11月22日(金)に大阪発達総合療育センターの船戸 正久先生をお招きして災害時における医療的ケア児支援に関する講演会を開催しました。
会場は県民福祉プラザで一番大きな県民ホールです。
船戸先生の熱いお話が始まります。
以前もご紹介したように、大阪では普段から小児在宅医療の患者さんが日常の活動の中で把握されており、大阪北部地震や台風21号のような災害時にも平時の延長線上として対処されたとうかがっています。今回のご講演では災害時小児周産期リエゾンも含めて災害対策の大枠からお話しして下さいました。
大阪では2016年4月に発生した熊本地震を受け、2017年7月に在宅医療的ケア児の緊急レスパイト訓練が行われたそうです。熊本地震では、福祉避難所ではなく平時から機能しているネットワークが中心となって避難が必要な在宅重症児を施設に緊急レスパイトしたそうで、この訓練もその経験を踏まえてのことだそうです。
大阪ではこの訓練の翌年の6月に大阪北部地震が発生し、さらに9月には台風21号にも襲われます。前年の訓練の反省を活かし、さらに実際の災害対応の反省も活かしながら、大阪における災害対策が進化している様子がとても印象的でした。
特に台風21号では広範囲で長時間の停電があったため、緊急レスパイトには従来の入院・入所だけではなく、空床がなくても電源と場所の確保だけでも対応するなどの柔軟さが求められると言うご指摘もその通りと感じました。
講演会が終了し、船戸先生を囲んでの懇親会を終えての集合写真です。この翌日には生命倫理に関する講演会もあり続いてご紹介します。実は、今回の災害時のご講演は、最初に生命倫理のご講演の企画があり、そこに船戸先生をお招きするのであれば災害時のご講演もお願いしなくては!と言うことで実現に至りました。特に本県のようにレスパイトに事欠くような状況が災害時においてもリスクとなると言う点において大阪での取り組みはきっと参加された県内関係者にも大きな影響を与えたことと思います。船戸先生、ありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)