信州フォーラム3日目です。前日から降り続いた大雪で甲信越地方の交通が完全に麻痺状態となりました。新幹線・在来線・高速道路は全て止まっています。確かにホテルの外も大雪です。
そこで、小林先生・寺田先生のレンタカーに北海道大学の兼次先生と一緒に乗せていただき、一般道で東京を目指すことにしました。今から考えればあり得ない選択でしたが、この時点ではまだ、特に山梨方面の雪害の惨状は全く分かりませんでした。
安曇野、松本、諏訪ともの凄い悪路の中進みましたが、茅野市を過ぎたあたりから通行止めに会い、迂回して原村へ(上の地図で緑の線が途切れたところから上のあたりです)。ところが、同じく東京を目指す車が次々に雪にはまって立ち往生してしまい、みんなで車を押したリタイヤを掘り出したり助け合いながら脱出しましたが、このあたりで既に夕刻を過ぎていました。
富士見駅を過ぎたあたりで、その先の状況を警察官の方に聞くと、この先は行けたとしても小淵沢の道の駅止まりとのことで、そこで寝泊まりするしかないとのこと。あたりには行き先を失った乗用車の列が連なり、コンビニの駐車場も一杯になっていました。近くの公民館が避難所として開放されるとの情報も入ってきました。
この写真は上の地図でガソリンスタンドとセブンイレブンが向かい合っているあたりで撮ったものです。
ここのコンビニで当面の食料と、非常時に備えて色んなものを買いそろえ、万一の場合には車中泊を覚悟で宿が確保できそうな諏訪湖を、元来た道を頼りに目指すことにしました。20時頃には諏訪湖畔まで辿り着くことができて、これで何とか一安心です。
翌朝はすっかり天候も回復し、部屋からは綺麗な諏訪湖を眺めることができました。
宿の朝食でみんな揃って。
ここから先、どうやって帰るかを考えました。どう考えても中央道や中央線が回復する見込みはなさそうで、可能性があるとすれば長野まで移動して新幹線再開を待つかと言うところですが、位置的に完全に離れてしまっています。ところが、幸いにも松本空港から千歳空港への便に空きがあることが分かりました。ここで、北海道組と行動をともにするか、松本で別れるかの決断を迫られましたが、飛行機が現時点で最良の選択と判断し、千歳空港経由で青森へ戻ることを決めました。松本空港に着くと駐車場には樹氷にのようになった車が山ほどありました。
なぜ自分が北海道にいるのか実感できないまま、すぐに青森便に乗り継ぐことでき夕方には自宅へ帰ることができました。これまでの状況を考えるとほとんど奇跡としか言いようがありません。小林先生、兼次先生、寺田先生、ありがとうございました。そして、本当にお疲れ様でした。
今になって情報があれこれ入ってきてから考えると色んな反省点が思い当たります。そこで今回、いったいどのような判断が最も適切だったのかをもう一度考え直してみました。今回のフォーラムでは血液ガス分析のガイドライン作りが話題となっていましたが、静岡済生会病院の杉浦先生のスライドを参考に「CQ:信州フォーラムからの帰路で大雪の交通障害に遭遇してしまった場合のガイドライン(案)」をスライド化してみました。
何より、情報が乏しい中での車での移動はやはり最もリスクが高い選択だったようです。私たちは道中、埋まった車の手助けで時間が取られたことが逆に幸いしたようで、もし順調に進んでいたら、そしてもし長野の雪がもう少し少なかったら今頃はまだ甲府の手前で足止めだった可能性があります。まだ足止めされている方もいらっしゃるかと思いますが、一日も早く帰路につけますことを祈っています。
また、今回の信州フォーラムは大変なことになってしまいましたが、でも素晴らしい会ですのでこれに懲りずに来年も是非参加したいと思っています。