先月の札幌での小児科学会 で、横浜市の 能見台こどもクリニック の小林拓也先生が重症心身障害児の日中一時預かりをされているとのご発表があり、その場でご挨拶させていただきました。
かれこれ17年も前から医療的ケアを要する重症心身障害児の日中一時預かりをされているそうで、是非一度見学させていただきたいとお話ししたところ快くお引き受けいただきました。
そこにちょうど昨日ご紹介した 第38回神奈川県新生児研究会で人工呼吸管理の講演 のお話しがあり、今回、さっそく見学の機会をいただくことができました。
能見台駅は横浜駅から電車で20分ちょっとのところにあり、クリニック兼 ケアハウス輝きの杜 は駅から歩いてすぐのところにありました。
1階が小児科のクリニックで、2階がケアハウスとなっています。
早速中を拝見すると、重症心身障害児病棟と同じ状態のお子さんがたくさんいて、スタッフの方達は忙しくケアをされていて、一見しただけではいわゆる重症心身障害児の入所施設の中でもむしろ重度のお子さんの病棟にしか見えず、まさかこれが日中一時預かりの施設とはとても思えないほどでした。
お風呂はエアーで膨らむ構造になっていて、体幹の変形を伴うようなお子さんでも関節や骨に過剰な力がかからないような工夫が施されています。
こちらも手作りのベッドで、ベッドの下部は収納スペースになっています。その他、至るところに様々な工夫が一杯でした。
こちらは病室とつながっているバルコニーです。天気の良い日には日光浴できます。
患者さんとご家族はこのエレベータで出入りします。
ちょうど夕方の送り迎えのところも拝見できました。専任の運転手さんが看護師さんと一緒に送り迎えして下さいます。
診療が終わったところで小林先生とツーショットです。
実はここにご紹介したのはほんのうわべでしかありません。どのようにしてこの施設が立ち上がり、そして維持されているのか?そして、まだまだ問題も山積しているそうです。でも、重症心身障害児のお母さんでもお仕事を続けられる方のいる全国でも数少ない施設であることは間違いありません。「メディカルデイケア」のフロントランナーである小林先生の背中を追いかけていければと思ったこの週末でした。小林先生、スタッフの皆様、お忙しいところありがとうございました。
参考) 東奥日報連載32回目 医療的ケア児のお母さんからの投稿を巡って
2016.03.01 青森県の赤ちゃん死亡率、改善傾向 浮かぶ新たな課題
2015.11.22「続・赤ちゃんを救え〜助けられるようになった小さな命」
(文責 成育科 網塚 貴介)