので保育の方が心配でしたが、そちらの方は大丈夫だったようで安心しました。

反省会後の集合写真です。今回から集合写真用の横断幕を作って下さいました。

このつどいも回を重ねる毎に少しずつですが進化しているようにも思います。今後も内容をさらにブラッシュアップして行ければと思います。参加されたご家族の皆さん、スタッフの皆さん、一日ありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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この週末は小児在宅医療推進の会議のために東京に行ってきました。

今回の会議のメインは NPO法人フローレンス 代表理事である駒崎 弘樹さんのご講演でした。

駒崎さんは待機児童問題や病児保育に取り組まれており、さらに 障害児保育園ヘレン や 障害児訪問保育アニー を通じて医療的ケア児を持つお母さん達の就労支援にまでも取り組まれている方です。
昨年9月17日の報道特集で「医療ケアが必要な子を育て働くこと」をテーマにした特集 が放送されましたが、この時にも日本初の障害児専門の保育施設であるヘレンの取り組みが紹介されていました。
ヘレンは障害のある子どもの受け入れ先が極度に不足している「障害児保育問題」を解決するというビジョンの元、1)医療的ケア、2)長時間保育、3)遊びを出発点とした活動と言う3つの特徴を有しています。
一方、アニーの方は、ヘレンが開設されてはみたものの需要があまりにも多く、園の開設が追いつかないため2015年に新制度なったのを機に誕生しました。アニーの特長は1)医療的ケア、2)非常勤、週2~5日勤務の長時間保育に対応、3)専門職による居宅訪問型(1:1)の個別保育、を特徴としています。
実際の運営に際しては、人材育成や異なる業種間の異なる文化間のコミュニケションなど、組織運営としても様々な取り組みがされていました。これは、今後、小児在宅医療支援体制構築の際にも同じように問題となるであろうことも多く、これはこれで非常に勉強になりました。
今回の会議で駒崎さんがいらっしゃると言うことで、東京に向かう新幹線の中でライフネット生命保険の会長である出口治明さんと駒崎さんが「安心して子育てができる社会にするには何が必要か?」をテーマに語り合った 「世界一子どもを育てやすい国にしよう」 を読んで行きました。双子のお子さんが次々と熱を出してそのお母さんが会社を辞めなければならなくなったと言う話を、ベビーシッターをされていた駒崎さんのお母さんから聞いて、それがフローレンス立ち上げのきっかけになったことがこの本で紹介されていましたが、そのお話は今回のご講演でもされていました。

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ご講演終了後に成育医療センターの中村先生とご一緒に写真を撮らせていただきました。さらに本にもサインしていただきました。


駒崎さんのご活動は「障害児を持ったお母さんでも働けるようにする」という明確なアウトカムを設定している点が非常に際立っていると感じています。それもこうしたNPO立ち上げに際して明確なエピソードがあったからなのだと再認識しました。先日も 乳幼児の入院付き添い、なぜ24時間?~朝日新聞デジタル でご紹介したように、働くお母さんにとっては子どもの病気は障害はもの凄く高いハードルになっていると日々感じています。駒崎さんのサインにもあるように「共にこども達のために」これからのご活躍を心から祈っています。駒崎さん、ありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)

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