最近ブログのアップが滞り気味なので、少し前の分にさかのぼって少しずつアップしていきます。今月上旬の12月9日に平成28年度周産期医療学習会を、先日見学させていただいた 青森県総合社会教育センター で開催しました。対象は青森県内の地域の保健師さんたちが中心で、青森県内各地からたくさんの方にご参加いただきました。
最初に情報提供として「NICU退院児のフォローアップと地域との連携の必要性」と題してお話しさせていただきました。
最初にNICUから退院したお子さんの発達に関して総論的なことをお話ししました。
特に超低出生体重児の場合、そのフォローアップに際しては就学を見据えると生まれた月が結構大きな意味を持ちます。中でも早まれの場合、超低出生体重児のほとんどが予定日で生まれた学年よりも1学年上がった「飛び級」になってしまいます。
就学に至るまでも、その時その時に必要な支援は様々で、また患者さんは県内各地から通ってくるので、地域ごとの情報はなかなか得にくいという問題もあります。今回の企画はそんな問題意識から始まりました。青森県ではハイリスク妊産婦連絡票や早産児で出生した場合連絡票によって地域の保健師さんが患者さんのお宅を訪問するという事業が以前から確立されています。しかし、一度退院してしまうと、その後に保健師さんと医療機関との情報交換の場はかなり限られており、NICU退院児のフォローアップにおいて困難さを感じることが度々ありました。そこで、今後の方策として、周産期に用いられているような連絡票をフォローアップ外来からも出すような仕組みを作れないものかというご提案をさせていただきました。現場の皆さんからは歓迎のご意見が多く、むしろ保健師さん達も集団の乳児検診時に医療機関からの情報がなくて困っているとのご意見も寄せられました。
情報提供の後にはワークショップ形式で参加者の皆さんから各地域の中で療育などに関するリソースに関して情報交換をしていただきました。意外に知らない施設名もたくさん挙げられ、とても参考になりました。
こうした問題意識を共有することで、NICU退院時のフォローアップと退院後の支援がより円滑に進むことをめざせそうかな?と思えた1日でした。遠方からのご参加もたくさんあり、本当にありがとうございました。
(文責 成育科 網塚 貴介)