今朝の東奥日報朝刊で、新生児臨床研究ネットワーク(NRN)の2009年から2011年まで3年間の調査で当院が好成績だったことを一面で大きく取り上げて下さいました。
先日の INTACTワークショップ の記事でもご紹介しましたが、この3年間の調査期間で、当院NICUで死亡、慢性肺疾患、重症脳室内出血、未熟児網膜症など重篤な合併症を有さずに退院できた「合併症無き生存退院」の項目で全国85施設中6位、偏差値66と言う好成績をあげました。
成績が良くなったのが事実とは言え、このように新聞紙上に大きく取り上げていただくのは本当にありがたいと思います。こうして取り上げていただくことが、これからの若い世代の方達に新生児医療に興味を持っていただくためのチャンスにできればと思います。
以下、記事中の本文です。
主に1500グラム未満の新生児を扱う比較的大規模な全国のNICU(新生児集中治療室)の治療実績を調査しているNPO「新生児臨床研究ネットワーク」(東京都)によると、青森市の県立中央病院総合周産期母子医療センターNICUが「合併症のない生存退院率」(2009~11年)で、全国85施設中6位、偏差値66と高い位置にあることが分かった。今年で開設10周年の県病NICUはこれまで県内全域からハイリスク新生児を受け入れ、治療技術の高度化と人材育成を進めており、関係者は「その取り組みが結果として表れた」とみている。
調査は、09年から3年間の各施設の症例数と出生体重、治療リスクなどを勘案して比較。肺疾患、腸炎、脳出血といった合併症の有無、生存退院できたかどうかなどの指標で審査したところ、県病は各項目で平均を上回った。11年に限ってみると、対象となった77施設のうち県病が1位だった。
調査の結果は1日に県病で開かれた医療者のワークショップ「周産期医療の質と安全の向上のための研究」で発表され、県外の医療者から「リスクの高い低体重の赤ちゃんを多く受け入れているのに、合併症や死亡例が少ないのはすごい」と評価された。
04年11月に開設された県病総合周産期母子医療センターは、県内全域からハイリスクの母体や新生児を受け入れ、高度な治療を施すことで本県の周産期死亡率改善に貢献してきた。
11年度から、新生児治療で先駆的な取り組みを実践している神奈川県立こども医療センターの治療方針を取り入れたことにより、医師のレベルと治療の質がさらに向上。13年からこれまで、同院に入院した超低出生体重児(体重1000グラム未満)55人の救命に成功した。 網塚貴介・県病NICU部長は「直近の治療成績は、全国でもトップクラスになっているのではないか」と語った。
さらに今回は、当院NICUの卒業生である石田望美ちゃんとお母さんの取材もして下さいました。石田さんは先日、元気プラザで行った 「小さく生まれた赤ちゃんとそのご家族のつどい(4歳未満)」 の最後に青森県内の病児を持つ親御さんのためのサイト 「~kamekai~」をご紹介された方で、記事にもありますが、「~kamekai~」とはカメのようにゆっくりでも前に進もうとママ友同士で立ち上げたグループです。ご家族の支援はこうしたお母さん達の協力も加わるととても支援の幅が拡がる気がします。こうした記事でまた多くの方と交流が生まれることを願っています。