1ヶ月ほど前になりますが、5月5日(土)の放送大学で、宇都宮市で認定NPO法人「うりずん」を開設されている高橋昭彦先生が「共に生きる社会を目指して~「医療的ケア児」をどう支えるのか~ 」をご講演されました。以下に抜粋してみたいと思います。
こちらが「うりずん」の外観です。
まずは近年の医療的ケア児の増加に関して。全国には約1万7千人の医療的ケア児がいると推計されています。
医療的ケア児には、気管切開や経管栄養、人工呼吸管理を要するお子さんなどがいます。
「うりずん」には、児童発達支援、日中一時支援、放課後等デイサービスの他、居宅型訪問保育や居宅介護・移動支援などの事業も行っています。
また高橋先生は「ひばりクリニック」も開設され、内科小児科診療の他、在宅医療・訪問診療もされています。
こちらは訪問診療の様子です。
高橋先生と言えば、この「かぶりもの」がトレードマークです。
高橋先生は、2006年にある人工呼吸器をつけた患者さんの訪問診療を通して、人工呼吸器をつけたお子さんの預かりサービスを始めることの決意表明をされました。
開設に至るまでの経緯が「うりずん」のホームページに書かれています。以下、ホームページからの引用です。
3時間以上眠れずにする子育てを想像できますか
ひばりクリニックの院長が
いつものように在宅医療に出かけた
ある日のこと。
人工呼吸器管理が必要なお子さんのお母さんが
体調不良で介護をすることが出来ず
代わりにお父さんが仕事を休んで
介護をするという
現実を目の当たりにしました。
日々、痰が詰まって窒息しないか、呼吸器の回路が外れていないか、など
片時も目が離せない状況のわが子のために介護にあたるご両親。
一方で、経管栄養・気管切開・人工呼吸器など
「医療的ケア」が必要になればなるほど
使える障害福祉のサービスは減っていく
現実があります。
ひと息つく暇もなく、
預けられる場所も無いに等しい現状。
そんなご家族のために出来ることはないのか。
そんな思いから「うりずん」の開所に向けた準備が始まりました。 (引用終わり)
それから開所に至るまでの経緯や、「うりずん」のポリシーがこのホームページで紹介されています。
番組の最後に、医療的ケア児を支えるために欠かせない3つのキーワードを紹介して下さいました。
人間、誰しも新たなことを始めるときにはどうしても不安が先立ってしまうものです。やりたいと思っていても、ついやれない理由を考えてしまいがちです。高橋先生が凄いのは、まず先に自らの退路を断って「やる」と宣言し、しかもそれを本当に現実にしてしまう熱意と行動力と感じました。そうは言っても、なかなか真似することは容易ではありませんが、高橋先生の熱意と行動力を少しでも見習えたらと思える素晴らしいご講義でした。
(文責 成育科 網塚 貴介)