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成育科ブログ

2014.11.26

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昨日、新型の小児・新生児用人工呼吸器ファビアン( エァ・ウォーター株式会社)のデモ器を見せていただくことができました。
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この人工呼吸器は、少し前にフジテレビで放送されていた「 若者たち2014 」にも登場していました。
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最新型ではありますが、どちらかと言うとハイエンドモデルと言うよりも従来機の「良いとこ取り」みたいな位置づけの機種のようです。色々ご説明を受けて、当初は正直なところあまり目新しさを感じなかったのですが、説明が終わった後も根掘り葉掘り細かいところまでお聞きしていると、実はこれまで待ちに待っていた機能が搭載されていることが分かりました。

CPAP+PSVと言うモードがあるのですが、このモードでは他の人工呼吸器と同様に無呼吸時間を設定して一定の無呼吸時間を経過するとバックアップ換気が働きます。これだけだと特に目新しさはなく、また無呼吸バックアップと言うのは赤ちゃんが「呼吸しているか?していないのか?」を正確に判断するにはある程度限界があって、特にPSVとの併用ではトリガー感度を鋭敏にすればするほど、無呼吸検知としては鈍くなると言うジレンマに陥ってしまいます。この辺のことは以前、 早産児の人工呼吸管理Part5 でかなり詳しく解説していますので、ご興味のある方はご覧いただければと思います。

以前もご紹介したのですが、SLE5000のPSVは「トリガーした時にはターミネーションによって吸気時間は可変、トリガーしなかった時には最大吸気時間を守る」と言う動きをするので、無呼吸時には比較的長い吸気時間によって肺のリクルートメント効果が期待でき、この点で非常に使いやすいと考えています。
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早産児が自発呼吸を維持するには機能的残気量の維持が重要な位置を占めます。このため無呼吸時に適切な肺リクルートメントをすることのできる機能がとても重要と考えています。
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この点でファビアンの場合、無呼吸時間の設定をオフにすると無呼吸時間が自動的にバックアップ換気回数の呼気時間に設定される、つまり、SLE5000と同じように自発呼吸をトリガーしなかった場合にはバックアップ換気回数を守りながら強制換気すると言う挙動となります。ここで、ファビアンは無呼吸時にはPSV圧とは別設定のバックアップ換気圧で強制換気できますので肺リクルートメント効果としては優れていることになります。

この写真はバックアップ換気中です。
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こちらは自発呼吸が混ざった状態です。
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人工呼吸管理中は同じ圧であれば自発呼吸時の方が無呼吸時よりも大きな換気量を得ることができますので、逆に自発呼吸と無呼吸を繰り返す新生児の場合、無呼吸時でもSpO2が下がらない設定では肺損傷の原因となってしまいます。このため「自発呼吸時には低い圧で、無呼吸時には比較的高い圧で」と言う動きをしてくれる人工呼吸器の登場をずっと待っていたのですが、当科で使用しているステファニーのCPAP+PAV+バックアップのモード以外、この条件を満足に満たしてくれる人工呼吸器がなかなかありませんでした。

実際に患者さんに使用してみてどうなのかはこれだけでは分かりませんが、大きな可能性を秘めた機種になるかも?と言う期待は持てる気がしています。

新生児、特に早産児は「無呼吸が当たり前」です。成人の人工呼吸器の仕様に準じて、無呼吸になる度にけたたましいアラーム音を鳴らす機種がありますが、早産児用の人工呼吸器では考え直して欲しいといつも思っています。人工呼吸器メーカーにはこうした視点からの人工呼吸器開発をお願いしたいと思っています。

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