あけましておめでとうございます。
昨年春には大瀧潮先生が東京都の島田療育センターから来て下さり、青森県内の医療的ケア児支援も大きな一歩を歩み始めることができた1年だったと思います。
今年はこの一歩をさらに進めるべく精進して行きたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
令和3年 元旦
(文責 成育科 網塚 貴介)
2021.01.01
あけましておめでとうございます。
昨年春には大瀧潮先生が東京都の島田療育センターから来て下さり、青森県内の医療的ケア児支援も大きな一歩を歩み始めることができた1年だったと思います。
今年はこの一歩をさらに進めるべく精進して行きたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
令和3年 元旦
(文責 成育科 網塚 貴介)
2020.12.27
昨年11月に鹿児島市で開催された第64回日本新生児成育学会で発表した「新生児科医師の勤務状況と働き方改革の観点から考察した医師供給に関する調査」の論文が日本小児科学会雑誌の12号に掲載されました。
この論文は、現在進行中である医師の働き方改革において、働き方改革法案により医師の年間総時間外勤務上限が960時間(月80時間)と明記されたことを受け、この時間外上限を守るためには全国の新生児科医師がどのくらい不足しているのかを定量化することを目指して検討したものです。
NICUでは医師が年中無休24時間体制で常駐しなければなりません。このためどうしても時間外労働時間が多くなりがちで、一般的な勤務医と比べても長時間労働は常態化しているのが実情です。
当直回数も地域差はあるものの月5回程度は普通にこなしており、月の時間外労働時間も働き方改革で示されているような時間内に収まるのはむしろ少数です。
この現状のままで、もし働き方改革による時間外労働時間制限をかけることになれば医師不足は明白です。ただ、明白と言いながらもこれまでは明確な数字が存在しませんでした。今回、働き方改革によって時間外労働時間の上限が定められたことにより、逆に不足医師数の計算がしやすくなったとも言えます。
もし時間外労働時間の上限が定められたら何人ぐらい・何割ぐらいの医師が不足するのか?そして、新生児科医師と言えども、全ての医師が時間外労働時間の上限まで働けるわけではありませんので、不足医師数の計算に際してはその割合も考慮して補正したところ、現在の医師数に加えて75.4%の増員が必要であると考えられました。
見方を変えると現在の全国の新生児医療は本来必要とされる医師数のたった5割強(57.0%)のマンパワー(北海道・東北地方や中国・四国地方に至っては半分以下!)で辛うじて維持されていることになります。現状を変えることなく働き方改革が進行すれば、現時点ですでにぎりぎりの状態で維持されている全国の新生児医療・周産期医療において多大な混乱が生じることは想像に難くありませんので、施設集約化や新生児医療に関わる医師の実数を増やすための具体的な方策を平行して遅滞なく進めることが必要と考えられる、と言うのが本論文の主旨です。
またこの論文をまとめるに当たってもうひとつ興味深い点がありました。それは男女の働き方に関してです。
新生児科医師のほとんどは当直業務に就いていますが、当直をしない新生児科医師も少数ながら存在します。しかも、それには地域差が大きく、北海道・東北地方では男女を問わず当直をしない新生児科医師はほとんどいませんでした。
このことは「時間外労働時間上限を超えてまで仕事ができないと『戦力』とみなされない」労働環境であることを意味しているのではないでしょうか。それが端的に分かるのが新生児科医師の男女別の平均年齢です。過重労働が著しい北海道・東北地方および中国・四国地方では他の地域に比べて女性医師の平均年齢が若いことが分かります。「時間外労働時間上限を超えてまで仕事ができないと『戦力』とみなされない」労働環境は子育て中の女性医師が活躍する場としては極めて厳しい環境であることは明らかです。ここからは推測ですが、女性医師の平均年齢が若いと言うことは、子育て中の女性医師がこうした地域では途中で諦めざるを得ないがゆえの結果を見ているのではないかと思います。でもなぜそんなに過重労働しなければいけないのか?と言えばそれは医師が不足しているからなのですが、その一方で医師不足と言いながらも過重労働できない医師を切り捨てざるを得ないジレンマが存在すると言えるのでしょう。
