先週末の5月23日(土)に東北大学主催の新生児科指導医教育セミナーにお招きいただきました。この企画は新生児科指導医育成を目的としたプログラムが厚生労働省から採択された事業だそうで、この教育セミナーは年3回予定されており、今回が2回目だそうです。
プログラムの内容はもの凄く高度で最先端の話題ばかりで、その中で唯一、全く学術とは無縁な「我が国の少子化の背景と周産期医療への影響」と題してお話しさせていただきました。今年10月に盛岡市で開催される 第60回日本新生児成育医学会 (旧日本未熟児新生児学会)で「少子化に伴って新生児医療はどのように変化するか?」に関するシンポジウムが予定されていますが、今回はそのフルバージョンのような内容です。
これは母親の5歳階級年齢別にみた低出生体重児出生数の推移を見たものですが、NICU不足が社会的問題になり、低出生体重児の出生数もピークだった2008年には、実は35歳未満のお母さんからの低出生体重児は既に減少局面にあり、それを35歳以上のお母さんから生まれた低出生体重児が下支えしている形となっています。
今後、低出生体重児はそう遠くない将来、確実に減少すると思います。一方、若年世代は地方から大都会へ移動しているので、地方での出生数減少が大都会以上に急激に減少することになると思います。そうなった時に懸念されることを最後の方のスライドにまとめてみました。これからの世代の先生達は、これまで拡大路線でやってきた方針をどこかで転換せざるをえなく、将来的には「撤退戦」の様相を呈するのではないかと予想しています。これからの世代の方達には今まで以上の知恵と結束力が求められるのではないかと考えています。
こちらはセミナー終了後の懇親会の様子です。あいにく懇親会には参加できませんでしたが、とても盛り上がったようですね。(お写真はFBから拝借させていただきました)
東北大学は東北地方の医療の要ですので、今後も臨床面・研究面でのますますのご発展を祈っております。お招きいただきました東北大学の松田先生をはじめ諸先生ありがとうございました。