Máxima Medisch Centrum病院 見学の翌日はアムステルダムにある OLVG(Onze Lieve Vrouwe Gasthuis)病院 を見学させていただきました。ここの施設では入院中のお母さんも赤ちゃんも一緒の部屋でケアを受けることのできる病棟があって「Family Integrated Care」と呼んでいます。この施設は日本における地域周産期センターに相当する施設で、NICUに入院する赤ちゃんも在胎32週以上のみを扱う施設です。
見学で対応して下さったのはベテランの助産師さんです。当院での「直母外出」の成績の中でも退院時点の修正体重と退院時体重の成績を英訳して持参してみていただいたところ、お返事は「same」、つまり、こちらの施設と同じくらいだとのことでした。見学前にこの時点で嬉しくて舞い上がってしまいました。
こちらがNICUと言うか、NICUもお母さんの病棟も混在した、文字通りの「周産期病棟」です。やはり全室個室なので、NICUとは言っても廊下とナースステーションがあるだけです。
これがお母さんと赤ちゃんが一緒に入院していられる病室です。奥の方にお母さん用のベッドがあります。部屋の手前の方には沐浴槽があり、ご家族の身長に合わせて電動で高さ調節が可能です。早産児用なので沐浴ベッドの上にはラジアントヒーターが備え付けられています。
こちらはコットの赤ちゃん用のお部屋です。やはり広いですね。
こちらは個室のNICUです。こちらは健康なお母さん用のお部屋のようで母親用のベッドはなくカンガルーケア用の椅子があります。先ほどもちょっと見かけましたが、こちらの病院の保育器は Babybloom社 の保育器で、これはしばらく前にFacebookでもリンクが流れて興味がありましたが、こちらはほとんど全てこの保育器でした。
こちらは家族用のラウンジです。やはりかなり広いスペースが確保されています。
病棟の壁面には多くの写真が飾られていました。こうした心配りもまた見習うべき点ですね。
見学の最後にここの施設で使っている赤ちゃんの用の病衣をお土産に下さいました。
この施設は、どこがNICUでどこが産科病棟なのか、普通に見学していると全く分からないほどに、産科とNICUの両者が混在していました。通常の個室のNICUの廊下を隔てた反対側にはお母さんが主体の病室があるといった具合です。スタッフの研修についておたずねしてみたところ、産科・NICUのスタッフは互いに9ヶ月程度の研修を行うことで、ケアの質を担保しているとのことでした。
日本における産科・NICUの区分けとは全く異なる施設なので、ここにはその全体像を描ききるのは難しいのですが、今後、またあらためてその詳細に関してはもっと根本的なコンセプトまで掘り下げてご紹介できればと思います。OLVG病院の皆様、ご案内いただきありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)