まだまだ厳しい労働環境にある新生児医療ですが、働き方改革と言う新たな「風」が吹き込むことで、もっといろんな立場の医師達が力を合わせることのできる職場環境に変わることと、この論文がそうした変化に少しでもお役に立てることを願っています。
(文責 成育科 網塚 貴介)
2020.11.16
中野もみじ山の紅葉は青森県内でも有名で、以前、このブログでもご紹介したことがありました。今回、久しぶりに行ってきました。
中野もみじ山からほんの少し足を伸ばしたところに黒森山浄仙寺と言うお寺があって、ここも紅葉がきれいとの噂を聞きつけたので行ってきました。
右奥に石段があり、そこを登っていったところからの景色が下の写真です。
お寺の敷地内に美味しいコーヒーが飲める休憩所があるのですが、その少し奥の方に池があり、そこからの景色も素晴らしかったです。
今後もしばらく新型コロナウイルス流行が収まる気配もなさそうで、以前のように毎週出張のような生活にはなかなか戻りそうもないですので、雪が溶けた頃にはまたまだまだ知らない青森県を探訪してみたいと思います。
(文責 成育科 網塚 貴介)
2020.11.15
新型コロナウイルス流行で学会や出張で県外に行くことが激減し、逆にこれまで出張で不在がちだった週末に県内を巡り歩く機会が増えてきました。ちょうど紅葉時期も重なったので、秋の青森県内の風景をご紹介したいと思います。
まず、最初は津軽半島北端の龍飛岬から。龍飛岬へは青森市内から北へ約70km、車で1.5~2時間ほどです。新青森駅を越えて、こちらの方に向かうのは青森県に来てからかれこれ20年以上になりますが今回が初めてでした。
海沿いをずっと走り、途中から山道に入ってしばらくすると、新幹線の奥津軽今別駅が突如その姿を現します。
龍飛岬に到着です。周りは完全に海なのですが、写真に収まりきれません。
龍飛岬には「津軽海峡冬景色」の歌謡碑があって、ボタンを押すと石川さゆりさんの津軽海峡冬景色が流れてくるとは聞いていましたが、押してみると「ごらんあれが龍飛岬、北のはずれと~」。流れてくるのは2番からなんですね。
龍飛岬と言えば有名なのが階段国道です。
階段国道の上の方の入り口のところです。階段の両側にアジサイが植えられていて、きっとアジサイの季節にはものすごくきれいなのでしょうね。
(文責 成育科 網塚 貴介)
2020.11.03
またブログ更新の間隔が空いてしまいました。先月末には総合周産期母子医療センター主催で、県内の主立った小児医療機関の皆さんを対象とした小児在宅医療学習会を開催しました。この新型コロナウイルス流行のご時世なので、リアルに集まるのはなかなか難しいため、今回は、当院スタッフは院内の会場で、他施設の皆さんはオンラインでの参加と言う初の「ハイブリッド型」学習会となりました。
開始直前の会場です。
ハイブリッド型学習会では、会場でのマイク使用とオンライン側からの音声でエコーがかかってしまう現象が起きるため、エコーキャンセラやその他あれこれ専用機器が必要になるため、医療情報部の田村さんに当日は手伝っていただきました。
今回の学習会は大きく2部構成で、第1部は全体講義として、最初に網塚から青森県としての現在の取り組みの大枠に関してご説明し、次に大瀧先生からは「症例をとおしてみる日常生活の中の小児在宅医療」に関して、八戸市民病院の小児看護専門看護師である奥寺さんからは「急性期病院からの在宅移行」に関して、相談支援事業所ホットミルクの成田さんからはマ「退院後の地域生活で知っておくべき社会制度」に関して、それぞれお話ししていただきました。
続いて第2部です。
第2部はグループディスカッションで、院内スタッフはリアル会場で、院内参加者はオンライン会場で行います。
こちらはオンライン会場のセッティング中です。
こちらはリアル会場で、ファシリテーターは大瀧先生と成田さんにお願いしました。
今回の学習会は、まずは現在青森県として取り組んでいる現状と、医療的ケア児が新規に退院する施設からの在宅移行に関しての知識をアップデートしていただくのが狙いでした。これまで県主催の医療的ケア児支援コーディネーター研修会は福祉の方が中心となっていますが、医療従事者にはなかなかお知らせする機会がありませんでした。今後は行政サイドへの現状の周知も課題になってくると思います。参加された皆さん、お疲れ様でした。
(文責 成育科 網塚 貴介)